ローコスト住宅とは?
メリット・デメリットや後悔しない選び方を紹介

2024/12/14 公開

ローコスト住宅とは?メリット・デメリットや後悔しない選び方を紹介

近年の住宅価格は、人件費高騰や円安による輸入資材の実質的な値上げに伴って、軒並み上昇傾向が続いています。一方で、実質賃金は2024年8月に3ヵ月ぶりのマイナスに転じるなど、いまだ十分な上昇にはつながっていません。こうした経済状況下において、これからのマイホーム建設には、いかに少ない予算で建てられるかが重要になるでしょう。

そこで、この記事では一般的な注文住宅に比べて低予算でマイホームを取得できるローコスト住宅の特徴から、ローコスト住宅が向いているケースや建築会社選びのポイントまで紹介していきます。

ローコスト住宅とは

ローコスト住宅とは、一般的な注文住宅に比べて低価格で建築できる、コストパフォーマンスに優れた住宅のことです。

一般的な注文住宅は、坪単価70万~80万円程度かかることも珍しくありませんが、ローコスト住宅であれば坪単価30万~50万円程度で建築できる場合があります。仮に40坪であれば2,000万円程度で建築できることから、価格高騰が続く昨今において、特に注目を集めている住宅です。

ローコスト住宅は大手ハウスメーカーをはじめ、全国の工務店など日本各地の建築会社で取り扱われており、シンプルな仕様を採用して材料費や人件費を抑えたり、広告費を削減したりすることで低価格帯の住宅提供を実現しています。建築会社の工夫によって、消費者は経済的な負担を軽減しながら、快適な住まいを手に入れられるのが魅力です。

ローコスト住宅の大きなメリットは、低予算でマイホームを手に入れられる点ですが、他にもローコスト住宅を購入することによって得られるメリットがいくつかあります。まずは、ローコスト住宅のメリットについて確認しておきましょう。

住宅ローンのハードルが下がる

ローコスト住宅は一般的な注文住宅に比べて、住宅購入予算を抑えることが可能です。これにより、マイホーム購入でほとんどの方が申し込む、住宅ローンの利用ハードルが下がるメリットがあります。一般的に住宅ローンは、借入金額と利用者の年収比率を示す年収倍率が低い方が審査に通りやすいといわれており、低予算で建築できるローコスト住宅はその条件を満たしやすくなるのが利点です。

また、借入金額が少なくなることで、マイホーム購入に費やさずに済んだお金を余剰資金として、子どもの教育費や家族の旅行費用など、住宅購入以外の目的に有効活用できる点もメリットになります。

床面積を広くできる

ローコスト住宅の建設にあたっては、建築コストが一般の注文住宅よりも安くなるので、浮いたお金を活用して床面積を広くすることも可能です。仮に十分な広さの土地を所有しているのであれば、2階建てではなくあえて平屋の広々とした住宅を建てるのもよいでしょう。

特に子どもの数が多かったり、3世帯同居したりする場合など、大家族で住む住宅を探しているときほど、広い床面積の恩恵を受けやすいです。同じ予算でも一般の注文住宅より広い住居に住める可能性があるのは、ローコスト住宅ならではのメリットだといえます。

引き渡しまでの期間が短い

建築コストを抑えるためのローコスト住宅の工法は、消費者にとって工期の短縮という恩恵ももたらします。一般的にローコスト住宅の建築ではコストを抑えるために、ある程度決められた仕様やデザインの中から選択する方法を用いているからです。

一般的に完全自由設計の注文住宅を選んだ場合、契約から実際の引き渡しまで1年程度かかることも珍しくありません。ローコスト住宅であれば、契約から引き渡しまで早ければ半年程度で完了します。引き渡しまでの期間を短縮できるメリットは、特に入学や転勤などで引っ越し日が決まっているような場合により大きく感じられるでしょう。また、賃貸住宅に住んでいる場合も、短縮できた期間だけ家賃を節約できるのでお得です。

こだわりたい部分に費用をかけられる

上述したようにローコスト住宅の設計は事前にある程度規格化されたものの中から選択する形になります。

基本設計は比較的シンプルな設備が多いですが、建築費用が安価に済むことを生かして、こだわりたいところに重点的に費用をかけられるのもローコスト住宅のメリットです。例えば、水回りや空調設備をグレードアップさせたり、リビングを自然素材を生かしたおしゃれな空間にしたりなどが挙げられます。

マイホーム建設は多くの人にとって一生に一度の大きな買い物なので、つい予算のことを忘れて理想を追い求めすぎてしまうケースも散見されます。しかし、ローコスト住宅ならもともとの予算が安いので、要望を詰め込んでいるうちに気が付いたら予算オーバーしていたという事態にはなりにくいです。

ここまでは、ローコスト住宅には低予算で手に入れられるマイホームならではのメリットがあることを紹介してきました。ここからは、ローコスト住宅のデメリットについて解説していきます。

要望を全て反映するのが難しい

ローコスト住宅のデメリットとして挙げられるのは、消費者の要望を全て反映するのが難しい点です。ローコスト住宅は一般的な注文住宅よりも安価に仕上げるために、あえてシンプルな間取りやデザイン、仕様が標準設計だからです。

手を加えたい箇所によっては消費者のこだわりを反映させられる部分もありますが、基本的に建築会社によって決められたプランに基づいて建築されるので、完全自由設計の注文住宅ほど自由度が高いわけではありません。あくまでも、低予算でマイホームを手に入れたい方に向けた住宅であることを理解しておきましょう。

標準仕様のグレードが低い可能性がある

ローコスト住宅の標準グレードは各社さまざまですが、一般的な注文住宅に比べるとやや低い傾向にあるのは事実です。ただし、単にグレードが低いのではなく、実用性に優れたコスパのいい設備が多いということです。設備の素材やデザイン性に華美なものは多くありませんが、快適に暮らすことを重視するのであれば、それほど気にする必要はないでしょう。

また、建築会社によっては注文住宅と同グレードの設備を採用しているところもあるので、グレードを重視する場合は、モデルハウスやカタログなどをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

オプションが割高

前述のように、ローコスト住宅では「予算が少し高くてもいいからグレードアップをしたい」という方のために、オプションを用意している建築会社もあります。ただし、ローコスト住宅は標準仕様の設計を規格化することで低価格を実現しているため、特別枠に当たるオプション設備は割高になりがちです。

余った予算でこだわり設備のグレードアップを図れるのは、ローコスト住宅のメリットであるものの、あまりオプションが増えると予算を大幅に超えてしまうケースもあるので注意しましょう。

高性能住宅に比べて品質が心配

ローコスト住宅では、快適に暮らすための最低限の品質は確保されていますが、近年増えてきた高性能住宅に比べると、どうしても耐震性や断熱性、気密性といった性能面で見劣りするのはデメリットです。断熱性や気密性に劣る住宅では、光熱費が増えて家計が圧迫される可能性がある他、対策を別途実施すると追加費用がかかり、ローコスト住宅のメリットである低予算を十分に生かせないことも考えられます。

低予算で理想を全て叶えることは難しいので、ローコスト住宅を選ぶときは性能面に優先順位を付けた上で、理想に近い住宅を実現できる建築会社を選ぶことが大切です。

ローコスト住宅とは

住宅に求めることや叶えたいことは人それぞれなので、必ずしも低予算に抑えられるローコスト住宅がよいというわけではありません。中にはローコスト住宅を建てて後悔したと感じるケースもあるようです。ここからは、ローコスト住宅を選んだ際に後悔しやすい点について紹介していきます。

間取りに制限がある

ローコスト住宅はある程度規格が用意されているため、間取りが制限される点には注意が必要です。建築会社によっては、モデルプランから部屋数や配置をまったく変更できない場合もあります。間取り変更を受け付けてくれる建築会社もありますが、一般的な注文住宅ほどの自由度はないと理解しておきましょう。

また、不整形地など土地の形状によっては、間取りの変更以前に施工しないところもあるので、建築会社にあらかじめ確認しておくことが大切です。

性能が低い

先述の通り、ローコスト住宅は一般的な注文住宅に比べると、断熱性や防音性などといった性能面で劣ることが多いです。基本的に日常生活を送る上で不便を感じることは少ないものの、断熱性が低いことで光熱費が余計にかかったり、防音性が低いせいで外部の騒音が気になったりすることが考えられます。

建築会社を検討する際は、住宅に求める性能をイメージし、モデルハウスや建築実例などの各種指標をチェックしておきましょう。

仕上がりが安っぽい

ローコスト住宅のデザインは、低予算かつ機能面で生活に問題が生じないことを優先して考えられているので、質素かつシンプルになることが多いです。そのため、他のこだわりの住宅に比べると、どうしても安っぽく見えてしまうことがあります。建物の外観や内装にオリジナリティや豪華なデザインを取り入れるのは難しく、できる場合でも追加の費用がかかってくるでしょう。

アフターサービスが十分ではない

ローコスト住宅を販売する建築会社の中には、コスト削減のために手間のかかるアフターサービスにあまり重点を置いていないところがあります。そのため、トラブルが発生した場合の対応が遅かったり、対応してくれたときには高額な費用を請求されたりするケースも少なくありません。

建築会社を決めるときは、事前にアフターサービス専用窓口の有無や、保証内容を確認して比較検討しましょう。

欠陥がところどころにある

ローコスト住宅に限ったことではありませんが、一部の建築会社が施工する住宅には完成直後にもかかわらず、隙間や床の傾きなど、欠陥が見つかることがあります。いくら安く住宅を手に入れられても、欠陥住宅では住みづらく、結果的に修繕費用がかさんで後悔するでしょう。

ローコスト住宅の建築実績が少ない会社に依頼すると品質が低くなりやすいので、住宅を建てる際は実績豊富な建築会社を探して依頼することをおすすめします。

ローコスト住宅のメリット・デメリットや後悔しやすい点を把握した上で、ローコスト住宅はどのような方に向いているのかを以下にまとめました。注文住宅と比較してお悩みの方は、以下を参考にしてください。

全体の予算を抑えたい方

ローコスト住宅の大きな特徴は、少ない予算でマイホームを手に入れられることです。一般的な注文住宅に比べて住宅ローンの借入金額を抑えやすくなるので、毎月の返済に追われにくくなるでしょう。その結果、家計にゆとりのある生活を送れたり、子育てや老後などの将来必要なお金を残したりしやすくなるはずです。

また、世帯年収がそれほど高くないために借入可能額が少ない場合も、ローコスト住宅にすることで全体の予算を抑えやすく、住宅ローンの借入がしやすくなるでしょう。

デザインや間取りなどのこだわりが少ない方

ローコスト住宅のデザインは実用性に富んでいる一方でシンプルなものが多い上、オプションの自由度もそれほど高くないのが特徴の一つです。デザインや間取りにそれほどこだわりがない方や、シンプルな仕様を好む方にとっては費用も抑えられて満足できるでしょう。

生活に必要な程度の設備は整っているので、高いグレードを求めなければ追加費用もほとんどかからず理想の家作りを実現できます。

ローコストもデザインも妥協したくない方はタイセーハウジングにご相談ください
ローコストもデザインも妥協したくない方はタイセーハウジングにご相談ください

ローコスト住宅は基本的にシンプルな仕様になりがちですが、全て同じデザインやカラーでつくられているわけではありません。

タイセーハウジングが手がけるローコスト住宅の屋根には、和から洋までさまざまなスタイルに対応できるカラーが用意されています。加えて、外壁には汚れにくく、色あせしにくい親水コーティング外壁材が採用されています。

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また、断熱材には環境に優しい高性能断熱材を使用している他、国土交通大臣認定の高耐力面材壁工法によって最高レベルの耐震等級3を誇るなど、ローコスト住宅でありながら、性能面で優れているのが特徴です。ただ単にコストダウンするだけでなく、デザインから機能性まで工夫を凝らし、コストパフォーマンスに優れた真のローコスト住宅を実現しています。

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マイホームは人生の中でも高額な買い物なので、後悔や失敗はしたくないと考える方が多いでしょう。そのため、複数の建築会社を比較するのがポイントです。以下では、建築会社選びの際にどのような点を比較すればよいか紹介していきます。

費用

建築会社を比較するときは、費用面で坪単価や内訳を比較することをおすすめします。それぞれの建築会社によってプランが異なるので、単純な価格だけでは設備や仕様なども含めた総合的な判断ができないからです。住宅ローンの関係もあるので、費用を確認するときは、必ずオプションも含めた総額で予算の範囲内かどうかチェックしましょう。

住宅の機能性・設備

ローコスト住宅では、住宅設備が必要最低限であることが多いので、標準仕様がどれほどのものなのかを確認することが大切です。オプションである程度希望するものに変更できることもありますが、対応範囲は建築会社によって異なります。

自分や家族が理想とする住宅の機能性や設備が実現できない場合もあるので、こだわりがある場合は、あらかじめ確認しておきましょう。

対応可能地域

ローコスト住宅の規格はある程度決まっているので、不整形地など土地の形状によっては建てられない場合があります。また、建築会社によっては対応可能地域が限定されているケースもあるので注意してください。住宅を建てる候補地が決まった段階で、建築会社に施工可能かどうかを確認しておくと、トラブルが起こりにくいでしょう。

アフターサービス・保証

上述の通り、アフターサービスや保証の充実度は建築会社によって大きな違いがあります。そのため、保証期間や保証範囲、定期点検の有無などを事前に確認し、比較しておくことも大切です。建築会社に確認する際は、有事の際の窓口への問い合わせ方法も確認しておくと、いざというときにも安心できます。

建築実績

ローコスト住宅で安心して快適に暮らし続けるには、信頼できる優良な建築会社に建ててもらうことが重要です。建築会社を選ぶ際は、過去の建築実績を参考にすると良いでしょう。

実績豊富な建築会社を確認するには、各社のホームページやカタログ、パンフレットをチェックする方法が有効です。建築実例を見ることで、品質やデザインの傾向も把握できるでしょう。

ローコスト住宅を建てる際の注意点

一般的な注文住宅と比べて安価に建築できるローコスト住宅のメリットに惹かれ、前向きに検討したいと考える方も多いでしょう。ここでは、ローコスト住宅を建てる際の注意点について紹介します。

坪単価だけでなく総費用や内訳を確認する

ローコスト住宅の建築を考えるときは、総額でいくらかかるかを確認することがポイントです。建築会社のホームページなどに掲載されている坪単価は、最低限の仕様のみの価格で表示されている場合があります。自分が希望する設備がオプション扱いで別途費用がかかり、結果的に一般的な注文住宅と同等の費用がかかってしまうなど、ローコスト住宅を選ぶ意味が薄れてしまうこともあるでしょう。

建築会社が提示する坪単価の内訳はもちろん、オプション扱いになっている設備を希望した場合、総額でいくらかかるかまで、しっかり確認しておくことが大切です。

デザインや間取りの自由度を確認する

ローコスト住宅でも、建築会社によってはある程度のデザインや間取りを変更できる場合があります。しかし、どこまで対応可能なのかは建築会社によって異なるので、デザインや間取りにこだわりがある方は事前に確認しておきましょう。

ホームページやカタログでも大まかな変更可能箇所を把握できる場合がありますが、細かい部分まで気になる方はモデルハウスに行ったり、担当者に直接質問したりすると安心です。

建築会社は複数社で比較・検討する

ローコスト住宅は低価格を実現しやすいものの、実際の価格や仕様についての明確な定義はなく、建築会社によって費用やデザインは大きく異なります。住宅は高額な買い物なので、後悔しないような納得できる家作りをするには、信頼できる建築会社選びが重要です。

上述のような比較ポイントを確認するのはもちろん、実際のモデルハウスに足を運んでみたり、見積もりを出してもらったりするなどして、建築会社や担当者の雰囲気までチェックしておきましょう。

安さを過剰にアピールする建築会社に注意する

価格の安さはローコスト住宅の大きな魅力ですが、家作りにおいては安全かつ快適な住まいにすることが何より重要です。安さばかりをアピールする建築会社は仕上がりに関心がなく、単に売り上げを伸ばすことだけを考えている可能性があります。

そのような建築会社に依頼すると、品質や性能がおろそかな住宅ができてしまい、後悔するかもしれません。建築会社は価格の安さだけでなく、自社製品へのこだわりをアピールしてくれるところを選びましょう。

ローコスト住宅は、一般的な注文住宅に比べて低予算でマイホームを手に入れられるので、予算があまり多くない方でも理想の住宅を手に入れられる可能性があります。ただし、ローコスト住宅で後悔しないためには、建築会社選びや資金計画をしっかり行うことが大切です。

タイセーハウジングでは、自社で土地探しから施工まで対応しているので、住宅購入にかかる費用を明確に提示し、無駄のない資金計画をご提案できるのを強みとしています。

ローコストもデザインも妥協したくない方はぜひタイセーハウジングにご相談ください。