土地込み注文住宅を6000万円で建てるなら?
費用相場や建築時のポイント

2025/7/4 公開

土地込み注文住宅を6000万円で建てるなら?費用相場や建築時のポイント

憧れのマイホームを検討する際、資金計画や予算をどうするかは大きなポイントです。新たに土地を購入して注文住宅を建築するには、予算6,000万円だとどのような住まいを建てられるのでしょうか。
本記事では、土地込み注文住宅を建てる場合の費用相場や住宅の広さ、返済シミュレーションなどをご紹介します。土地探しからのマイホームを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

6,000万円で土地込み注文住宅を建てる場合の費用相場

そもそも6,000万円は、土地込み注文住宅の予算としてどれくらいの水準なのでしょうか。住宅金融支援機構の2023年度フラット35利用者調査から、地域別の平均費用相場を確認してみましょう。

住宅面積 敷地面積 建設費(建築費) 土地取得費 総費用(建設費・土地取得費)
全国 111.2㎡ 208.1㎡ 3,405.8万円 1,497.6万円 4,903.4万円
首都圏 108.8㎡ 160.4㎡ 3,402.3万円 2,277.3万円 5,679.6万円
近畿圏 113.5㎡ 162.8㎡ 3,414.5万円 1,850.8万円 5,265.3万円
東海圏 114.7㎡ 220.3㎡ 3,491.1万円 1,319.4万円 4,810.5万円
その他地域 110.8㎡ 252.3㎡ 3,384.0万円 915.3万円 4,299.3万円

※参考:住宅金融支援機構.「2023年度 フラット35利用者調査」(参照 2025-06-13)

上の表を見ると、相場の高い首都圏でも5,600万円台であり、予算6,000万円であれば、比較的どの地域でも土地込み注文住宅を取得可能といえます。立地条件や設計などを工夫すれば、さらに予算を抑えられるでしょう。

費用内訳

土地代には土地価格以外に、仲介手数料や不動産取得税などの購入時の諸費用が含まれます。建築費に関しても、本体工事費に加えて付帯工事費や諸費用が発生します。建築費は、本体工事費が全体の約70%、付帯工事費が約20%、残りの約10%が諸費用というのが標準的な内訳です。
仮に予算が6,000万円で土地を諸費用込み2,000万円で取得する場合、建築費は全体で4,000万円かけられます。上記の内訳をベースに考えると、本体工事費が2,800万円、付帯工事費が800万円、諸費用が400万円となります。

注文住宅の費用に影響する要素

注文住宅の費用に影響する要素は、主に以下の6つです。

  • 建物の規模
  • 建物の構造・工法
  • 住宅設備・仕様のグレード
  • 住宅性能
  • 外構デザイン・設備
  • 建築会社

ここからは、各要素について詳しく解説します。

① 建物の規模

土地代とともに費用の大きな割合を占めるのが、本体工事費です。本体工事費は、「坪単価×床面積」で算出するのが基本となるため、住宅の規模が大きいほど建築費も高くなります。また、部屋数が多かったり廊下が入り組んでいたりするなど、間取りが複雑な場合も費用が高くなりがちです。

② 建物の構造・工法

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート(RC)造など、建物の構造によっても建築費が変わります。木造が安く、RC造はコストが高めです。さらに、同じ木造でも工法によって建築費が異なり、例えば工期の短い2×4(ツーバイフォー)工法は標準的な在来工法よりも安価な傾向にあります。
ただし、建物構造や工法にはそれぞれのメリット・デメリットがあるため、費用だけで選ぶのは得策ではありません。建てたい住宅のイメージとコストのバランスを踏まえて検討しましょう。

③ 住宅設備・仕様のグレード

採用する住宅設備や建材などのグレードによっても、建築費は大きく異なります。特に、キッチンや浴室、トイレといった水まわりはグレードが幅広く、スタンダードなものを選ぶのとハイグレードなものを選ぶのとでは、価格に大きな開きが出るでしょう。また、床材や壁材を無垢材にするなど、設備や建材を自然素材のものにすると高額になりがちです。

④ 住宅性能

地震に強い住まいやエコな住まいへのニーズが増えており、高性能住宅の人気が高まってきています。断熱性や気密性、耐震性、耐火性、省エネ性などの住宅性能を高めるほど快適な住まいを実現できるものの、建築費も当然高くなりやすいです。
性能にこだわりたい場合は、求める性能を標準仕様としている建築会社を選ぶことで、費用を抑えられる可能性があります。

⑤ 外構デザイン・設備

駐車場やフェンス、庭、玄関アプローチ、門柱・門扉などの外構工事にかかる費用は、付帯工事費に含まれます。本体工事費にばかり目がいきやすいですが、外構工事費も建築費の大きな割合を占める項目の一つです。
アプローチ周辺に芝生やコンクリートを敷いたり、外部に照明や水道を設置したり、目隠しフェンスや壁を設置したり、外構を造り込むほど費用は高額になります。

⑥ 建築会社

建築会社選びも、注文住宅の費用に関係する大きな要素です。建築会社ごとに建築費の坪単価やサービス内容が異なるため、コストや品質、サービスのバランスを考慮して、自分に合った会社を選ぶことが大切です。
なお、費用面では、全国規模のハウスメーカーの方が地元密着の工務店より高額になる傾向があります。ハウスメーカーは広告宣伝費や人件費を多くかけており、その分を商品価格に上乗せするのが一般的であるためです。

6000万円で土地込み注文住宅を建てる場合の広さの目安

6000万円で土地込み注文住宅を建てる場合の広さの目安

予算6,000万円で土地込み注文住宅を建てる場合、どれくらいの広さを確保できるのでしょうか。一般的な建築費の坪単価から目安を検証します。
仮に2,000万〜3,000万円程度で土地を取得できたとすると、残りの3,000〜4,000万円を建築費に充てられることになります。標準的な木造住宅を建てる場合、建築費の坪単価は60万〜80万円程度です。予算に当てはめて考えると、おおむね50坪程度の住宅を建てられる計算になります。
これだけの広さがあれば、広めの3〜4LDKや5LDK以上の間取りも無理なく実現できるでしょう。さらに、収納スペースや趣味スペースを充実させることも十分に可能です。

予算6,000万円の土地付き注文住宅の特徴

6,000万円の予算があれば、次のような特徴を持つ注文住宅を建てられるでしょう。

  • ハイグレードな住宅設備を採用している
  • デザインの細部までこだわっている
  • 無垢材などの自然素材を随所に取り入れている
  • 太陽光発電システムや蓄電池を導入している など

住宅ローン6000万円の返済シミュレーション

ここでは住宅ローンを利用して、6,000万円の土地込み注文住宅を建てる場合の返済イメージをシミュレーションしてみます。試算の条件は、以下の通りです。

  • 総費用:6,000万円
  • 頭金:600万円
  • 借入額:5,400万円
  • 返済期間:35年
  • 金利タイプ:全期間固定金利
  • 借入金利:年1.890%(2025年6月時点の新機構団信付きのフラット35借入金利水準<融資率9割以下>)
  • 返済方式:元利均等返済
  • ボーナス返済:なし

※参考:住宅保証機構株式会社.「住宅ローンシミュレーション」(参照 2025-06-13)

上記条件で試算すると、毎月返済額は約17万5,800円、総返済額は7,385万6,200円となります。この他、金融機関へ支払う融資手数料や保証会社への保証料など、諸費用がかかる点には注意が必要です。

※参考:住宅金融支援機構フラット35.「金利情報」(参照 2025-06-13)

世帯年収

住宅ローンを使って住宅を取得する場合、借入可能額の目安は年収倍率と返済負担率を基準に考えます。

  • 年収倍率:住宅ローンの借入額が年収の何倍かを表す数値
  • 返済負担率:年収に対する年間ローン返済額の割合を表す数値

年収倍率は一般的に6〜7倍程度が適正範囲とされ、年収の7倍程度まで借り入れられるといわれます。ただし、無理なく返済するためには、手取り年収による返済負担率を20〜25%以内に収めるのが理想です。
年収倍率から考えると、予算6,000万円を設定するには、世帯年収1,000万円以上が目安となります。年収1,000万円の手取り額は700万〜780万円程度のため、年間ローン返済額が返済負担率25%となる195万円以内になるよう、金利タイプや返済期間を選択するのがよいでしょう。
ただし、借入可能額はあくまでも借りられる金額であって、無理なく返せるかどうかは別問題です。将来のライフプランを考慮して、慎重にシミュレーションしましょう。

費用を抑えて注文住宅を建てる5つの方法

予算6,000万円は、土地込み注文住宅の予算としては比較的潤沢といえます。しかし、なるべく費用を抑えたい方も多いのではないでしょうか。
注文住宅にかける予算を抑えるには、以下5つの方法が効果的です。

  • 土地選びを工夫する
  • 間取りをシンプルにする
  • できるだけ標準仕様で仕上げる
  • 設備・仕様のグレードを下げる
  • 複数社で見積もりを取って比較検討する

それぞれ詳しく解説していきます。

① 土地選びを工夫する

先述の通り、土地代は総費用の中でも大きな割合を占めます。特に都心部の人気エリアで一定の敷地面積を確保しようとすると、土地代だけで予算をオーバーする事態になりかねません。
家づくりにかかる費用を抑えるには、土地探しのエリアを郊外にまで広げる、コンパクトな土地を探す、旗竿地をはじめとする変形地を選ぶなど、土地代を下げる工夫も検討しましょう。

② 間取りをシンプルにする

おしゃれな空間を演出するために、吹き抜けやスキップフロアなどの特殊な間取りを採用すると、どうしても建築費が高くなります。できるだけシンプルな間取りにすれば、建築費を削減できるでしょう。
また、建物形状もシンプルな方が建築費を抑えられます。例えば、1階と2階の形状が同じ総二階の住宅にすれば、基礎工事や屋根工事にかかる費用の節約が可能です。

③ できるだけ標準仕様で仕上げる

注文住宅には、標準仕様とオプション仕様があります。建築会社が広告などで掲出している本体工事価格は、標準仕様をベースにしたものです。オプション仕様を追加するほど価格も上乗せされるため、予算オーバーの可能性が高まります。
できるだけ標準仕様の中で選択することが、費用を抑えるポイントです。標準仕様は建築会社によって異なるため、自分たちの希望に近い標準仕様の会社を選ぶことがコストカットにつながります。

④ 設備・仕様のグレードを下げる

最新の住宅設備や仕様に憧れがちですが、全てを最新のハイグレードなものにしていては、いくら予算があっても足りません。本当に必要な機能やデザインなのかをしっかり見極め、費用のかけどころにメリハリをつけることが大切です。
必要性の低い部分のグレードを下げれば、コストを抑えつつ必要最低限の機能を取り入れられるでしょう。

⑤ 複数社で見積もりを取って比較検討する

建築会社に見積もりを依頼する際は、最初から1社に絞るのではなく、複数社に依頼するのがおすすめです。複数社の見積もりを比較検討すれば、適正な価格を把握しやすくなります。
比較時には価格だけではなく、施工内容やアフターサービスなどもしっかりと確認しましょう。施工内容やサービスと価格のバランスを考慮して選ぶことで、満足度の高い家づくりが叶えられます。

土地込み注文住宅を6000万円で建てる際のポイント

土地込み注文住宅を6000万円で建てる際のポイント

6,000万円の予算をかけて注文住宅を建てるなら、後悔のない住まいを実現したいものです。ここでは、予算内で理想の注文住宅を建てるための3つのポイントをご紹介します。

① 優先順位を決めておく

自由度高くこだわりを叶えられるのが魅力の注文住宅ですが、あれもこれも実現しようとすると、あっという間に予算をオーバーしてしまいます。特に、土地代の高い都心部での家づくりでは、建築費をいかに抑えるかが大きなポイントになるでしょう。
土地代込みで6,000万円以内に収めるには、希望条件に優先順位をつける必要があります。あらかじめ優先順位をはっきりさせておけば、譲れない点と妥協できる点が明確になり、判断しやすくなるでしょう。

② 家族構成やライフスタイルを考慮する

家族ごとに希望する生活は異なり、暮らしやすい住まいの形も異なります。注文住宅を検討する際は、家族構成や人数、それぞれのライフスタイルを十分考慮した上で、自分たちにとって暮らしやすい間取りや動線を検討しましょう。

③ 建築会社の得意分野を把握する

建築会社によって、施工やデザインの得意・不得意があります。住宅性能にこだわっている会社や狭小住宅に強い会社、デザイン性を売りにしている会社など、方向性はさまざまです。Webサイトや紹介資料にある施工実績を見れば、どのような特徴がある会社なのか把握できます。得意分野を比較して、家族の希望するプランを叶えてくれそうな会社を選ぶとよいでしょう。

6000万円でこだわりの土地込み注文住宅を実現しよう

6,000万円の予算があれば、希望を多く盛り込んだ高品質な注文住宅を実現できる可能性があります。ただし、希望を全て叶えようとすれば予算オーバーになりかねないため、費用を抑える工夫も検討しましょう。6,000万円で理想の土地込み注文住宅を実現するには、パートナーとなる建築会社選びが大切です。
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