無垢フローリングの種類と特徴
床材を選ぶメリット・デメリットや選び方も解説

2025/4/5 公開

無垢フローリングの種類と特徴|床材を選ぶメリット・デメリットや選び方も解説

無垢フローリングは憧れるけどお手入れが大変そう…。費用が高そう。と感じている方のためにも、無垢フローリングの種類と特徴を解説します。経年劣化の楽しみ方もご紹介するので、今後の家づくりの参考にしてください。

フローリングは、部屋の印象を大きく左右する大切な要素です。その中でも無垢フローリングは、木の温もりや質感を楽しめる人気の床材ですが、「どの種類を選べばいいのか分からない」「メンテナンスが大変なのでは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、無垢フローリングの種類や特徴、メリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、選び方のポイントもご紹介するので、自分に合った床材を探すのに参考にしてください。

無垢材とは?

無垢材とは、一本の木から切り出して加工された自然素材のことを指します。接着剤などを使用しておらず、木本来の風合いや温もりが感じられるのが特徴です。特にフローリングとして人気があり、足触りの良さや経年変化を楽しめます。無垢材にはどのような特徴や種類があるのかを、詳しく見ていきましょう。

無垢材の特徴

無垢材は、一本の木をそのまま加工した自然素材で、独特の木目や香りが特徴です。湿度が高いと湿気を吸収し、乾燥すると放出する調湿効果があり、室内環境を快適に保つ役割も果たします。また時間がたつにつれて色合いが深まり、味わいが増す点も魅力です。

一方で、フローリングには「集成材」と呼ばれる人工的な木材もあります。集成材は、複数の木片を接着して作られており、無垢材に比べて反りや割れが生じにくく、価格も抑えられるのが特徴です。均一な見た目や安定性を重視する場合に適しており、用途に応じて選ばれています。

無垢材で使われる木材は主に2種類

無垢フローリングに使われる木材は、大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。それぞれ性質が異なり、用途や好みに応じて選ばれます。

針葉樹は木質が柔らかく、足触りが優しいのが特徴です。スギやヒノキなどが代表的で、明るい色合いが多く、素足で歩いたときの心地よさが魅力ですが、傷が付きやすいため、物を落としやすい環境では注意が必要です。

広葉樹には、ナラやウォールナットなどがあり、針葉樹に比べて硬く、耐久性に優れています。傷が付きにくく、落ち着いた色合いが多いため、高級感のある仕上がりになるのが特徴です。ただし、針葉樹に比べると価格が高く、施工に手間がかかることもあります。

無垢フローリングに使われる針葉樹は、軽くて柔らかく、温かみのある質感が特徴です。ここからは、代表的な針葉樹について特徴を紹介します。

スギ

スギは日本を代表する針葉樹で、無垢フローリングによく使われます。木目が優しく、明るい色合いのため、どのようなインテリアにもなじみやすい木材です。

木質が軽く、適度な柔らかさがあるため、足触りが良く、素足で歩いたときの心地よさが魅力です。特に、小さな子どもがいる家庭では、転倒時の衝撃を和らげる効果も期待でき、安全性の面でも優れています。ただし、柔らかいぶん傷が付きやすいため、重い家具を置く際には工夫が必要です。

ヒノキ

ヒノキもスギと並ぶ代表的な針葉樹で、古くから建築材として使われてきました。高級住宅やヒノキ風呂などにも利用される木材です。

木目が美しく、淡い色合いと独特の芳香が特徴です。リラックス効果のある香りは、フローリングとして使用しても長く楽しめます。また耐水性・耐久性に優れ、湿気の多い場所でも劣化しにくいのが強みです。ただし、価格が比較的高めで、市場の需給バランスによって価格変動が大きい点には注意が必要です。

パイン

パインは柔らかい材質で、断熱性が高い無垢材です。熱を伝えにくいため、冬でも床が冷たくなりにくく、快適に過ごせます。

木目がはっきりしており、白っぽい明るい色合いが特徴です。素朴でナチュラルな雰囲気があり、カントリー風や北欧風のインテリアとも相性が良い木材です。また経年変化によって色が徐々に濃くなり、味わいが増していくのも魅力といえます。時間の経過とともに風合いが深まり、落ち着いた雰囲気へと変化していくため、住まいにより一層の温かみをもたらします。

無垢材の種類と特徴【広葉樹】

広葉樹の無垢材は、針葉樹に比べて硬く、耐久性に優れているのが特徴です。重厚感のある見た目や傷の付きにくさから、フローリング材として人気があります。高級感のある仕上がりになるため、落ち着いた雰囲気を求める人にも選ばれています。

オーク(ナラ)

オークは、耐久性や耐水性に優れた無垢材で、古くからウイスキーやワインの樽などにも使用されてきました。湿気や衝撃に強く、傷が付きにくいことから、フローリング材としても適しています。

またはっきりとした木目が特徴で、ナチュラルな雰囲気からモダンなインテリアまで幅広いスタイルになじみやすい点も魅力です。比較的価格が手頃で、無垢材の中でも人気が高い種類の一つです。

チーク

チークは、ウォールナットやマホガニーと並び、世界の三大銘木の一つとして知られる高級材です。強度や耐久性が高く、湿気や腐食に強いため、寺院や船舶の建材にも使用されてきました。

フローリング材としても優秀で、独特の油分を含んでいるため、経年変化によって美しいツヤが増していきます。さらに、楽器や家具、内装材などにも使われるほど加工性にも優れています。高級感のある仕上がりになるため、重厚な雰囲気の空間を作りたい人に適した無垢材です。

ウォールナット

ウォールナットの中でも特に「ブラックウォールナット」は、高級材として知られ、世界の三大銘木の一つに数えられます。北米を中心に産出され、加工しやすく、高級家具や楽器にも使われる木材です。

暗めの色合いと落ち着いた風合いが特徴で、重厚感のあるインテリアと相性が良く、高級感のある空間を演出できます。耐久性が高く、傷が付きにくいため、フローリングにも適しています。また時間がたつと徐々に色が抜け、明るい茶色へ変化するため、経年変化を楽しめる点も魅力です。

バーチ(樺・かば)

バーチは、経年変化による色の変化が少なく、安定した風合いを保ちやすい無垢材です。適度な硬さがあり、フローリングや家具材として幅広く使用されています。

色合いは白や黄色がかったものが多く、ナチュラルな印象を与えるのが特徴です。木目が細かく、上品な雰囲気があり、シンプルなデザインの空間にもなじみやすい木材です。また無垢材の中では比較的価格が手頃で、コストを抑えつつ無垢フローリングを取り入れたい人にも適しています。

メイプル(楓)

メイプルは、北米を代表する広葉樹の一つで、高級家具やフローリング材として人気があります。

木肌が滑らかで、美しい光沢があり、高級感のある仕上がりが特徴です。硬く、耐久性に優れているため、傷が付きにくく、長く使用できます。シンプルなデザインからモダンな空間まで幅広く取り入れやすく、ナチュラルな色合いが清潔感を演出します。ただし、品質の高さゆえに価格はやや高めで、広葉樹の中でも高級な部類です。

アカシア

アカシアは、一枚一枚の色合いにばらつきがあり、個性的な表情を持つ無垢材です。色のコントラストがはっきりしているため、デザイン性の高い空間を演出できます。

硬くて耐久性が高く、湿気にも強いため、腐りにくいのが特徴です。フローリング材として使えば、独特の深みのある木目がインテリアにアクセントを加えます。また、強度が高いため、長く使うほど味わいが増し、重厚感のある仕上がりになります。比較的高価な木材ですが、見た目の美しさと実用性を兼ね備えているため、長く愛用できる素材です。

タモ(アッシュ)

タモは木目が美しく、色ムラが少ないため、洗練された印象を与える無垢材です。重厚感がありながらも、シンプルで落ち着いた雰囲気が魅力です。

硬さと弾力性を兼ね備えており、衝撃に強いため、フローリングや家具材として広く使われています。特に、耐久性の高さからスポーツ施設の床材として採用されることがあります。また加工しやすいため、さまざまなデザインに対応しやすく、和風・洋風どちらの空間にもなじむのが特徴です。

無垢材を選ぶ際は、「予算とグレードのバランス」「部屋の雰囲気」「塗装方法」の3つのポイントを意識することが大切です。

無垢材は種類が多く、価格も大きく異なります。フローリングは面積が広いため、無垢材の価格が建築費用に与える影響も大きくなります。そのため、希望する無垢材の特徴とコストのバランスを考えながら選ぶことが大切です。

またフローリングの材質は部屋全体の雰囲気に直結します。色味や木目、温かみなどによって印象が変わるため、インテリアに合ったものを選ぶと統一感が生まれます。さらに、仕上げの塗装によっても見た目や扱いやすさが変わるため、風合いを重視するのか、お手入れのしやすさを優先するのかを考えることも大切です。

無垢材は種類によって見た目やメンテナンスのしやすさが大きく異なるため、いろいろな種類を比較してみるのがおすすめです。詳しくは、タイセーハウジングが提供する無垢材をご覧ください。

ナガイの無垢床【ボルドーパイン】【ヴィーマ アカシア】【レプト オーク】 | タイセーハウジング株式会社

無垢材は天然木ならではの温もりや経年変化を楽しめる他、調湿作用によって快適な室内環境を保つ効果も期待できます。ここでは、無垢材の代表的なメリットを詳しく解説します。

木の温もりを感じられる

無垢材は天然木の風合いを生かした素材で、木の温かみを感じられるのが特徴です。フローリングに使用すると、一枚ごとに色合いや木目が異なり、自然な表情の変化を楽しめます。合板フローリングにはない独特の質感が魅力で、素足で歩くと心地よさを実感できるでしょう。

経年変化による味わいを楽しめる

無垢材のもう一つの魅力は、時間とともに変化する表情を楽しめることです。年月がたつにつれて色味が深まり、風合いが増していきます。使い込むほどに味わいが増すため、家とともに素材の変化を楽しめるのも、天然素材である無垢材ならではの特徴です。

調湿作用がある

無垢材には、空気中の湿度に応じて水分を吸収・放出する「調湿作用」があります。調湿作用は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥しているときには放出する働きのことです。

夏は湿気を抑えて蒸し暑さを和らげ、冬は乾燥を防いでくれるため、自然と快適な住環境を保てることは大きな魅力でしょう。また結露を軽減する効果もあり、カビやダニの発生防止も期待できます。

無垢材には多くの魅力がありますが、一方で注意すべき点もあります。天然素材ならではの特性として、経年変化や傷が付きやすいこと、水に弱いことなどが挙げられます。これらのデメリットを理解した上で、適切な対策を取ることが大切です。

変色や傷が生じやすい

無垢材は、集成材と比べると変色や日焼けが起こりやすく、表面に傷が付きやすい特徴があります。特に直射日光が当たる場所では、時間とともに色が変化することがあり、均一な見た目を求める人には不向きかもしれません。

また家具の移動や日常生活の中で小さな傷ができることもあります。しかし、これらの変化は無垢材ならではの魅力なので、経年変化を楽しめるかどうかがポイントとなるでしょう。

水に弱い

無垢材は水分を吸収しやすいため、濡れたまま放置すると膨張やシミの原因になります。特に飲み物をこぼした場合は、すぐに拭き取ることが大切です。

また雑巾で水拭きをした後にしっかり乾燥させないと、カビや菌が繁殖することもあります。日常的に水回りで使う場合は、防水性のある塗装を施すなど、適切なケアを心がけましょう。

無垢材を使った家は、木の温もりや経年変化を楽しめるだけではなく、心地よい空間を生み出します。ここからはタイセーハウジングが実際に手掛けた施工事例の中から、無垢材の魅力が詰まった住まいをご紹介します。

深呼吸したくなる「cocolo」の家

深呼吸したくなる「cocolo」の家

木の温もりを全身で感じられる「cocolo」は、無垢のフローリングを贅沢に使用した住まいです。柔らかく温かみのある床は、素足で歩きたくなるほど心地よく、一枚一枚異なる木目が生み出す表情が空間に自然な風合いを加えています。

開放感と調湿効果で心地よいリビング(横浜市)

さらに、内壁には空気をきれいにする機能性エマルジョン塗料「パーシモン」を採用。室内の空気環境にも配慮し、まさに深呼吸したくなるような快適な住まいを実現しました。厚木市戸室にある「cocolo」の家は、ご予約いただければ平日の夜でもご見学いただけます。

建築実例:cocolo モデルハウス 厚木市戸室

経年変化を楽しめる家

経年変化を楽しめる家

経年変化を楽しめる家

玄関から2階リビングまで、全ての床材にオークの無垢材を使用した住まいです。明るい色合いの木材が室内を柔らかく包み込み、温かみのある生活空間を演出してくれます。

外構にはスギ板のフェンスやモミの木のシンボルツリーを取り入れることで、自然を身近に感じられる設計にしました。住むほどに味わいが増し、家族とともに成長していく家となっています。

こちらから写真や間取りをご覧いただけます。

建築実例:無垢床を楽しむ家

ありのままの素材にこだわった家

深呼吸したくなる「cocolo」の家

「自然」をテーマに、素材そのものの魅力を生かした住まいです。無垢材をフローリングだけではなく、階段や洗面カウンターにも使用し、家全体に統一感を持たせています。

開放感と調湿効果で心地よいリビング(横浜市)

また家族の気配を感じられる吹抜けや、子どもが遊べるブランコを設置するなど、日々の暮らしが豊かになる工夫も施されています。自然と調和した空間の中で、穏やかで心地よい、身も心も健康になれる住まいです。

こちらから写真や間取りをご覧いただけます。

建築実例:cocolo 03【ありのままの天然素材にこだわり、”自然”をテーマにした注文住宅】

木の温もりを感じながら、経年変化を楽しめる無垢材は、フローリングをはじめ、さまざまな場所に取り入れることで、自然と調和した心地よい空間が生まれます。一方で、無垢材には種類が多く、木目や色合い、メンテナンス性などが異なるため、希望の暮らしや予算に合ったものを選ぶことが大切です。

タイセーハウジングでは、お客さまの希望するライフスタイルやデザインに合わせて、適した無垢材をご提案しています。さらに、土地探しから設計、施工までトータルでサポートし、希望の住まいをかたちにするお手伝いをしています。

無垢材の家に興味がある方は、まずはオンライン面談で気軽にご相談ください。具体的なイメージがなくても、専門スタッフが丁寧にサポートします。詳しい資料もご用意しているので、ぜひ資料請求をご活用ください。