30坪の注文住宅の間取り活用!
費用相場や間取りのポイントとは

2025/7/5 公開

30坪の注文住宅の間取り活用!費用相場や間取りのポイントとは

国土交通省の住宅経済関連データによると、一住宅当たりの延床面積の全国平均は約31坪(104.59㎡)で、30坪の注文住宅は標準的な広さといえます。しかし、実際に30坪の注文住宅がどのくらいの広さなのか想像がつかないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、30坪の住宅がどのくらい広いのかや、費用相場や建築時の注意点などをご紹介します。快適に暮らすための間取りづくりのポイントも解説するので、理想のマイホームを実現する際の参考にしてください。

※参考:国土交通省.「令和6年度 住宅経済関連データ」.“<1>住宅整備の現状 2.住宅の規模(2)一住宅当たり延べ床面積の都道府県比較”(参照 2025-06-11)

30坪の注文住宅

30坪の注文住宅は、ファミリー層が快適に暮らせる一般的な広さです。まずは、30坪の具体的な広さや注文住宅を建てる際に必要な土地の目安、一般的な間取りについてご紹介します。

① 30坪ってどのくらいの広さ?

30坪は、注文住宅の延床面積のことを指します。延床面積とは建物の各階の床面積を合計したものです。廊下や階段部分なども含まれますが、吹き抜けやベランダ、ロフトなどは延床面積には含まれないケースが多いです。
1坪は約3.3㎡で、30坪では約99.17㎡、畳に換算すると約60畳分の広さになります。これは3〜4人家族がゆったりと暮らすのに適した広さで、3LDK〜4LDKの間取りが一般的ですが、工夫次第ではコンパクトな5LDKにすることも可能です。

② 必要な土地の広さ

建物を建てる際は、建築基準法で定められた建ぺい率と容積率を考慮し、十分な土地の広さを確保する必要があります。建ぺい率とは敷地面積に対する建物の建築面積の割合で、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合を表すものです。例えば「建ぺい率60%・容積率200%」の地域に延床面積30坪(1階15坪、2階15坪)の2階建て住宅を建てる場合、少なくとも約25坪の土地が必要となります。計算式は以下の通りです。

敷地面積 = 建築面積 ÷ 建ぺい率 = 15 ÷ 60% = 約25坪

※建ぺい率と容積率を考慮しないと違法建築と見なされる可能性があるため、注意してください。

③ 一般的に適した間取り・家族構成

国が策定する住生活基本計画では、3人家族の場合は100㎡(約30坪)の住宅面積(誘導居住面積水準)が推奨されています。これは多様なライフスタイル実現に必要と考えられる面積水準のため、30坪の注文住宅は3~4人家族に適しているといえるでしょう。

※参考:厚生労働省.「住生活基本計画における居住面積水準」(参照 2025-06-11)

30坪の注文住宅を建てるときの費用相場

30坪の注文住宅を建てるときの費用相場

住宅金融支援機構によると、2023年度の土地付注文住宅の平均面積や費用相場は以下の通りです。

全国平均
延床面積 111.2㎡(33.63坪)
敷地面積 208.1㎡(62.95坪)
建築費 3,405.8万円
土地取得費 1,497.6万円
土地取得費+建築費 4,903.4万円

※参考:住宅金融支援機構.「2023年度 フラット35利用者調査」.“Ⅱ主要指標 2023年度フラット35 土地付注文住宅融資利用者の主要指標”(参照 2024-07-26)

全国平均では、30坪前後の注文住宅を5,000万円程度で建てているケースが多いということが分かります。上記を基に、30坪の注文住宅を建てるときの費用相場をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション

ここからは全国平均から単価を求め、25坪の土地に30坪の注文住宅を建てた場合の費用をシミュレーションします。

1坪当たりの費用 費用目安
土地代 1,497.6万円÷62.95坪=約23.8万円 23.8万円×25坪=595万円
建築費 3,405.8万円÷33.63坪=約101.2万円 101.2万円×30坪=3,036万円
合計 - 約3,631万円

土地の面積をコンパクトにすることで、3,600万円前後で30坪の注文住宅を建てられる計算です。ただし、上記はあくまで平均値によるシミュレーションです。実際にかかる費用はエリアや立地、住宅の仕様などに応じて変動することを認識しておきましょう。

予算を抑えるための建築時の注意点

注文住宅は自身や家族の希望を叶えやすい分、予算がオーバーしてしまいがちです。ここでは、予算内で理想の家づくりをするために押さえておきたい注意点をご紹介します。

① 建物を凹凸のない形状にする

建物をシンプルな形状にすることで、建築費を抑えられます。凹凸の多い複雑な形は、外壁や屋根の面積が増え、使用する材料が多くなりがちです。また作業工程が増えたり、コーナーの補強が必要になったりと、工事の手間が増えることで、コストがかさんでしまいます。直線的かつシンプルな形状であれば、材料費や人件費を抑えやすいです。

② シンプルな間取りにする

外観と同じく間取りをシンプルにすることも、建築費を抑える有効な手段です。部屋数が多くなると仕切りも増え、内装材や建具の費用がかさみます。また、設計・施工の手間もかかるため、結果的に建築費が高くなってしまいます。
費用を抑えるのであれば、LDKを一体化させるなど開放感のあるシンプルな間取りを検討するとよいでしょう。必要に応じて部屋を分けたい場合は、可動式間仕切りを設けると便利です。

③ 水回りを一カ所にまとめる

キッチン、トイレ、浴室などの水回りは、できるだけ一カ所にまとめるようにしましょう。水回りを集約することで配管がシンプルになり、効率的に作業が進みます。配管工事にかかる材料費や施工費が節約できることはもちろん、メンテナンス費用も抑えられます。さらに家事動線もスムーズになり、暮らしやすい間取りを実現可能です。

④ 総二階にする

総二階とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで、建物に凹凸が少ないシンプルな形状の住宅のことを指します。先述した通り、複雑な形状の建物は外壁や屋根の面積が増えて構造も複雑になるため、建築コストが高くなりがちです。総二階にすることで、基礎や屋根の面積を最小限に抑えられ、資材費や工事費を節約できるでしょう。また建物の安定性が高くなり、耐震性・気密性・断熱性の向上も期待できます。

⑤ セミオーダー住宅にする

注文住宅には、ゼロから設計するフルオーダーと、間取りや設備がある程度決まっているセミオーダー(規格住宅)の2種類があります。フルオーダーは理想を全て叶えられる点が魅力ですが、その分コストも高くなりがちです。一方セミオーダーは用意されたプランの中から好みのものを選ぶため、設計の手間やコストを抑えられます。品質も確保されており、予算内で理想に近い住まいを実現しやすいでしょう。

30坪の間取りづくりのポイント

30坪の間取りづくりのポイント

土地探しから竣工まで注文住宅づくりには数多くのステップがあり、長い期間を要します。中でも時間がかかるのが間取りの設計です。自分たちで選ぶ楽しみがある反面、悩みやすいポイントでもあり、悩んでいる間は家づくりがストップしてしまいます。ここからは、スムーズに間取りを決めるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

① 必要な部屋数・部屋ごとの用途を考えておく

家族構成やライフスタイルに合わせた部屋数とそれぞれの用途を決めることが、間取りを決める上で重要です。個室の必要性や趣味部屋の有無など、家族のニーズを明確にしましょう。さらに、子どもが増えたり親と同居したりする可能性も考慮して、長期的に暮らしやすい間取りを考えることが大切です。

② 収納スペースを適所に配置する

30坪の限られた空間では、収納の量と配置のバランスが暮らしやすさを左右します。収納が多過ぎると居住空間を圧迫し、収納が少な過ぎると物が散らかりやすいです。あらかじめ収納物をリストアップし、それぞれの使用頻度を考慮して、キッチンやリビングなど実際に使う場所の近くに収納スペースを設けましょう。

③ デッドスペースを有効活用する

30坪の限られた面積では、空間を最大限に生かす工夫が必要です。屋根裏や階段下など、デッドスペースの活用を検討しましょう。これらの空間を収納として利用したり、書斎やワークスペースなどに活用したりすることで、居住スペースを圧迫せずに必要な機能を追加できます。また、廊下や階段の壁に見せる収納を設けるのもおすすめです。

④ 効率的な生活動線をつくる

30坪の家づくりでは、効率的な生活動線を意識することが大切です。家族の普段の行動をシミュレーションし、どこからどこへ移動し、何をするかを具体的に考えることで、無駄のないスムーズな生活動線を実現できます。
特に料理や洗濯、掃除などをする際の家事動線は、身体的な負担やストレスにつながりやすいため、無駄な動きを減らせるような動線を考えましょう。

⑤ 開放感を演出する

30坪の家で開放感を演出するには、吹き抜けやスキップフロアを取り入れるのがおすすめです。また、部屋の仕切りをできるだけ減らし、柱や梁(はり)を隠すような設計にするのもよいでしょう。縦方向・横方向の空間に視覚的な広がりが生まれ、実際の面積以上に広々と感じられます。
さらに、先述したデッドスペースを有効活用するアイデアと組み合わせれば、限られたスペースでも開放感抜群の住まいを実現できるでしょう。

⑥ 生活音に配慮する

部屋同士の距離が近いと生活音が気になるケースがあるため、配慮が必要です。特に家族間で生活リズムが異なる場合、就寝時間のズレや物音がお互いの睡眠を妨げ、ストレスになる可能性があります。
間取りを考える際には家族それぞれの生活時間帯を考慮し、寝室の配置を工夫したり各部屋の間に廊下やクローゼットを挟んだりして音の伝わりを軽減しましょう。

⑦ 家族間のコミュニケーションとプライベートのバランスを考える

30坪の注文住宅では、家族間の適度な距離感を保てる間取りを考える必要があります。例えば、リビングに設ける小上がり畳やスキップフロアは、開放感を保ちつつプライベートスペースを設けられるアイデアの一つです。緩やかな区切りによって、各自が別の活動を楽しめる場を確保できます。区切りがあるものの同じ空間であるため、家族のコミュニケーションが損なわれる心配もありません。

⑧ モデルハウスなどの実例を確認する

注文住宅を検討する際は、できるだけ実際のモデルハウスや完成見学会に足を運びましょう。30坪の広さがどの程度なのか、間取りにはどのような工夫がされているのか、多くの実例を見ることで住まいづくりのイメージをしやすくなります。疑問点があればその場で営業担当者に質問できるため、効率的に家づくりのヒントやアイデアを集められるでしょう。

30坪の注文住宅で家族にゆとりのある暮らしを

30坪の注文住宅は3~4人家族に適した広さで、空間を有効活用することによって開放感のある快適な住まいを実現可能です。ただし理想を盛り込み過ぎると、予算オーバーになってしまう可能性もあります。家づくりを始める際には、予算や希望する土地、間取りなどを整理しておきましょう。
東京・神奈川で注文住宅をお考えの方は、タイセーハウジングにご相談ください。タイセーハウジングは厚木や世田谷を中心に、750棟の注文住宅を建てた実績のある地域密着型の工務店です。各種カタログや施工事例集などの資料請求、家づくりに関するお悩み相談が可能なオンライン面談など、注文住宅を検討している方はお気軽にご利用ください。