25坪の注文住宅づくり
土地面積や価格相場、間取り活用例を紹介

2025/7/5 公開

25坪の注文住宅づくり|土地面積や価格相場、間取り活用例を紹介

注文住宅を建てる際には建物の建設費だけではなく、土地代もかかります。地価の高い都市部に建てる場合や交通の便が良いエリアに建てる場合、予算によっては十分な土地を確保できないこともあるでしょう。
そこで本記事では、比較的コンパクトな住宅として需要のある、延床面積25坪の注文住宅を建てるのに必要な土地面積や価格相場、間取り活用例などをご紹介します。

25坪の注文住宅を建てるときに必要な広さ

住宅の広さを表す単位は、坪数や㎡数、畳数など複数あります。今回ご紹介するのは25坪の住宅ですが、具体的にどれくらいの広さなのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこで、まずは25坪の注文住宅を建てるときに必要な広さについてご紹介します。

① 延床面積25坪とは

25坪の注文住宅は、「土地の広さ = 25坪」というわけではありません。建物の床面積の合計である延床面積が、25坪の住宅のことを指しています。つまり、2階建ての住宅であれば1階部分と2階部分の広さを合計した床面積が25坪ということです。そのため25坪の注文住宅を建てるのに必要な土地の面積は、それよりも少なく済む場合もあります。
なお、25坪を他の単位で表すと㎡数で約82.6㎡、畳数で約50畳です。間取りとしては広めの2LDKが主流ですが、3LDK〜4LDKになることもあります。

② 必要な土地の広さ

住宅の延床面積は、土地の広さに対して一定割合以下であるように建築基準法で決められています。具体的には敷地面積のうち建物が占める割合を示す建ぺい率と、延床面積が占める割合を示す容積率などを基に、住宅を建てなければなりません。どちらもその土地の用途地域によって基準が定められており、基準を守らずに建築すると違法建築物と見なされます。
例えば「建ぺい率60%、容積率200%」が基準となっている地域で、延床面積25坪の2階建て住宅(各階の建築面積が12.5坪の場合)を建てるとすると、少なくとも20坪程度の敷地面積が必要になります。具体的な計算式は以下の通りです。

敷地面積 = 建築面積 ÷ 建ぺい率 = 12.5 ÷ 60% = 約20.8坪

③ 適した家族人数

延床面積25坪の住宅の間取りは、先述した通り2LDKになることが一般的です。具体的には、家族団らんの場であるリビングと夫婦の寝室、そして子ども部屋があるイメージです。間取りを工夫すれば3LDKや4LDKにもできますが、1部屋ごとの面積は狭くなるため、適した家族人数としては3~4人程度だといえるでしょう。

25坪の注文住宅を建てる場合の費用相場

住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」を基に、25坪の注文住宅を建てる場合の費用相場をご紹介します。

※参考:住宅金融支援機構.「2023年度 フラット35利用者調査」.“Ⅱ主要指標 2023年度フラット35 土地付注文住宅融資利用者の主要指標”(参照 2024-07-26)

① 土地

2023年度のフラット35利用者調査によると、土地付注文住宅を建てる場合の敷地面積の平均は208.1㎡(約63坪)、土地取得費の平均は1,497万6,000円です。つまり、1坪当たりの土地単価は約23万8,000円となります。
仮に25坪の注文住宅を建てるために20坪の土地を購入する場合は、土地取得費として約476万円が必要になる計算です。ただし、土地単価は建設予定地や立地条件によって大きく異なるので詳細については都度確認しましょう。

② 建物

土地付注文住宅を建てる場合の住宅面積について、延床面積の平均は111.2㎡(約34坪)、建設費の平均は3,405万8,000円です。つまり、1坪当たりの建設費単価は約100万円となります。
25坪の注文住宅を建てる場合は、建設費として約2,500万円が必要になる計算です。先述した土地取得費と合計すると約2,976万円なので、20坪の土地に25坪の注文住宅を建てるのに必要な費用相場としては、約3,000万円だといえるでしょう。

25坪の注文住宅におすすめの間取り

25坪の注文住宅におすすめの間取り

25坪の注文住宅の間取りは3~4人家族に適した広さといえますが、工夫を凝らすことで空間を有効活用できる場合があります。ここからは25坪の注文住宅におすすめの間取りをご紹介していきます。

① ビルトインガレージ

車やバイク、自転車などアウトドアの趣味を持っている方におすすめなのが、ビルトインガレージです。ビルトインガレージとは、建物の1階部分に車を格納するスペースを組み込んだガレージのことです。駐車場兼趣味の部屋として扱うことで、スペースを有効活用できます。
コンパクトな住宅では、趣味の部屋を設けるのが難しい場合もありますが、ビルトインガレージであれば実用性も兼ねた間取りを実現可能です。

② 吹き抜け

吹き抜けを採用する大きなメリットは、開放感を得られることです。注文住宅を設計するときは、実用性を重視するあまり住宅の開放感まで意識できない場合があります。また25坪の注文住宅はコンパクトであるために、いざ暮らし始めると「思ったよりも狭く感じる」といったことも珍しくありません。
せっかくの新居での生活を快適に過ごすためにも、吹き抜けを設けて住宅の開放感を考慮しましょう。

③ らせん階段

らせん階段とは、その名の通りらせん状に昇降する階段のことです。通常の階段よりも省スペースで設置できるというメリットがあります。
さらにらせん階段は壁がないため、採光性に優れていて部屋が明るく、開放的に感じられる点もポイントです。

④ 総二階

限られた土地面積で少しでも広い空間にしたい場合は、総二階の間取りを取り入れるのもよいでしょう。総二階とは、1階と2階の延床面積が同じ住宅のことです。2階の面積が1階よりも少ない部分二階の住宅に比べて、居住スペースを広く確保できます。また、一般的に総二階は部分二階と比べて施工面積や施工の手間が減るため、建設コストが安く済む点もメリットです。

⑤ 屋上・ルーフバルコニー

多目的に使える広々としたスペースが欲しい場合は、屋上やルーフバルコニーの採用を検討してみるのもよいでしょう。周囲の環境にもよりますが、屋上やルーフバルコニーは日当たりがよく、洗濯物を干す場所として適している他、バーベキューなどを楽しむことも可能です。また、ガーデニング用の鉢植えを置いたり、夏には子ども用のプールを出したり、庭のように活用できる点も魅力です。

⑥ スキップフロア

家族とのつながりを感じやすい間取りとして、近年注目されているのがスキップフロアです。スキップフロアとは、1つの階層に複数の高さの異なる部屋を設けて、空間を視覚的に仕切る方法を指します。基本的に各部屋を仕切るための壁やドアがないので、一緒に住む家族とコミュニケーションを取りやすいです。
部屋同士をつなぐ廊下が必要なくなることから、コンパクトな住宅でも居住スペースを増やしやすいといったメリットもあります。

⑦ ロフト

限られたスペースを有効活用する方法として、ロフトの採用も挙げられます。ロフトがあると、天井高が高くなるため開放感が増す他、収納スペースとして活用できます。また、ロフトは部屋からの視線が届かない高さに設けられることが多いので、寝室として活用するのもよいでしょう。

⑧ 回遊動線

コンパクトな住宅では、人がすれ違うときにぶつかってしまうなど、動線の狭さが悩みの種になりがちです。そうしたお悩みを解消したい場合は、行き止まりがない回遊動線を採用するのがおすすめです。
例えば独立性のあるアイランドキッチンを採用すれば、複数人が同時に動いてもすれ違いやすく、調理や配膳の動線がスムーズになります。またキッチンが空間の中心にあることでデザインのアクセントにもなり、開放感のあるおしゃれな雰囲気を演出できます。

25坪の注文住宅を建てるメリット・デメリット

25坪の注文住宅を建てるメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。

① メリット

25坪の注文住宅は建設に必要な土地がそれほど広くないことから、土地購入費や建設費を抑えられるのがメリットです。また動線がコンパクトになることから、家事を効率的にこなせます。
さらに比較的コンパクトな住宅であるため、固定資産税や都市計画税といった税金はもちろん、光熱費などのランニングコストが安く済む点もメリットです。

② デメリット

25坪の注文住宅は世帯人数が多いと部屋数や収納が足りず、手狭に感じることがあります。部屋数を増やそうと思うと、収納スペースが少なくなったり、採光や通風が悪くなったりして、思うような住宅設計ができないこともあります。
デメリットを解消するためには、土地の形状や予算に応じて間取りを工夫するなどの対策を取ることが大切です。

25坪の注文住宅を建てる際のポイント

25坪の注文住宅を建てる際のポイント

25坪の注文住宅を建てる際に押さえておくべきポイントをご紹介します。

① 開放感を演出する

25坪の注文住宅、家族構成によっては少し狭く感じる可能性があります。その場合は、間取りを工夫して開放感を演出するのがおすすめです。
例えば、吹き抜けを設けると天井が高くなり、上に視線が抜けて広く感じられます。さらに視覚的な広がりをつくるには、スケルトン階段や中庭の採用も効果的です。スケルトン階段は、蹴込み板がなく階段の間に隙間が生まれる構造のため圧迫感を軽減できます。また中庭は屋内に自然光を取り込める上に、外とのつながりを感じられる空間を演出可能です。

② 階ごとに用途・役割を決める

25坪の注文住宅では、実現できる部屋数に限りがあるため、効率良く生活できる間取りを考えましょう。階ごとに用途や役割を決めておくのがおすすめです。
例えばリビングと水回りを1階に、子ども部屋や寝室を2階にまとめるなどといった工夫をすると、日常生活の時間短縮や家事の負担を軽減できます。

③ 十分な収納スペースを確保する

25坪の注文住宅を建てる際は、収納スペースにも配慮することが重要です。コンパクトな住宅では居住スペースを広く確保するために収納スペースを減らしてしまいがちですが、収納が少ないと部屋に物があふれてしまい、見た目の印象が悪くなる他、生活空間が減ってしまうでしょう。快適に暮らすには、適切な場所に適切な容量の収納スペースを確保しておくことが大切です。

④ 平屋も選択肢として考慮する

敷地面積が広く、間取りに問題がない場合は平屋を検討するのもよいでしょう。多層階住宅にすれば土地を広く確保する必要はなくなりますが、階段や廊下があると、部屋ごとのスペースがそれだけ減ってしまいます。平屋にすることで無駄なスペースを省ける上に、採光・通風を確保しやすくなるでしょう。

25坪の注文住宅で理想の暮らしを手に入れよう

25坪の注文住宅はややコンパクトな住宅ですが、間取りを工夫することで3~4人家族であれば快適に暮らせます。本記事でご紹介した費用相場や間取りを参考に、自身や家族にあった家づくりを進めてください。
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