注文住宅の門扉・門柱・塀
【門扉・門柱・塀の種類と製品】

2025/12/22 公開

玄関ドア

門扉・門柱・塀は住まいの門まわりを飾る設備で、門扉とは前述した門に取り付けられる扉のことを、塀とは住まいもしくは敷地の囲いとなる板や土などの障壁のことを指します。門柱については本来、門の両サイドにある柱のことを指す言葉ですが、外構の場合は玄関先にある独立した壁状の構造物のことを指します。
門扉・門柱・塀の役割としては、①敷地と道路との境界線を明示する ②近隣や通行人からの視線を遮断する ③外敵の侵入を防ぐこと ④住まいのデザイン性を引き立てることが挙げられます。しかし、近年では掘や門扉が省略され、道路から直接玄関ドアに向かえるような住宅も増えてきています。

門扉・門柱・塀による外構の種類

住まいの中でも建物本体や物置以外の垣根やフェンス、門扉、門から玄関までのアプローチ、車庫、カーポート、花壇や芝生などの庭の部分は総称して「外構」と言われます。中でも敷地全体を囲む門扉・門柱・塀は外構全体のイメージを決定することが多く、その使われ方で外構は「オープン外構」「セミクローズド外構」「クローズド外構」の3つのスタイルに分けられます。 「外構」は住まいをより引き立て、通行人やご近所からもよく見られる部分でもあります。そのため、それぞれの外構にどのような特徴があるのか、把握しておくとよいでしょう。

【オープン外構】

オープン外構とは、隣家や道路への境界にフェンスや門扉などを設置せず、視覚的に開放感を持たせた外構のことを指します。欧米の郊外に多く見られる様式で、敷地と道路の区別は地面に使用する素材の違いや植栽などによってつける場合が多いです。狭小地や変形地でも土地を有効活用しやすく、外周部に塀やフェンス・門扉などを設置しないため、外構の工事費用を安く済ませられ、メンテナンスをする手間や費用を考える必要がありません。また、外からの視認性が高いため、空き巣なども犯行に及びにくいという特徴があります。
一方で外から丸見えの状態なので、1Fにリビングがある場合などは外の視線が気になることが多くなります。また、囲いがないため敷地内に侵入されやすく、反対に子供やペットが道路へ飛び出してしまう可能性も出てきます。

【セミクローズド外構】

セミクローズド外構とは、敷地の一部を塀・フェンス、門扉などで囲った外構のことを指し、オープン外構とクローズド外構の中間の機能を持ったものになります。日本の住まいの場合、セミクローズド外構で落ち着くことが多く、「リビング周辺は隠し、花壇は外から見えるようにする」などのように、隠す部分と見せる部分にメリハリをつけることが可能です。
このように住まいをほどよく遮り、ほどよく開放するのが特徴ですが、逆に住まいをしっかり遮りたい、しっかり開放したいという方によっては物足りなく感じてしまうかもしれません。

【クローズド外構】

クローズド外構とは、隣家や道路への境界にフェンスや門扉などを設置し、はっきりと敷地の内と外を分けた外構のことを指します。視界を遮断するためプライバシー性を保つことができ、周囲の目を気にせずに生活することができるのが特徴です。また、囲いがあることで子供やペットの道路への飛び出しや、第三者の安易な侵入を防ぐことが可能です。
デメリットとしては他の外構に比べ、塀やフェンスなどの建材と施工作業が必要な分費用がかさんだり、メンテナンスをする手間や費用を考える必要が出てくることです。土地面積や設置する塀・フェンスの高さによっては、活用できる敷地の大きさが物足りなくなったり、庭に閉塞感が出てしまう可能性もあります。また、完全に外から見えなくなる塀やフェンスを設置してしまうと、空き巣などの窃盗犯に狙われやすくなってしまうため、注意が必要です。

門扉の種類

門扉の種類

門扉とは敷地に入るためのドアのような位置づけになります。設置した場合、通行人や近隣の方が一番見ることになる部分となり、「住まいの顔」の役割を果たします。逆に設置しない場合は玄関ドアがその役割を果たすことになります。また、塀と同様に子どもやペットの飛び出しを防いたり、敷地へプライバシーを保つための目隠し、敷地と道路とを隔てる防犯装置としての役割も果たします。
このように塀とほぼ同じ役割がありますが、門扉は入口としての役割もありますので、扉としての使いやすさも重要視されます。設置する場合は、住まいの顔としての側面やメンテナンス性も踏まえ、開き方・素材・デザインなどに注意して選択するとよいでしょう。

① 開き方別

【両開き】

両開き

左右に同じ大きさの扉を設置したタイプになります。外構の門扉として採用されることが一般的で、左右に大きく開閉することが可能なため、大きな荷物の搬入・搬出に対応することも可能です。ただし、その分設置スペースや開閉スペースが必要になるため、敷地の広さや他の外構設備との兼ね合いが必要になります。また、他のタイプに比べ、高価な場合が多いです。

【親子開き】

親子開き

小さな扉と大きな扉で構成されており、普段は小さな門扉は固定して、大きな門扉のみを使うタイプです。大きな荷物の搬入・搬出時には、小さな門扉も開放することで対応することが可能です。親子開きと片開きの中間的な性能・価格帯となっています。

【片開き】

片開き

一枚扉のシンプルな扉で、安価で狭いスペースにも設置できるタイプです。大型の荷物の搬入・搬出は難しく、メインの出入り口への採用するというよりは、勝手口などのサブの出入り口に使われる場合が多いです。

【引き戸】

引き戸

一枚の扉を左右どちらかにスライドさせて開閉するタイプの門扉です。開き戸型の門扉の設置が難しい奥行きがない場所や、アプローチから玄関までの距離が短い場所に使われ、他の外構設備との干渉を抑えることができます。また、ベビーカーや車椅子を押して玄関に入る場合などにも便利です。価格はやや高めです。

【アコーディオン】

アコーディオン

鍵盤楽器のアコーディオンのように伸びたり縮んだりさせることができるタイプの門扉です。引き戸と同様に間口も奥行きもない場所に適しており横に長く伸びるため、カーゲートとして駐車場に設置される場合も多いです。ただし、強度はそこまで高くなく、強風や衝撃には弱いこと、伸縮部やキャスター部が故障しやすいこと、プライバシー性は確保できないことには注意が必要です。

【跳上】

跳上

ゲート部分が上下に開閉するタイプの門扉で、「アップゲート」「ホップゲート」とも呼ばれています。主に駐車場に設置するカーゲートとして採用されることが多く、扉を跳ね上げて上部のスペースを活用するため、省スペースで設置することが可能です。なお、車高の高い車を所有している場合は、ハイルーフタイプのものを選ぶ必要があり、注意が必要です。

② 素材別

【アルミ】

アルミ

【天然木】

天然木

【合成樹脂】

合成樹脂

【鉄】

鉄

③ デザイン別

【格子】

格子

【ラティス】

ラティス

【目隠し】

目隠し

【和風】

和風

【洋風】

洋風

【モダン】

モダン

【アメリカン】

アメリカン

門柱の種類

門柱の種類

門柱とはそもそも門扉を支えるために建てられた2本の柱のことを指していましたが、現在では玄関先に設置する表札やインターホン、ポストや門灯などを組み込んだ構造物のことを指すことが多いです。大きく分けて2種類あり、現場でブロックなどを積み上げて一から作る「造作門柱」、メーカーが工場で製品化したものを現場で組み立てて設置する「機能門柱」があります。近年では多機能化が進んでおり、表札やインターホン、ポストや門灯だけでなく、目隠しとなるルーバーがついたもの、電気自動車を充電するためのコンセントを内蔵したもの、庭の散水や車の洗車ができる水栓がついたもの、門柱自体が美しいオブジェになるようなものも出ています。
設置箇所には注意が必要で、呼び鈴や照明などを設置することになる門柱は通常、地中に電気ケーブルを埋設することになるため、一旦設置すると場所を気軽に変更できません。敷地の広さや門柱自体の持つ機能、自分の生活習慣などによって適切な設置位置は変わってきますので、よく考えてから設置場所を決める必要があります。

素材別

【木製】

木製

【レンガ】

レンガ

【ブロック】

ブロック

【塗り壁】

塗り壁

塀・フェンスの種類

塀・フェンスの種類

塀とは、家や敷地などにおいて他との境界に設置するしっかりした囲いのことを指し、境界の明示化・目隠し・防火・防犯・防音などの目的で設けられます。フェンスも同様に境界の明示化・目隠し・防犯などの機能を有しており、格子状になっている柵のようなものを指します。それぞれ単体で用いることもあれば、組み合わせて用いることもあります。近年ではさまざまな理由から、塀・フェンスを設置しないオープン外構や、設置したとしても低い高さの塀・フェンスで済ませるセミオープン外構が人気を集めています。

① 塀の素材別

【板塀】

板塀

【土塀】

土塀

【石塀】

石塀

【れんが塀(煉瓦)】

れんが塀(煉瓦)

【コンクリートブロック(CB)塀】

コンクリートブロック(CB)塀

【鉄筋コンクリート(RC)塀】

鉄筋コンクリート(RC)塀

② フェンスの素材別

【アルミ】

アルミ

【天然木】

天然木

【合成樹脂】

合成樹脂

【鉄】

鉄

昔ほど見かけなくなった背の高いブロック塀

近年では塀を設置しない、もしくは背の低い塀や軽量なアルミフェンスを設置する、オープン外構・セミオープン外構を採用する方が増えてきています。これには以下のような原因が考えられます。

  • 欧米では敷地を囲いすぎないオープン外構が主流で、住宅の洋風化に伴い日本にもオープン外構でオシャレに見えるような建材が増えてきたこと
  • 都市部の狭小地・変形地では、塀や門扉を設置するだけのスペースを確保するのが難しいこと
  • 昔より土地の測量技術や法整備・資料化が進み、視覚的に境界をはっきりさせる必要がなくなったこと
  • 2階リビングを導入した住宅においては、1階部分にプライバシー性を確保する必要性が薄れること
  • 住宅を囲う塀や門扉を設置しない場合、設置費用やメンテナンス費用が発生せず、外構費用が抑えられること
  • 目隠しになるような建築物があると、侵入した窃盗犯が犯行に及びやすくなってしまうこと
  • 木造住宅が多かった昔に比べ、住宅の外壁に防火性の高い素材が使われるようになり、防火目的で塀を設置する必要性が薄れたこと
  • 地震などで塀などが倒壊すると通行人などにケガをさせてしまう可能性があり、法整備が進んだこと

実は、少し前までの日本では少ない施工費用で設置できるブロック塀の設置がポピュラーでした。これは戦後の復興資材として安価で頑丈で燃えにくいコンクリートブロックが注目され、コンクリートブロックの大量生産と共に普及が拡大したためです。また、昔の日本では「立派なお屋敷には立派な塀があるもの」という考え方が根底にあり、昭和の中頃には背丈ほどの高さがあるブロック塀を設置することが憧れだった時期もあったようです。
大きな転機となったのは1978年の宮城県沖地震です。この時の地震の最大震度は仙台市などで観測した震度5程度でしたが、死者は28名、その内ブロック塀や家屋などの下敷きで18人もの尊い人命が失われました。この災害の犠牲者の多くがブロック塀や家屋などの下敷きになったことから、ブロック塀や家屋の耐震基準を見直すきっかけになりました。1981年に改正された建築基準法では、塀の高さが最大2.2メートルに制限され、鉄筋の太さや間隔、控え壁の設置といった基準が厳格化されました。
しかし、1995年の阪神・淡路大震災、2005年の福岡県西方沖地震、2016年の熊本地震でも倒壊による死亡事故が発生しており、2018年の大阪北部地震では大阪府高槻市にある小学校のブロック塀が倒壊し、小学4年生の女児1人が下敷きになるという痛ましい事故が起こっています。現在でも全国に耐震性に問題のあるブロック塀が存在しているといわれており、私たちも他人事ではありません。近所に以下のようなブロック塀を見かけたら、設計基準が古かったり、内部の鉄筋が劣化している可能性があるため、距離を取って歩くなど注意が必要です。

  • 2.2m超の高さがある
  • 控壁が3.4m以下毎に設置されていない
  • 基礎がない
  • 背筋ができない形状の透かしブロックが使われている(青海波・みやま・松とも呼ばれる)
  • 亀裂やぐらつきが生じていたり、傾いたりしている
  • ブロックの表面にサビが浮き出ている

また、自分が所有している敷地内に上記のような状態のブロック塀がある場合にも注意が必要です。なぜなら、もし地震などによって倒壊し、人やものに被害を出してしまった場合、工作物責任により建築物の所有者が賠償責任を負うことになるからです。ブロック塀の耐久年数は規定を守られた良い設計・施工のものでも約30年ほどの寿命といわれています。そのため建てられてから30年以上のブロック塀がある場合は、解体や背の低い塀や軽量なアルミフェンスへの建て替えを検討しておいた方がよいでしょう。

塀に関わるに法的な決まりごと

建築基準法の定義では「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」が建築物と見なされています。では塀はどうなのか?というと、実は塀も建築物と見なされるため、建築基準法で定められる基準を満たして築くことが求められています。

【構造規定】

塀の代表的な構造としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 組積造(そせきぞう):煉瓦や石材、ブロックなどを積み上げて組み上げられたもの
  • 補強コンクリートブロック造:コンクリートブロックの空洞の縦横に鉄筋を入れながら積み上げて、そこにモルタルを補充して補強したもの
組積造(石、レンガなど) 補強コンクリートブロック造
法令 建築基準法施行令第61条 建築基準法施行令第62条の8
高さ 1.2m以下 2.2m以下
厚さ 高さの1/10以上 高さ2m超の場合は15㎝以上
高さ2m以下の場合は10㎝以上
基礎 根入れ20㎝以上 高さ1.2m超の場合、基礎の高さ35㎝以上、根入れ深さ30㎝以上
鉄筋 ・基礎部分に充分に定着させる。
・壁の両端・隅角部に入れる。
・80cm以内に縦筋と横筋を入れる。
・鉄筋先端は鉤状に折り曲げる。
・鉄筋周囲をモルタルで埋める。
控壁間隔 長さ4m以下毎に控壁を設置。
控壁の長さは壁の高さの1.5倍以上。
・高さ1.2m超の場合は、塀の長さ3.4m以下毎に控壁を設置。
・控壁の長さは壁の高さの1/5以上。

塀の倒壊事故等を未然に防ぐため、建築基準法ではそれぞれの構造ごとに対して規定が設けられています。(※下記の表を参照)

【防火規定】

塀には火災の延焼を防止する役割が求められているため、下記のような防火規定が設けられていました。

  • 準防火地域内で木造建築物に附属するもの
  • 防火地域内で建築物に附属するもの

上記のいずれかに当てはまる高さ2m超の塀は、延焼ライン内にある部分を不燃材料でつくるか、または覆う必要があります。
しかし、京都・倉敷などの古い町並みが残る地域については、既存の住宅を建て替える場合、景観を維持するために木材を使用した門・塀だけでも残そうとしても、既存不適格となっている門・塀も不燃材料とする必要があり、法律と現実とのギャップが存在していました。そのため、2019年6月25日に改正施行された建築基準法では下記のように変更されています。

門・塀に対する規制の目的である「周囲の建築物に対する延焼の防止」を達成できる構造として、次のいずれかの構造とすること。

  • 不燃材料で造るか、覆うこと(従来の構造)
  • 土塗り壁(厚さ30mm以上)
  • 厚さ24mm以上の木材で造られたもの

【道路斜線制限の緩和】

建築物に対しては建築基準法第56条の中で斜線制限というものが定められています。斜線制限とは、建築物を真横から見たときに空間を斜線で切り取ったような形態に制限することから、そう呼ばれているもので、通風・採光等を確保しながら良好な環境を保つため、建築物の各部分の高さを制限しています。
日本における斜線制限には道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限がありますが、この中で道路斜線制限は外構に関わってきます。通常、道路斜線制限では敷地と接する道路の反対側の境界線までの距離の1.25倍、または1.5倍以下(傾斜勾配)に建物の高さは制限されます。そして、道路から一定距離(適応距離・適用距離)だけ離れたところからは制限がなくなり、直線的に建てることができます。(※下記の表を参照)
しかし、前面道路の境界線から後退(セットバック)した建築物については、前面道路の反対側の境界線が後退距離と同じ距離だけ外側にあるものとして道路斜線の緩和措置を受けられます。この時、塀や門の高さが道路の中心から2m以下・道路の中心から1.2mを超える部分がフェンスなどの網状の物になっていれば、塀や門が後退距離の算定から除外されます。

用途地域 容積率 適用距離 傾斜勾配
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
田園住居地域
準住居地域
200%以下 20m 1.25
200%超~300% 25m
300%超~400% 30m
400%超 35m
近隣商業地域
商業地域
400%以下 20m 1.5
400%超~600% 25m
600%超~800% 30m
800%超~1,000% 35m
1,000%超~1,100% 40m
1,100%超~1,200% 45m
1,200%超 50m
準工業地域
工業地域
工業専用地域
200%以下 20m 1.5
200%超~300% 25m
300%超~400% 30m
400%超 35m

道路斜線制限の緩和

用途地域や道路の幅・土地の形によっては、道路斜線制限を受けて理想通りに建てられない場合がある。そういうことにならないためにも、事前にどんな家を建てたいのか専門スタッフに相談した上で、土地探しは進めていくとよいだろう。※他サイトの画像なので、画像差し替え予定。この画像を模倣した画像と、建物を境界からセットバックした場合の道路斜線の対比図を設置予定。

【門扉・門柱・塀】デザインと機能を両立させる、失敗しない外構プランニング

住まいの第一印象を決める「門扉・門柱・塀」は、デザイン性だけでなく、防犯やプライバシー確保といった機能面でも非常に重要な役割を担っています。 オープン外構からクローズド外構まで、敷地条件やライフスタイルに合わせて最適なスタイルを選ぶことが、長く快適に暮らすためのポイントです。
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