家庭用エアコン1台で全館空調を実現!
注文住宅への導入における注意点を解説

2024/11/16 公開

家庭用エアコン1台で全館空調を実現!注文住宅への導入における注意点を解説

家のどこにいても冷暖房が行き届いて快適に過ごせる家に住みたいと考える方もいるのではないでしょうか。高気密・高断熱の家なら、たった1台の家庭用エアコンで全館空調を実現できます。本記事では、注文住宅を建てる際に全館空調を採用するメリットやデメリット、導入時の注意点を詳しく解説します。夏の猛暑や冬の寒い日でも快適に過ごせるマイホームを建てたい方は、ぜひ参考にしてください。

高気密高断熱ならエアコン1台で全館空調がかなう?

家を建てようと情報収集を始めると、一度は「冷暖房はエアコン1台で大丈夫!」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。本当なのか?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、これは単なるキャッチフレーズではありません。

住宅の気密性・断熱性を徹底的に高めることで、外気の影響を最小限に抑え、室内の温度や湿度をコントロールしやすくなります。さらに、空気の流れを効率化することで、例えば40度を超える猛暑の日でも、エアコン1台で家中を快適な温度に保つことが可能です。高性能な住宅設計が、エアコン1台で全館空調を可能にする鍵となります。

全館空調とは?

全館空調とは、リビングだけでなく、キッチンや廊下、トイレ、浴室を含む家全体を一定の温度に保つシステムで、利点は家中の温度差をできる限り小さくできることです。特に高齢者に危険な「ヒートショック」を防ぎ、年間を通じて快適で安全な住環境を実現します。

ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が急に変化して体に負担がかかる現象です。特に温度が低くなりがちな脱衣所やトイレに注意が必要なため、家族の健康を守る意味でも全館空調にする意義は大きなものがあります。

全館空調には、業務用エアコンを使用する方式と、家庭用エアコンを活用する方式の2種類ありますが、おすすめは家庭用エアコンです。家庭用の方が業務用よりもメンテナンス面や故障時の対応のしやすさなどに優れているためです。1台の家庭用エアコンでは性能面で不安に思う方がいるかもしれませんが、高い気密性と断熱性があれば十分な効果を発揮できます。

高気密・高断熱の住宅なら、家庭用エアコン1台で全館空調を実現できます。全館空調の家を実現したいなら、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておくことが重要です。ここでは、全館空調のメリット・デメリットを詳しく解説します。

全館空調のデメリット

まず全館空調のデメリットから確認しましょう。温度調整の柔軟性や導入コストに関する課題について、具体的に説明します。

部屋ごとに温度調整するのが難しい

全館空調の課題の一つが、部屋ごとの細かな温度調整が難しい点です。人それぞれ暑さ寒さの感じ方は異なるため、例えば夫は暑がりなのに妻は寒がりといった場合、快適と感じる温度に差が出てしまいます。

季節の変わり目などは、家族全員が満足できる室温設定が難しくなります。この点は、全館空調の導入を決める前に家族全員で理解しておくことが大切です。

導入費用が高い

導入費用が高くなることも、全館空調のデメリットです。例えば注文住宅を建てる際、全館空調を採用せずに一般的なエアコンを複数台設置するとします。エアコンの価格は機能によって差がありますが、通常は設置費用を含めて5万〜20万円程度が相場になります。例えば5台設置するなら、25万〜100万円程度です。

これに対して全館空調システムは、100万〜300万円程度が相場です。全館空調の導入には、システム自体の導入費に加え、住宅自体の気密性と断熱性が十分に確保されていることが大前提となるため、さらにコストがかさむ可能性があります。

全館空調のメリット

デメリットもある一方で、全館空調には大きなメリットがあります。特に快適性と省エネ効果の面で、一般的なエアコンでは得られない優れた特徴を持っています。

エアコン一台で快適な室温環境

全館空調の大きなメリットは、家庭用エアコン1台で家全体を快適な温度に保てることです。一般的なエアコンのように室内機から出る風が直接体に当たることが少ないため、実際に利用している方からは「まるで旅館のような心地良さ」との声も上がっています。

温度だけでなく湿度も一定に保たれるため、蒸し暑い夏場でも肌がべたつかず、年間を通して快適に過ごせるのも特徴です。

タイセーハウジングでは、これから家を建てようと考えている方に全館空調を体験してもらう宿泊体験を企画しています。モデルハウスに泊まり、エアコン1台で快適に過ごせる魅力をぜひ実感してください。

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省エネ効果

全館空調は省エネ効果もあります。高性能な断熱材と気密性の高い設計により、一度設定した室温を長時間維持できるためです。

多くの全館空調で採用されている「熱交換」技術もポイントです。室内から空気を外に出すときと、外から新鮮な空気を取り入れるときに、両方の空気の流れの間で熱を受け渡すことで冷暖房効率を向上させます。

また通常のエアコンと異なり、全館空調は常時運転するのが一般的です。このため、始動する際の消費電力を抑えられるのも省エネにつながるポイントとなります。

メンテナンスの手間が減らせる

メンテナンスの手間を減らせるのも全館空調のメリットです。エアコンを複数台設置する場合は、それぞれの部屋でフィルター清掃や定期点検が必要となります。

各部屋に椅子や台を持ち込み、高い場所で作業するのは負担に感じるでしょう。全館空調システムなら、メンテナンスが1台で完結するため、効率的にメンテナンスできます。

注文住宅で全館空調にする際の注意点

注文住宅で全館空調を導入する際にはいくつかの注意点があります。ここでは、具体的な冷暖房方式の選び方や家全体の作り、ランニングコストについて解説します。

全館空調の冷暖房方式を選ぶ

全館空調システムといっても、冷暖房にはさまざまな方式があります。主な種類と特徴は次の通りです。

<全館空調の冷暖房方式>

  • 天井吹き出し方式:天井裏にダクトを配置し、吹き出し口から冷暖気を送る
  • エアコン方式:1台のエアコンと壁の採風口で家全体を冷暖房する
  • 床下冷暖房方式:基礎部分の蓄熱を利用し、輻射熱とガラリからの送風で冷暖房する
  • 壁パネル方式:壁パネルに冷液や温液を循環させ、輻射熱で冷暖房する

各方式にはそれぞれ特徴があり、一概にどの方式が最適とはいえません。天井や壁、床下のように設置場所が異なる他、温まり方も家によって違いがあります。

家の構造や建築予算、家族の生活スタイルなどを考慮しながら、設計段階で工務店とよく相談して決めることが大切です。将来のメンテナンス性も含めて、慎重に検討しましょう。

高気密・高断熱性がないと機能しない

全館空調の効果を引き出すには、住宅の高気密・高断熱性能が大前提です。いくら優れた全館空調システムを導入しても、外気が住宅内に流入したり、壁や窓から熱が逃げたりしては効果が半減してしまいます。断熱材の選定や施工方法、サッシの性能など、建物自体の性能を十分に高めることが、快適な全館空調の実現には不可欠です。

将来的なランニングコストを含めて比較する

全館空調の導入を検討する際は、将来的なランニングコストも含めて比較することが大切です。エアコンを各部屋に設置する一般的な方式と異なり、全館空調システムは大がかりな構造となるため導入費用が高くなり、その分、更新時にコストがかさむ可能性があります。

導入前にメーカーの保証内容や、将来的な更新費用をよく確認することが大切です。長期保証付きの商品を選べば、初期費用は高くても長い目で見れば経済的になるケースもあります。アフターフォローが充実した建築会社を選ぶことで、将来的な不安も軽減できるでしょう。

実際に全館空調を導入された方は、どのような住まいを実現されているのでしょうか。ここでは、タイセーハウジングが施工し、エアコン1台で快適な暮らしを実現した住宅の実例を紹介します。

エアコン1台で高気密・高断熱全館空調の家

エアコン1台で高気密・高断熱全館空調の家
エアコン1台で高気密・高断熱全館空調の家

最初に紹介する家の特徴は、高気密・高断熱を実現し、エアコン1台で1階と2階の温度差がほとんどないことです。室内の温度は27〜28度とほぼ均一で、湿度は50%前後と家全体が快適に保たれています。

エアコンの風が直接体に当たらない構造であることも、快適な暮らしにつながり、実際に暮らす方から「まるで旅館にいるような感覚」と高い評価を得ています。高い気密性により、外部の音が室内に伝わりにくい点も魅力です。

また、空気の循環を重視し、パントリーやシューズインクローゼットなどにあえて扉を設けず、空気を家中に行き渡らせることで、食品や靴のにおいが気にならない室内が実現しました。空調効率と空気環境の良さを実現した住まいとなっています。

実例をタイセーハウジングの動画からご覧いただけます。

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エアコン1台で快適な家

大きな吹き抜けも心配ない全館空調の家

大きな吹き抜けも心配ない全館空調の家
大きな吹き抜けも心配ない全館空調の家

もう一つの実例は、大きな吹き抜けがあっても全館空調で快適な温度で暮らせる家です。開放感あふれる吹き抜けと、階段の途中に書斎スペースがある遊び心のある間取りながら、温度管理の心配がありません。

一般的な住宅では、吹き抜けがあると暖かい空気が上昇して1階が寒くなりがちです。しかし、全館空調システムにより家全体の温度を均一に保っています。デザインの自由度と快適性を両立させた住まいを実現するのが、全館空調の特徴でもあります。

実際の写真や間取りはこちらから確認いただけます。

全館空調でつくる心地よさ

全館空調の導入を検討する際、多くの方が気になるのが具体的な運用面での疑問です。お客さまからよくいただく質問について、実際の使用データを交えながらお答えします。

全館空調の電気代は?

全館空調の電気代について、タイセーハウジングのモデルハウスで実際に暮らしてもらった際のデータを取りました。6カ月の生活で月平均13,000円台という結果が出ています。暮らしたご夫婦からは「各部屋にエアコンを付けるより安い」との感想をいただきました。

ただし、電気代は地域の気候や住宅の気密・断熱性能によって変動します。電気代が高額になる場合、全館空調だけでなく、建物の断熱性能や設定温度、家族の生活スタイルなども影響している可能性があることに注意してください。

全館空調でエアコンが壊れたときの修理代は?

全館空調でエアコンが壊れたときの修理代を確認します。全館空調用のエアコンは50万円(税抜き)からと、通常のエアコンと比べて価格が高めです。

ただし、一般的なリビング用エアコンでも20万~30万円程度の費用がかかります。家庭では複数のエアコンを同時期に設置することが多く、同じように古くなっていくため、取り替え時期も重なってくるでしょう。複数台のエアコンを同時期に交換する場合を考えると、全館空調用エアコン1台との価格差は小さくなります。

このことから、エアコン1台で済む全館空調システムは長い目で見ると費用面で賢い選択となる可能性があります。定期的なメンテナンスをすることで、修理や買い替えの費用も抑えられるでしょう。

全館空調システムは、エアコン1台でも家全体を快適な温度に保てる設備です。導入するには高い気密性と断熱性が不可欠ですが、省エネ効果や快適性の面でメリットがあります。

タイセーハウジングは、神奈川県厚木市や東京都世田谷区を拠点にする地域密着型の工務店です。これまで1,000棟以上の住宅をお引渡ししてきました。快適な住まいを提供するため、間取りや構造はもちろん、断熱材からエアコン設備まで細部にこだわっています。全館空調システムに関心がある方は、タイセーハウジングのモデルハウスを使った宿泊体験をぜひお試しください。

宿泊体験のお問い合わせはこちらからご確認ください。

cocolo6 モデルハウス 厚木市宮の里