2025/7/4 公開
ヒートショックは、冬の寒い時期に浴室やトイレなどで急な温度変化が起きた場合に発生しやすく、最悪の場合は命に関わることもある危険な症状です。「高気密・高断熱」の住宅にすれば家の中の温度差をできるだけ少なくでき、ヒートショック対策として注目されています。
本記事では、ヒートショックが起こる原因や、場所別の対策、高気密・高断熱住宅にするメリットなどについて分かりやすく解説します。記事の後半では、高気密・高断熱住宅の快適さを実際に体感できる方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
高気密・高断熱の住宅にすると、ヒートショックが起きるリスクを軽減できます。ここでは、その理由について詳しく解説します。
気密性とは、空気が漏れにくい性能のことです。また気密性の高い住宅を「高気密住宅」と呼びます。高気密住宅は壁や天井などのすき間を極力減らし、室内の空気が外へ逃げにくい構造をしているのが特長です。気密性が低いと、冬は冷たい空気が室内に入り込み、夏は暑い空気が侵入し、冷暖房の効きも悪くなってしまいます。結果、室内の温度が安定せず、不快な上に光熱費もかさみがちです。
気密性の高さは「C値」という指標で数値化されます。C値は「隙間相当面積」と呼ばれる指標で、建物の延べ床面積に対するすき間の量を示し、値が小さいほど気密性が高いといえます。
断熱性とは、住宅内と外部との熱の出入りをどれだけ抑えられるかを示す性能です。高断熱住宅とは、天井や壁、床に断熱材を入れたり、断熱性の高い窓やドアを採用したりすることで外気の影響を抑え、室内の温度を一定に保ちやすくした住まいを指します。断熱性能が高ければ、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるだけではなく、冷暖房効率が高まり光熱費の節約にもつながります。
住宅の断熱性能を示すのが、「UA値」や「Q値」です。UA値は外壁や窓などの外皮からどれだけ熱が逃げるかを示し、数値が低いほど高断熱とされます。Q値も断熱性能を示す指標ですが、建物の延べ床面積を基に計算する点などがUA値との違いです。現在の省エネ基準では、UA値が主要な評価指標とされています。
高気密・高断熱住宅は、家のすき間をできるだけ減らし、熱の出入りを抑えることで冷暖房効率を高めます。その結果、部屋ごとの温度差が小さくなり、冬場に起こりやすい浴室や脱衣所での急激な温度変化を防げるのが利点です。これにより、心臓や血管への負担が減り、ヒートショックのリスクも下がります。家族が快適に暮らせる住まいを実現するために、高気密・高断熱住宅は有効な対策です。
ヒートショックは住宅内で起こりやすく、命に関わる危険もある現象です。ここからは、ヒートショックの原因や発生しやすい場所について詳しく解説します。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳出血、脳梗塞、不整脈などを引き起こす現象です。
例えば、暖房の効いたリビングから寒い廊下や浴室、トイレへ移動すると、体が冷えを防ごうとし、血管が収縮して血圧が急上昇します。その後、再び暖かい場所に行くと血管が広がり、今度は血圧が急低下するでしょう。このように血圧の乱高下が繰り返されることで血管や心臓に負担がかかり、めまいや立ちくらみだけではなく、重篤な発作や死亡事故につながるわけです。
ヒートショックが起こりやすい場所は、浴室や洗面・脱衣所、トイレ、廊下などの暖房が届きにくい空間です。冬場はこれらの場所とリビングとの温度差が大きくなりやすく、特にヒートショックが発生するケースが多く報告されているのが入浴時です。厚生労働省の統計によると、浴槽内で発生した高齢者の不慮の溺死・溺水による死亡者数は4,750人(令和3年)にも上ります(※)。
高齢の方は体温を調節する機能が衰えているため、寒暖差に適切に対応できず、ヒートショックを引き起こしやすくなります。また高血圧や糖尿病といった生活習慣病の方も、動脈硬化によって血管の柔軟性が低下し、血圧の変動が激しくなる傾向が指摘されています。
ただし、ヒートショックは特定の方だけの問題ではありません。若くても食事や飲酒の後にお風呂やサウナに入ると、ヒートショックのリスクが高まります。
※参考:政府広報オンライン.「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」(参照 2025-05-30)
ヒートショックは家のさまざまな場所で起こるリスクがあります。玄関や廊下、浴室など、場所ごとに実践できるヒートショックのリスクを減らす対策方法を紹介します。
玄関や勝手口、窓を開閉する度に外の冷気が室内に入り、室温が下がることでヒートショックのリスクが高まります。玄関や勝手口では、断熱性に優れたドアを選ぶのがおすすめです。さらに玄関と室内の間にシューズクロークを設けることで、冷気が直接リビングに流れ込むのを防ぐ緩衝帯としての機能も期待できます。
さらに断熱性の高いサッシや窓を使うと、外気温の影響を抑えられます。断熱カーテンやフィルム、ロールスクリーンを取り入れることでも断熱効果が向上し、室内の快適さを維持することが可能です。
タイセーハウジングは高気密・高断熱の住まいにこだわっており、例えば玄関ドアには、多重構造のスウェーデンドア「ガデリウス」を設置できます。また窓の性能も重視し、外気の侵入をしっかり防ぐ「Low-E複層ガラス」が標準設定となっています。
廊下は、暖房の効いた部屋との温度差が大きくなりやすい場所です。その寒暖差によってヒートショックが起こるリスクがあります。そのため、廊下にも床暖房や全館空調を採用するのがおすすめです。全館空調はリビングだけではなく、廊下やトイレ、浴室なども含めた家全体をほぼ均一な温度に保つことが可能です。これにより部屋ごとの温度差が小さくなり、ヒートショックのリスクを軽減できます。
タイセーハウジングでは、エアコン1台で全館空調を実現できるシステムを導入しており、床暖房にも対応しています。どこにいても快適な住まいを目指せるでしょう。
洗面・脱衣所は、暖房や冷房が届きにくい場所です。特に冬場は寒暖差が大きくなるため、ヒートショックが起こりやすいとされています。
ヒートショック対策として、入浴前に暖房機器であらかじめ室温を上げておくのがおすすめです。温度差を減らすことで、脱衣時や入浴時の体への負担を軽減できます。
浴室でのヒートショック対策としては、入浴前に浴槽のふたを開けて湯気で浴室内を暖めておくのが効果的です。また、タイル張りの床や壁は、見た目は良いものの冬場は冷えやすく体温が奪われやすいです。断熱性の高い素材や浴室暖房の併用を検討するとよいでしょう。
トイレは、寒さを感じやすい場所の一つです。ヒートショック対策のため、小型の暖房機器を設置したり、温水便座を導入したりするのがよいでしょう。トイレに窓を設置する場合は、断熱性を高めるために二重サッシを採用すると冷気の侵入を防ぎ、快適な空間を保てます。
高気密・高断熱住宅は、ヒートショックの対策ができるだけではなく、日々の暮らしにさまざまなメリットをもたらします。ここからは主なメリットについてご紹介します。
高気密・高断熱住宅は室内の空気が漏れにくい構造であるため、設定した室温を長時間維持できます。夏は涼しく冬は暖かいため、エアコンや暖房器具に頼り過ぎる必要がなく、空調機器の使用も最小限で済むのが特長です。冷暖房のエネルギーを大幅に削減でき、光熱費の節約につながるでしょう。
1年を通じて快適な室温を維持できるのが高気密・高断熱住宅の特長です。冬場は室内が下がりにくく乾燥を防ぎやすいため、風邪やウイルス感染のリスクも軽減できます。温度と湿度のバランスが整った住環境は、健康的で快適な暮らしを支えてくれるでしょう。
高気密・高断熱住宅は、温度を一定に保てるだけではなく防音性にも優れています。すき間が少ない構造に加え、断熱材が音を吸収する効果があるため、自動車など外の音が気になりにくく、室内の生活音や子どもの声も外に漏れにくくなります。
マイホームの計画段階で高気密・高断熱住宅を選ぶことで、快適で静かな住環境を手に入れられるでしょう。
タイセーハウジングは神奈川県厚木市と東京都世田谷区を拠点とし、これまで750棟以上の注文住宅を手がけてきました。高気密・高断熱にこだわり、UA値やC値は平成28年省エネ基準を上回る性能を実現しています。
サッシや屋根、床、玄関などに高断熱仕様を採用しており、例えばサッシはアルミと樹脂を組み合わせたハイブリッド構造を使うことで、優れた断熱性能を発揮します。またエアコン1台で実現できる全館空調により、LDKから廊下、脱衣所まで室温のムラが少なく、年中快適な住環境を実現できるのも強みです。
タイセーハウジングの神奈川県厚木市・宮の里モデルハウスでは、エアコン1台で実現する全館空調の快適さを実際に宿泊することで体感できます。きれいな空気や無垢材のぬくもりに触れながら、一定温度で静かな暮らしが可能です。
見学をご希望の方は下記よりお気軽にお問い合わせをお願いいたします。
高気密・高断熱の住宅にすれば、ヒートショックのリスクを軽減できる他、光熱費の削減や年中快適な室内環境の維持、防音性の向上など、多くのメリットを得られます。浴室や廊下、トイレなど温度差が生じやすい場所も含め、家中を一定の温度に保つことで快適な暮らしが可能です。
タイセーハウジングは地域密着型のハウスメーカーで、神奈川県厚木市や東京都世田谷区を拠点に高性能の注文住宅を提供しています。土地探しから設計、施工、アフターフォローまでワンストップで対応しており、土地だけのご相談も可能です。理想の住まいを形にしたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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