注文住宅の防犯対策
【空き巣や強盗から家族を守るために】

住まいの防犯対策

安心・安全な住まいを造るためには、災害以外に防犯面にも気を配る必要があります。2021年の全国の世帯数は59,497,356世帯で、その中で住宅を対象とした侵入窃盗は17,283件ありました。これを基に計算すると、3,443世帯のうち1世帯は泥棒に入られてしまった計算になります。住宅を対象とした侵入窃盗は近年減少傾向にはありますが、決して低い数字とはいえないので、注意する必要があります。
また、一戸建てや共同住宅などの住宅の形態によっても、侵入窃盗の被害の受けやすさは大きく変わり、2020年の侵入窃盗のうち、一戸建て住宅は37.0%、共同住宅は13,6%となっています。これは一戸建ての場合、外から繋がる4面に窓や玄関などの侵入経路がある上、不在かどうかを確認しやすく、敷地内に入ってしまえば目撃されにくいので、泥棒から狙われやすいといわれています。
そのため一戸建ての場合は、より厳重に防犯対策を施す必要があります。泥棒に入られてしまうと、大切なお金や財産が盗まれてしまうのはもちろん、「また泥棒に入られるかも・・・」と精神的なストレスを抱えてしまうケースもあります。最悪の場合、ばったり遭遇してしまえば、自身や家族の命が危険な目にあってしまうかもしれません。しっかり防犯対策をして、泥棒が入ろうとは思わない・安易に入ることができない住まいを目指しましょう。

侵入窃盗とは、建物に侵入し金品を盗む犯罪を指します。住宅を対象とした侵入窃盗の手口は以下のようになります。

空き巣(あきす):住人が不在時、住まいに侵入して金品を盗む。
忍び込み(しのびこみ):夜間、住人が就寝時、住まいに侵入して金品を盗む。
居空き(いあき):住人が在宅時、何らかの行動(昼寝や食事など)をしている隙に住まいに侵入して金品を盗む。

これら侵入窃盗の認知件数と世帯数から、侵入窃盗されやすい順番で都道府県を並べてみました。2021年だと福井県・茨城県・栃木県の順で、侵入窃盗されやすくなっています。原因は特定されてはいませんが、傾向としては以下のような特徴が見られます。

・近郊に人口が多い大都市がある
・一軒一軒の家の間隔が離れているような、農耕が盛んな地域が多い
・昔からの家が多く、無施錠、もしくは防犯対策を施していない家が多い

侵入窃盗の被害が多い地域に住んでいる、もしくは上記の条件に当てはまる地域に住んでいる方は、より一層の防犯対策が必要です。

都道府県別の住宅を対象とした侵入窃盗件数(2021年)
順位 都道府県 認知件数 世帯数 確率
1 福井県 313 299,489 1/957
2 茨城県 1,107 1,272,765 1/1,150
3 栃木県 547 848,315 1/1,551
4 岐阜県 651 837,617 1/1,287
5 群馬県 470 862,320 1/1,835
6 宮城県 484 1,016,612 1/2,100
7 山梨県 167 365,136 1/2,186
8 千葉県 1,354 2,964,119 1/2,189
9 埼玉県 1,461 3,397,969 1/2,326
10 富山県 176 427,568 1/2,429
11 福島県 323 792,044 1/2,452
11 福島県 323 792,044 1/2,452
12 福岡県 1,004 2,473,308 1/2,463
13 岡山県 314 859,930 1/2,739
14 新潟県 318 907,659 1/2,854
15 静岡県 563 1,612,307 1/2,864
16 石川県 165 492,351 1/2,984
17 佐賀県 109 339,161 1/3,112
18 愛知県 1,077 3,369,137 1/3,128
19 愛媛県 209 656,649 1/3,142
20 三重県 237 806,290 1/3,402
21 奈良県 175 601,195 1/3,435
22 兵庫県 704 2,574,868 1/3,657
23 鹿児島県 208 810,817 1/3,898
24 神奈川県 1,114 4,429,961 1/3,977
25 滋賀県 145 596,167 1/4,111
26 宮崎県 122 529,506 1/4,340
27 広島県 294 1,329,862 1/4,523
28 和歌山県 96 442,178 1/4,606
29 山形県 90 418,707 1/4,652
30 高知県 73 351,413 1/4,814
31 長野県 181 880,387 1/4,864
32 熊本県 157 792,950 1/5,051
33 岩手県 103 530,800 1/5,153
34 山口県 124 660,853 1/5,329
35 京都府 218 1,231,277 1/5,648
36 大分県 94 541,588 1/5,762
37 鳥取県 38 239,170 1/6,294
38 香川県 69 445,747 1/6,460
39 徳島県 52 337,478 1/6,490
40 秋田県 64 425,698 1/6,652
40 秋田県 64 425,698 1/6,652
41 北海道 410 2,795,571 1/6,818
42 沖縄県 88 676,643 1/7,689
43 青森県 77 594,459 1/7,720
44 大阪府 561 4,391,310 1/7,828
45 東京都 903 7,341,487 1/8,130
46 島根県 25 292,968 1/11,719
47 長崎県 49 633,550 1/12,930
住まいに侵入しようという気持ちを削ぐ

下見の段階で、この家に入るのは難しそうだと思わせることが理想です。

泥棒は思いつきで住まいに侵入するのではなく、街のあちこちを歩いて当たりをつけ、事前に下見をしてから住まいに侵入するといわれています。大規模な窃盗グループになると、下見役が何日もかけてターゲットとなる住宅の様子をうかがうケースもあるようです。この当たりをつけたり、下見をしている段階で、「この家に侵入するのは骨が折れそうだから、別の家にしよう。」と思わせることができれば、泥棒に入るという行為自体を未然に防ぐことが可能です。
では、泥棒が侵入するのに骨が折れる家とはどのような家でしょうか?泥棒が恐れているのは、犯行の足が付き警察に捕まることなので、できれば犯行を誰にも悟られたくないと考えています。そのため、侵入に時間がかかりそうな家、誰かに自分の姿を見られやすい家、侵入する物音を聞かれやすい家を嫌がる傾向にあります。では、具体的にはどのような条件が見ていきましょう。

近隣に近所付き合いがある住人が住んでいる

近隣の住人に顔を覚えられてしまうのを警戒し、犯行をやりづらくなります。近隣に近所付き合いがある住人が住んでいない場合は、その警戒をする必要が無くなるため、注意が必要です。

近隣に近所付き合いがある住人が住んでいる

意外と周囲のことを気にする人は多い。仲が良い近隣の方なら、なおさらだ。

人通りが適度にある

人通りが適度にあると、人目を避けながらの犯行がやりづらくなります。人通りが全くない場合、通行人から見られることが無くなり、逆に人気があり過ぎる駅前や公園などの近くは、人混みに紛れながらの下見が可能になってしまうため、注意が必要です。

人通りが適度にある

開発したばかりの新規分譲地などは、まだ人が住んでいない戸建ても多く、人通りが少ないので空き巣などに注意が必要だ。

侵入箇所に死角がない

見通しの良いフェンスなどで敷地が囲まれていると、通行人に見られる可能性があるため、犯行がやりづらくなります。また、全面道路から逆の面は通行人からの死角になるため、なるべく窓を設置しないよう設計する等、注意が必要です。

侵入箇所に死角がない

こうした背が低く格子状のフェンスだと、死角がないため侵入窃盗犯も犯行に及びにくい。反面、プライバシーが保ちにくいという欠点もあるので、2階部分にプライバシー空間を設けるなど工夫したい。

近隣が静かである

近隣が静かな場合、音をかき消しての犯行ができないため、無茶な犯行ができにくくなります。工事中だったり、近隣に工場がある場合は、騒音に紛れての犯行が可能になるため、注意が必要です。

近隣が静かである

工事中は大きい音が出るため、窃盗犯もガラスが割るなど大胆な行動が取りやすい。普段静かな場所でも注意が必要だ。

番犬・防犯砂利・センサーライト・防犯カメラ(ダミーカメラ)を設置している

不審な人物が来たことを周囲に知らせる、もしくは記録するものがあると、犯行がやりづらくなります。また、これらのものは防犯の意識が高いことを泥棒に伝える役目を持っています。また、防犯カメラは配線が切られたり、レンズを隠されたりしないように、泥棒の手が届きにくい高い場所に設置することが重要です。

番犬・防犯砂利・センサーライト・防犯カメラ(ダミーカメラ)を設置している

最近では精巧なダミーカメラも販売されているので、防犯カメラにそこまで費用をかけられない場合は、ダミーカメラにするにも一つの手だ。

留守かどうか判断しにくい

プロの窃盗犯は綿密な下見や下調べを行い、住人の留守にしがちな時間帯を確認する場合があります。留守にしがちな時間帯を確認されてしまうと、侵入窃盗をする計画を立てられかねないので、できるだけ留守ということを悟られないようにする必要があります。侵入窃盗犯が留守を確認する方法と、その対策を調べてみました。

インターホンを鳴らす
インターホンを鳴らす

Wifiを活用し、遠隔地から応答できるドアホンも現在各社から出ています。技術的には近年進化し続けており、スマートフォンからシームレスに安定して応答できる商品が出てくれば、導入を検討したいところです。

固定電話に電話をする
固定電話に電話をする

在宅かどうか確認するために、ハローページに掲載している固定電話宛に電話をかける場合もあります。ハローページは「企業名編」「個人名編」ともに、2021年10月以降に最終版を発行し、それ以後は制作と配布を行わない予定となっていますが、過去に掲載していたことがある場合、在宅確認の電話があるかもしれませんので注意が必要です。また、固定電話は特殊詐欺の入り口になる場合もあるので、固定電話を解約するのも一つの手です。

住人の所有している車があるかどうか確認する
住人の所有している車があるかどうか確認する

家の前に青空駐車やカーポートに駐車している場合、外から車が停まっているかどうかで留守かどうか探られる場合があります。この場合、ガレージやビルトインガレージの方が防犯的には有利です。ただし、車で外出してもシャッターをきちんと閉じておかないと意味がないので、注意が必要です。

郵便物が溜まっているかどうか確認する
郵便物が溜まっているかどうか確認する

郵便受けから郵便物が溢れていると、長期不在が疑われてしまいます。できれば、仕事から帰宅した時に必ず郵便受けから郵便物を回収する癖をつける等、ルーチン化しておくとよいでしょう。また、近年では郵便受け以外にも、置き配で留守かどうか分かるので注意が必要です。置き配を多用する方は、宅配物が見えなくなるよう宅配ボックスを設置しておくとよいでしょう。

夜に洗濯物が干されたままかどうか、灯りがついているかどうか確認する
夜に洗濯物が干されたままかどうか、灯りがついているかどうか確認する

夜になっても洗濯物が干したままだったり、部屋に灯りがついていなかったりすると、まだ帰宅していないと思われてしまいます。この場合、洗濯物についてはランドリールーム等で室内干しにしておくことが望ましいです。また、灯りについては、出先でもWifi経由で灯りをオンオフしてくれる、SwitchBotのような家電をスマートホーム化させる機器が販売されているので上手く取り入れるとよいでしょう。

SNSで不在が分かるような投稿があるかどうか確認する
SNSで不在が分かるような投稿があるかどうか確認する

SNSで既に身バレしている場合、旅行の様子を投稿すると留守ということが分かってしまうので、注意が必要です。可能ならば、そのような投稿は不特定多数に公開するのではなく、公開する範囲を知人に限定したり、写真や文章の中に個人の特定につながるものがないか確認する癖をつけましょう。

簡単に侵入できる経路をふさぐ

侵入窃盗犯が犯行に及んでも、時間がかかれば諦める可能性があります。侵入経路にしっかり防犯対策を施して、家の中に侵入されないようにしよう。

先述した「住まいに侵入しようという気持ちを削ぐ」に失敗すると、泥棒に狙われることになります。空き巣の犯行の目安は「侵入3分物色5分」と言われており、10分以内で犯行を済ませることが多く、侵入する時に時間がかかればかかるほど、人目につくリスクが高くなります。そのため侵入に5分以上かかると、犯行をあきらめる傾向にあるようです。
また、泥棒の住まいの侵入経路は主に窓や玄関です。そこで5分頑張っても窓や玄関に侵入できないようにすることが重要になってきます。具体的に窓や玄関にどのような防犯対策をとるべきか、見ていきましょう。

無施錠にはしない

2020年の住宅で発生した侵入窃盗の侵入方法は、鍵の閉め忘れである「無施錠」が最も多く、約5割を占めています。「無施錠」では、住まいにどれだけ防犯対策を施していたとしても、全てが無駄になってしまいます。特に夏場は風通しを良くするために、家の窓や玄関ドアを空けたままにする機会が増え、外から「無施錠」ということが丸分かりなので、侵入窃盗の被害を受けやすくなっています。可能ならば夏場はエアコンや扇風機などで涼を取り、窓や玄関の鍵をかけた状態にしておく方がよいでしょう。例え2階の窓でも、足場が確保できさえすれば侵入されてしまうので、開けっ放しにすることは避けましょう。

無施錠にはしない

鍵のかけ忘れだけでなく、朝のゴミ出しや近所への買い物など短時間の無施錠でも、空き巣の被害が発生することも・・・。

窓から侵入されないようにする

2020年の住宅で発生した侵入窃盗の侵入方法は、「無施錠」に次いで「ガラス破り」が約3割ほどを占めています。「ガラス破り」の手口は主に下記の3種類です。

こじ破り:マイナスドライバーを窓ガラスとサッシの境に打ち込み、錠前付近のガラスを破壊し解錠する
焼き破り:窓ガラスをガスバーナーやライターを熱し、水や瞬間冷却スプレーなどで冷やすことでガラスを破壊する
打ち破り:ドライバーやバールといった道具で、窓ガラスに衝撃を加えて力任せに破壊する

ガラスという素材は耐衝撃性が低いため割れやすく、窓ガラスは侵入窃盗で狙われやすい侵入経路となっています。ただし、現在では「安全合わせ複層ガラス/防災安全合わせ複層ガラス」のような、2枚のガラスの間に透明な樹脂フィルムが加熱圧縮されることで破壊されにくいガラスが登場しています。予算的に厳しい方は、既存の窓ガラスに防犯フィルムを施工することで、防犯性能を高めることが可能です。その際は、CPマーク(様々な侵入攻撃に対して、5分間以上防御することができるか実際に試験し、その基準をクリアしたものだけに使用が許されているマーク)を取得している防犯フィルムにしておきましょう。

また、もし窓ガラスを割られた場合、通常窓ガラスについているクレセント錠では簡単に開けられてしまうので、クレセント錠も交換しておくと安心です。実はクレセント錠は名前に錠とついていますが、あくまでサッシとサッシを密着させる「締め付けるための」金具となっています。そのため、ボタン錠やダイヤル錠の機能がついたクレセント錠や、鍵付きクレセント錠に変更したり、クレセント錠以外の補助錠を設置しておくとよいでしょう。他にも、泥棒が窓ガラスにアクセスしづらくなるように、面格子・雨戸を設置してもよいでしょう。

窓から侵入されないようにする

たったこれだけのガラスの割れでもクレセント錠を回すことが可能。そのため窓ガラスや錠の補強はしっかりしておきたい。

防犯効果があると勘違いされがちなガラス
強化ガラス
フロート板ガラスを加熱・急冷して製造し、強度を高めたガラスです。粒状に割れ安全性が高いのですが、割れにくいわけでなく防犯性能は高くありません。

網入りガラス
火災時の延焼を防止する目的で金網を封入したガラスです。金網は容易に切断できるため防犯性能は高くありません。

複層ガラス(ペアガラス)
2枚のフロート板ガラスの間に中空層を設け、フロート板ガラスの約2倍の断熱性能を持たせたガラスです。2枚ガラスがあるので若干手間がかかりますが、素材としての強さはそのままなので、防犯性能は高くありません。ただし、複層ガラスの一部を合わせガラス(防犯ガラス)にすることで、防犯性を高めた複層ガラスもあるので、複層ガラスだからといって脆いというわけではありません。

玄関から侵入されないようにする

玄関ドアが破られる手口としては、下記のようなものが挙げられます。

サムターン回し:玄関ドアに穴を開けたり、付近のガラスを破る等の方法で、玄関ドアの外側から内側にあるツマミに工具や手でアクセスし、解錠する手口
ピッキング:玄関ドアの外側から鍵穴に工具を入れ、解錠する手口
カム送り(バイパス解錠):玄関ドアの外側からシリンダーのリングを浮かし、その隙間から工具を入れ、解錠する手口(※旧型の玄関ドアに見られ、開錠可能なものは警察庁より「該当危険機種」として公表されている)

近年では特にサムターン回しの被害が多くなっています。しかし、玄関ドアの性能は日々進化し、最新の犯罪への対策が施される場合が多いので、迷った場合は新しく販売された玄関ドアの購入するか、下記の点に注意して購入するとよいでしょう。

ワンドア・ツーロックになっているか?
ワンドア・ツーロックになっているか?

ワンドア・ツーロックとは、ひとつの扉に2つ以上の錠を取り付けて、空き巣の防犯対策を行う手法のことを指します。鍵が2つあることで、解錠する手間が2倍に増え、外から見てもそれが分かるため、防犯効果が上がります。警察庁も一般家庭に対して推奨している防犯対策です。

防犯性の高い鍵がついているか?
防犯性の高い鍵がついているか?

玄関鍵には「ピンシリンダーキー」「ディスクシリンダーキー」「ウェーブキー」「ディンプルキー」などがあります。この内「ウェーブキー」や「ディンプルキー」は現在の主流の鍵となっており、ピッキングに強い防犯性の高さを持っています。近年では、鍵穴そのものがない指紋認証型や暗証番号式の電子錠なども出ています。基本的に、高い防犯性が認められている鍵には「CPマーク」がついているので、それを目安に選ぶとよいでしょう。

サムターンが脱着可能か?
サムターンが脱着可能か?

サムターンとは、ドアの室内側についている、錠の開け閉めを行うために使うツマミのことを指します。サムターンを取り外せるようになっていると、外部からアクセスされても回せないため、解錠できません。すぐ必要な時に、内側から回せないというデメリットもありますが、防犯性をさらに高めるならオススメです。

ガラス部分は防犯ガラスになっているか?
ガラス部分は防犯ガラスになっているか?

玄関ドアの一部には、採光性やデザイン性を高めるためスリット状にガラスが使われている場合があります。サムターン回しでは、ガラスの部分を破壊し、その部分から工具を入れられ解錠される可能性があります。ガラス素材に防犯合わせ複層ガラスが使われているかチェックし、使われていない場合は防犯合わせ複層ガラスに交換することを視野に入れておいた方がよいでしょう。

その他、外部からアクセスしにくい構造かどうか?
その他、外部からアクセスしにくい構造かどうか?

ドアスコープは玄関ドアの内側から外を見ることができる便利な面がある一方、簡単に取り外すことができる構造になっているため、サムターン回しされてしまう経路の一つとなっています。さらには、玄関ドアの外側からドアスコープを通して内側を見ることもできるツールも存在しており、空き巣の下見に使われる可能性もあります。近年ではカメラ付きインターホンがドアスコープの代わりとなるため、ドアスコープが付いていなくても困ることは少ないはずです。また、郵便受けがついている玄関ドアも、そこからサムターン回しされてしまう経路の一つとなりうるので、避けておいた方がよいでしょう。

2階への足場を無くす

泥棒は足場があると、2階のバルコニーや窓から侵入してくるケースもあるので注意が必要です。2階のバルコニーや窓は防犯意識が薄くなり、無施錠になりやすい場所でもあります。特にバルコニーは、一旦入られてしまうと外部からも見えにくい形状になっている場合も多く、ガラス破りを実行しやすい環境となってしまいます。
物置、エアコンの室外機などは足場として活用される可能性があります。また、雨樋を利用して侵入してくるケースもあり、雨樋自体に人の体重を支えられるような強度はありませんが、雨樋を支える留め具は強度が高く、留め具を足掛かりに登られてしまいます。バルコニーや窓付近には、足場になるものを離して設置するか、離して設置できない場合などは登ってこれないよう返しなどの防犯アイテムを使い、侵入できないよう対策をしておきましょう。

2階への足場を無くす

雨樋は一見登るのが無理なように見えるが、身軽な人間なら簡単に登ることができてしまうので注意が必要だ。

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