ウォークインクローゼットに窓は付ける?
意外なデメリットや湿気対策をご紹介

2025/1/10 公開

ウォークインクローゼットに窓は付ける?意外なデメリットや湿気対策をご紹介

注文住宅の間取りを検討する際、ウォークインクローゼットには窓を付けたいと考える方は多いのではないでしょうか。高気密高断熱住宅のウォークインクローゼットに窓を付けるなら、開閉式ではなく開閉できないFIX窓がおすすめです。窓の設置には採光や換気面などのメリットがありますが、ウォークインクローゼットに付ける窓には意外なデメリットがあり、住宅性能や気候変動まで考慮して判断する必要があります。

本記事では、ウォークインクローゼットに窓を付けるメリットとデメリット、快適な収納空間を実現するための湿気対策などを詳しく解説します。窓を開閉式にするべきではない理由を具体的に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ウォークインクローゼットに窓は付けるべき?

ウォークインクローゼットに窓を付けるかどうかは、住まいの性能や気候変動を考慮して慎重に判断してください。

一般的に、開閉できる窓があれば部屋の通気性は向上します。しかし、温暖化で外気が亜熱帯地域に近い状態となっている近年は、「外は良い空気である」と単純にはいえなくなってきました。夏場は湿度が異常に高くなる日もあります。窓を開けることで花粉や黄砂、カビの胞子、ホコリなどが室内に入り、大切な衣類に付着する可能性もあるでしょう。

加えて高気密高断熱の住宅を建てる場合は、室内の空気循環が重要なため、十分な換気システムを備えるのが通常です。このため、高気密高断熱住宅では従来の「窓を開けて換気する」という考えは必ずしも必要ではありません。

ウォークインクローゼットに窓を付けるなら、明かり取り用に開閉できないFIX窓を採用するのが適切です。予算や間取りによっては、窓を設置しない選択肢も考えられます。

高気密高断熱住宅とは?

高気密高断熱住宅とは、気密性と断熱性を高めて外部の気温変化に左右されにくい室内環境を実現した、一年を通して快適に過ごせる住宅のことです。

高気密とは、建物の隙間を極力減らして外気の流入を抑えた状態を指します。高断熱は壁や床、天井に断熱材を十分に施工することで、室温の変化を抑えた状態のことです。

高気密高断熱の家は外気の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は暖かい環境を維持でき、エネルギー効率にも優れています。外部の騒音や花粉、ホコリの流入も防ぎ、室内の温度差によるヒートショックのリスクを軽減できるのもメリットです。計画的な換気により、年間を通じて快適で健康的な住まいを実現できる住宅といえます。

高気密高断熱住宅を詳しく解説した記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
【実例付】高気密高断熱住宅を解説

ウォークインクローゼットに窓を付けるメリット

ウォークインクローゼットに窓を付けるメリットを解説します。一般的な利点は採光面と換気面が考えられますが、ここでは採光面を詳しく解説します。

明かりを確保できる

ウォークインクローゼットに窓を付けると、室内に太陽光が入り、明るく心地よい空間になります。ウォークインクローゼットの中で身支度やメイクをする際、蛍光灯などの人工照明だと見逃しがちな微妙な色の違いも、自然光なら正確に確認できるため、コーディネートの失敗も防げます。

衣類の状態もしっかり確認できるので、整理整頓しやすく、使い勝手の良い収納空間として活用できるでしょう。日中なら照明なしでも十分な明るさを確保できるため、電気代の節約にもつながります。

ウォークインクローゼットに窓を設ける際に注意すべき点は、湿気の問題です。近年の気候変動で夏場は特に外気の湿度が著しく高くなっています。そのような状態で窓を開放すると、室内の湿度も上がり過ぎる可能性があります。

冬場も室内外の温度差で、窓付近に結露が発生しやすくなるのが懸念点です。衣類や壁にカビが生えてしまう恐れもあります。採光用の窓が必要な場合は、高い断熱性能を持つガラスを選ぶのがおすすめです。

本章ではこの他、衣類の日焼けや収納スペースの問題、コスト面から見たデメリットも詳しく解説します。

衣類が日焼けすることがある

ウォークインクローゼットに窓を設置するデメリットには、直射日光で大切な衣類が日焼けしたり色あせたりすることもあります。特に南向きや西日が差し込む位置にウォークインクローゼットを設ける場合は、日差しの影響を受けやすいため窓の設置は避けるのが無難です。

どうしても窓が必要な場合は、できるだけ北側での設置をおすすめします。UVカット機能付きの窓ガラスや、カーテンやブラインドの設置も日焼け・色あせ対策に有効です。日焼けや色あせしやすい大切な衣類は収納ボックスに入れて保管するなど、直射日光を避ける工夫も効果的です。

収納スペースが減る

ウォークインクローゼットに窓を設けることで、その分の壁面が使えなくなり、せっかくの収納スペースが減ってしまいます。一般的な窓のサイズであっても、ハンガーパイプを設置したり収納棚を配置したりできなくなる面積は予想外に大きく、クローゼットの収納力を損ねる点に注意してください。

限られたスペースを最大限に活用したい場合は、窓を付けないことをおすすめします。室内に採光が必要な場合は、細い縦すべり出し窓を選ぶなど、収納スペースへの影響を最小限に抑える工夫も必要です。

コストがかかる

ウォークインクローゼットに窓を設置するにはコストがかかります。窓ガラスやサッシの材料費に加え、施工費も必要です。高断熱や防音、UVカット機能などを付加すると、さらに出費が増えます。一般的な引き違い窓を付けるケースだと、3万〜10万円程度が相場です。

窓なしにしてコストを浮かせると、照明設備や水回り設備のグレードアップなど、より実用的な支出に使うことも可能です。限られた予算で快適な収納空間を実現するためにも、窓の必要性は慎重に検討するべきでしょう。

ウォークインクローゼットに関するよくある質問

ウォークインクローゼットの窓について、換気や湿気対策、間取りに関する疑問にお答えします。

ウォークインクローゼットの窓は換気のために開けても良い?

ウォークインクローゼットの窓を開けるのは、換気とは逆効果になる可能性があるためおすすめしません。近年は気候変動で外気の湿度が異常に高くなる日もあり、窓を開けるとむしろ湿気の多い空気が室内に流入してしまいます。

外気には花粉や黄砂、カビの胞子なども含まれており、これらが室内の衣類に付着すると、カビの発生や衣類の劣化を引き起こす原因となります。換気は住宅全体の空調システムに任せ、ウォークインクローゼットの窓は原則として閉めたままにしておくのがおすすめです。

ウォークインクローゼットに窓を付けると湿気対策が必要?

高気密高断熱住宅で適切な換気システムを備えれば、ウォークインクローゼット内も快適な湿度環境を保てます。より確実な湿気対策を検討するなら、換気扇を設置したり、欄間を設けたりすることなどが考えられます。

湿気対策にはこの他、通り抜け可能なウォークスルークローゼットにするのもおすすめです。行き止まりのない構造で空気の流れが生まれ、湿気のこもりにくい環境を保てます。ただし、来客があった場合に目線が気になったり、水回りの湿気が届いたりする心配もあるため、間取りの計画段階で配置を慎重に検討しましょう。

換気の環境を整えるのは、ウォークインクローゼットに限らず家作りの重要な要素です。さらに詳しく知りたい方はタイセーハウジングにお問い合わせいただくか、モデルハウスでぜひ体感してください。

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ウォークインクローゼットのおすすめの間取り・広さは?

ウォークインクローゼットの広さを検討する際は、収納の奥行きと通路スペースの確保がポイントになります。奥行きは、ハンガーパイプを設置するなら650mm以上、布団などの収納を考えるなら750mm以上が必要です。快適に衣類を出し入れできるよう、通路は650mm以上確保するのがおすすめです。

全体の広さの目安としては、家族一人につき畳1帖分を参考にします。例えば、2人家族なら2帖、4人家族なら4帖程度が基準です。家族の持ち物の量や種類、収納したいアイテムを具体的にイメージしながら、希望の広さを検討してください。

タイセーハウジングが手掛けたウォークインクローゼットのある家の実例をご紹介します。実際の間取りを見れば、快適な収納空間作りをイメージしやすくなります。

巨大なウォークインクローゼットをあえて独立

巨大なウォークインクローゼットをあえて独立

ご紹介する住まいの特徴の一つは、寝室と廊下のいずれからも出入りできる大型のウォークインクローゼットです。一般的な寝室内のクローゼットとは異なり、あえて独立した空間として設計しています。この独特な設計は、帰宅時間が遅いご主人の配慮の表れです。寝室を通らずに廊下から入って着替えられるため、家族の眠りを妨げずにすみます。

大型のクローゼットであるだけに、採光面も考慮して窓を付けました。広々とした収納スペースは衣類だけでなく、生活用品の整理整頓にも役立ちます。家族一人ひとりの生活に寄り添った、細やかな気遣いが感じられる住まいです。

巨大なウォークインクローゼットをあえて独立

こちらから写真や間取り図を確認していただけます。
暮らしにフィットする動線

使いやすいウォークインクローゼットを設置するポイントは、ご家族のライフスタイルを意識することです。ウォークインクローゼットを寝室の近くに配置すれば、朝の着替えがスムーズになり、貴重な時間を有効活用できます。外出前の身支度を重視する方には、廊下に面した配置もおすすめです。

ただし、配置は家全体の間取りとのバランスを考慮する必要があるため、経験豊富な専門家のアドバイスが欠かせません。タイセーハウジングは、土地探しから設計、施工、引き渡しまで、お客さまに寄り添うワンストップサービスが強みです。ご家族の将来を見据えた間取りを提案できるタイセーハウジングに、ぜひ一度ご相談ください。

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ウォークインクローゼットの窓は自然光を取り入れるには効果的ですが、近年の気候変動で高温多湿になった外気が流入してしまうことを考えると、開閉式の窓は避けるべきです。むしろ高気密高断熱の性能を生かすために、窓を付けない選択肢もあります。

神奈川県厚木市と東京都世田谷区に拠点を置くタイセーハウジングは、土地探しから設計、施工まで各分野の専門家をそろえ、ご家族のライフスタイルに合わせた家作りに貢献します。
タイセーハウジングでは平成21年の創業以来、1,000棟以上の住宅の施工に携わってまいりました。お住まいになった後もストレスなく家族が幸せに過ごせる家づくりを目指しています。タイセーハウジングは土地探しから資金計画、設計・施工、アフターメンテナンスまで一貫したワンストップサービスを提供しています。

土地選びから始まり、引き渡しが終わった後もお客さまを迷わせない、困らせない、徹底したサポート体制を敷いています。「現場主義」を貫いていますので、常に現地へ赴き、お客さまのご希望に合った土地の情報をお伝えしていますので、ぜひお気軽にご相談お待ちしております。