2025/2/17 公開
注文住宅を建てる際、外壁材にガルバリウム鋼板を検討する方が増えています。ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金でコーティングした鋼板で、耐久性とデザイン性を兼ね備えた外壁材として人気です。
本記事では、ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット、費用相場を詳しく解説します。後悔しないための選び方のポイントや実例も紹介しますので、快適な住まい作りを検討されている方はぜひ参考にしてください。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛合金を使ったメッキ鋼板です。亜鉛メッキ鋼板と異なり、アルミニウムを55%含んでいるのが特徴です。
アルミニウムの耐久性と耐熱性の高さに加え、亜鉛が持つ腐食を防ぐ特性により、使用環境によっては従来の亜鉛メッキ鋼板の3~6倍の耐久性を期待できます。
軽量でサビにくいことから、戸建住宅の外壁材として人気です。シンプルでスタイリッシュなデザインも評価され、住宅建材の定番として浸透しています。
※参考:日本金属サイディング工業会.「金属サイディングとは」(参照 2024-12-28)
ガルバリウム鋼板を外壁に採用すると、さまざまなメリットが得られます。耐久性や耐震性など、ガルバリウム鋼板の主な利点を詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板を外壁に使うメリットの一つは、耐久性が高いことです。耐用年数は通常20〜30年とされており、長期にわたって住まいを守れます。適切なメンテナンスを行えば、さらに長く使うことも可能です。目安として、10〜15年ごとに塗装の状態を確認し、必要に応じて塗り替えを検討することをおすすめします。定期的な点検や修繕で、性能を長く維持できます。
ガルバリウム鋼板は、外壁材の中でも特に軽量な素材です。重量は一般的な窯業系サイディングの4分の1、モルタルの10分の1となっており、建物への負荷を大きく軽減できます。外壁材は軽いほど、地震の際に建物に掛かる力が小さくなるため、耐震性の向上につながります。薄く軽いガルバリウム鋼板を外壁に採用することで、地震に強い住まい作りが可能です。
※参考:日本金属サイディング工業会.「よくあるご質問 どのくらいの重量ですか」(参照 2024-12-29)
ガルバリウム鋼板はサビにくい点もメリットです。耐食性に優れたアルミニウムとサビに強い亜鉛の相乗効果により、従来の金属鋼板と比べてサビが発生しにくくなっています。
金属製の外壁は、雨や湿気、地域によっては潮風などにさらされ傷みやすい特性があるため、サビにくさは大きな利点です。ガルバリウム鋼板なら、美しい外観を長期間保ちやすくなります。
ガルバリウム鋼板は、外壁材の中でも比較的メンテナンスが容易な素材として知られています。表面が滑らかで汚れが付きにくい上、付いても雨で流れやすいことから、日常的な手入れの手間が少ないためです。
ただし、メンテナンスフリーというわけではありません。経年劣化により塗装が剥がれたり、素材が劣化したりする可能性があるため、定期的な点検と必要に応じた補修は欠かせません。適切に管理することで、性能を長く保ち、美しい外観を維持できます。
ガルバリウム鋼板を外壁に採用すれば、独特でおしゃれな外観を実現できます。金属特有の質感と豊富なカラーバリエーションを組み合わせることで、モダンで都会的な印象を演出できるのが魅力です。
シャープなラインと洗練された質感は、スタイリッシュな外観デザインにしたい方に最適です。一般的な住宅とは異なる個性を出しつつ、上質な外観を作れます。
次に、ガルバリウム鋼板を外壁に採用するデメリットを解説します。傷の付きやすさや断熱性、費用面などの注意点を説明します。
ガルバリウム鋼板は薄くて軽量という特長を持つ半面、衝撃に弱いデメリットがあります。外構工事の際に誤って作業道具がぶつかったり、子どもが遊んでいる最中に物が当たったりすると、傷が付いたりへこんだりしやすい点に注意してください。
一度付いた傷やへこみは目立ちやすく、補修の手間もかかります。外壁材として採用する際は、取り扱いに十分注意を払う必要があります。
ガルバリウム鋼板のデメリットには金属素材特有の性質として、断熱性能と遮音性能の低さがあります。薄い金属板は熱を伝えやすく、外気の温度変化が室内に伝わりやすいため、冷暖房効率が低下する可能性があります。雨音や風切り音などが室内に響きやすいのもデメリットです。
しかし、近年は断熱材入りのガルバリウム鋼板も開発され、改善が進みました。商品選びの際は、断熱材が組み込まれているタイプと、組み込まれていないタイプがある点を踏まえ、用途や環境に応じて適切な製品を選ぶことが重要です。特に寒冷地や騒音の気になる場所では、断熱材入り製品の検討をおすすめします。
ガルバリウム鋼板は一般的にサビに強い素材とされていますが、エリアによっては必ずしも最適な選択にはなりません。特に沿岸部では潮風の影響を受けやすく、工場地帯では大気中の化学物質により腐食が進行しやすくなる可能性があります。
これらの条件下では早期のサビや劣化が懸念され、通常の環境で想定される20〜30年という耐用年数を下回ることもあるでしょう。沿岸部や工場地帯にお住まいの方は、ガルバリウム鋼板以外の外壁材の選択も含めて、プロの助言を聞きながら慎重に検討してください。
ガルバリウム鋼板は金属が持つクールで洗練された質感が魅力ですが、その特性ゆえにデザイン性が低くなることもあります。金属板は複雑な模様を作ることが難しく、シンプルな仕上がりが基本となるためです。
無機質な印象が強まって周辺の景観と調和せず、冷たい雰囲気になってしまう懸念もあります。多彩なデザインや色使いを求める方は、他の外壁材も含めて検討するのもおすすめです。
ガルバリウム鋼板は、傷が付いたりへこんだりしやすい特徴があり、施工に手間がかかります。そのため、窯業系サイディングなど他の外壁材と比べて、施工費が高くなる傾向があります。
具体的な費用はハウスメーカーによって大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取り、施工費を含めた総額をしっかり確認するのがおすすめです。
ガルバリウム鋼板の費用相場は、加工方法や仕様によって大きく異なります。目安は次の通りです。
種類 | 平方メートル当たりの金額 |
---|---|
断熱材などを含まない基本タイプ | 約5,000〜9,000円 |
断熱材を使用したタイプ | 約9,000〜12,000円 |
石粒表面仕上げを施した断熱タイプ | 約12,000〜20,000円 |
実際の費用は面積や地域、施工会社によって変動するため、事前に確認する必要があります。
ガルバリウム鋼板を採用して後悔しないためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。快適な住まいを実現するための選び方のコツを詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板を選ぶ際には、サンプルの確認が大切です。カタログやWebサイトの写真は、実物と印象が異なる場合があります。そのため写真だけで判断せず、サンプルを取り寄せるなどして質感や色味をチェックしてください。
また屋内と屋外では光の当たり方が異なるため、印象が大きく変わることがあります。サンプルは必ず屋外で確認することをおすすめします。さまざまな角度から見て、変化を確認しておくことが大切です。
ガルバリウム鋼板の美観と耐久性を長く保つには、適切なメンテナンスが欠かせません。外壁の汚れを落とすには、定期的な水洗いが有効です。柔らかい布やスポンジを使い、手の届く範囲で洗い流しましょう。高所は危険なので無理をせず、水をかける程度にします。水圧の高い高圧洗浄機などを使うと表面を傷めることもあるので注意してください。
サビや傷にも注意が必要です。サビが一度発生すると進行を止めるのは難しいため、早期発見と対処が大切です。外観の美しさは、10〜15年を目安に塗装し直すことで維持できます。
塗装では補修が難しいほど劣化が進んでいる場合は、既存の外壁の上から新しい外壁材を重ねるカバー工法や、外壁材を全面的に張り替える方法をとることもあります。状態に応じて適切な補修方法を選びましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁を長く美しく保つには、質の高い施工が不可欠です。外壁材の特徴を熟知し、ガルバリウム鋼板の豊富な施工実績を持つ会社への依頼をおすすめします。
信頼できる施工会社は、ガルバリウム鋼板の特性を生かしたデザイン性の高い提案をできるだけでなく、耐久性や断熱性を考慮した機能面でのアドバイスも的確に行えます。専門的な知識と経験を持つ会社を選ぶことで、希望の住まいに近づけるでしょう。
ガルバリウム鋼板には、デザインや機能面でさまざまな種類があります。その中でおすすめなのが2022年度金属サイディング販売数量トップの実績を誇る、アイジー工業さんのアイジーサイディングです。数ある製品群の中から、特におすすめの2種類の商品と特長を紹介します。
SP-ビレクトは、アイジーサイディングの代表的な商品です。表面の滑らかさと美しい水平ラインが特徴で、モダンでシンプルな外観を実現できます。豊富なカラーラインナップにより、さまざまな外観デザインに対応可能です。
防火性能も備え、準防火地域や防火地域でも使用できるため、都市部でも安心です。製品には10年保証が付いています。多様で自由なプランニングを可能にし、こだわりの住まいを目指せる外壁材として高い評価を得ています。
SP-ガルスパンは、金属外壁材の特徴を最大限に生かした人気商品です。クールでスタイリッシュな外観の洗練されたデザインが特徴で、現代的な住まいを実現できます。
カラーバリエーションは12色と豊富で、住まいの雰囲気や周辺環境に合わせた色選びが可能です。10年の製品保証も付いています。通常の火災では燃えにくい性質を持ち、安全性と耐久性を兼ね備えた外壁材として多くの方に選ばれています。
アイジーサイディングのガルバリウム鋼板は、優れた軽量性と断熱性、高いデザイン性を兼ね備えた外壁材です。通常のガルバリウム鋼板にある断熱性の課題は、ポリイソシアヌレートフォームの採用で大幅に改善されています。豊富な商品ラインナップで、あらゆる住まいのスタイルに対応可能です。
安全性や耐久性、快適性の高さもポイントです。安全性では、1平方メートル当たり3.6〜5.2kgという軽さにより、地震時の建物への負荷を軽減します。パーツをはめ合う「かん合部」の片側のみを固定する独自形状は、地震時の脱落を防ぎます。強風による飛来物への耐衝撃性の高さも特長です。
耐久性においては、表面に特殊なガルバリウム鋼板を使用し、従来の亜鉛メッキ鋼板の3〜6倍の寿命を実現しています。優れた耐久性が実証され、実際の施工実例では約20年経過後も赤サビや穴あきは見られません。
快適性の面では、高い断熱性能により省エネルギーな住環境を実現しているのが特徴です。表面の防汚コーティングで汚れが付きにくく、付いても落ちやすいため、メンテナンスも容易です。アイジーサイディングは、デザイン性と機能性を両立させた外壁材といえます。
タイセーハウジングが手掛けたガルバリウム鋼板を採用した住宅の実例をご紹介します。それぞれの家で魅力的な外観を実現した施工実例から、ガルバリウム鋼板の可能性を確認してください。
最初の実例として、ハワイを感じさせるビルトインガレージ付きの家をご紹介します。ホワイトのガルバリウム鋼板を外壁に採用し、温かみのある木目調の玄関ドアと組み合わせることで、リゾート地のような雰囲気を実現した賃貸併用住宅です。
室内は、ホワイトを基調とした空間に海を感じさせるブルーのアクセントを効果的に配置しています。リビングから愛車を眺められるビルトインガレージも設けました。ご主人は以前の家作りで妥協せざるを得なかった部分もあったそうですが、今回は希望通りの住まいを実現し、大変ご満足いただいています。
こちらから間取りや画像、動画でご覧いただけます。
HALEIWA VILLAGE【ハワイのリゾートを感じさせる賃貸併用住宅】
次は都会的なシンプルモダンの家をご紹介します。スタイリッシュなブラウンのガルバリウム鋼板を外壁に採用し、道路面にはスリット窓を配置することで都会的な印象に仕上げました。室内もブラウン系でまとめ、革製の家具や濃い目の色使いで、シンプルモダンなインテリアを実現しています。
寝室を通らなくても入れる大型のウォークインクローゼットには、帰宅の遅いご主人のご家族に対する思いやりが込められています。細やかな配慮が随所に見られる、家族みんなが快適に暮らせる住まいの実例でした。
こちらから間取りや画像、動画でご覧いただけます。
暮らしにフィットする動線
次にご紹介するのは、横浜市神奈川区の高台に建つ3階建ての二世帯住宅です。グレー系のガルバリウム鋼板が印象的です。
1階と2階に、ご家族4人とお母さまが暮らす居住スペースを配置しました。3階にはゲストを招いて食事ができるラウンジと屋上デッキを設け、屋内外で食事会を楽しめる贅沢な空間となっています。
コンセントの位置やカーテンの位置まで細部にこだわり抜き、何度も打ち合わせを重ねました。和室の床柱はオーナー自ら木材市場で選定するなど、想いの詰まった洗練された住まいです。
実際の写真や間取りはこちらからご確認ください。
ゲストラウンジのある家
最後にモスグリーンの外壁材を使ったモデルハウスをご紹介します。
神奈川県厚木市に位置するまちかど展示場にあり、落ち着いたモスグリーンのガルバリウム鋼板とセメント素材「SOLIDO」を組み合わせた印象的な外観が特徴です。
室内には、素足で歩きたくなる無垢のフローリングや空気清浄効果のある内壁塗料を採用しており、快適な住空間を体感できます。さらに、ヴィンテージ古材を生かした壁面やタイル張りなど、さまざまな素材の魅力も確かめられます。
大きな吹き抜けも見どころの一つとなっている他、異なる外壁材の調和を実際に確認できる機会も提供していますので、ぜひ展示場に足をお運びください。本厚木駅から徒歩22分の場所にあり、遅い時間でも予約があれば対応可能です。お仕事帰りにも気軽にお立ち寄りいただけます。
モデルハウスの画像はこちらからご確認いただけます。
cocolo モデルハウス 厚木市戸室 | タイセーハウジング株式会社
ガルバリウム鋼板は、耐久性やデザイン性の高さを兼ね備えた外壁材です。軽量で断熱性にも優れており、メンテナンス性の良さも魅力です。一方で、施工には専門的な技術が必要なため、信頼できる施工会社選びが重要となります。
神奈川県厚木市や東京都世田谷区に拠点を置くタイセーハウジングは、これまで1,000棟以上の住宅をお引き渡ししてきた実績があります。土地探しから設計・施工まで一貫してサポートし、限られた条件の中でも最大限の間取りと希望の暮らしを実現できるのが強みです。ガルバリウム鋼板を使用した家作りをご検討の方は、ぜひご相談ください。