注文住宅のキッチン選び
後悔しないポイントやおすすめの実例も紹介

2024/11/15 公開

注文住宅のキッチン選び|後悔しないポイントやおすすめの実例も紹介

注文住宅の間取りを決めていく中で、生活の中心ともなり得るキッチンは特にこだわりたい部分です。しかし、多くのキッチンの間取りや形状の中から、どのように選んでレイアウトを考えれば良いのか分からない方もいるでしょう。

本記事では、注文住宅のキッチン選びに迷われている方に向けて、キッチンの間取りタイプや形状、後悔しない選び方のポイント、レイアウトの決め方などを紹介します。併せて建築実例も紹介しますので、ぜひ参考にして快適なキッチンを手に入れてください。

注文住宅のキッチンの間取りタイプ

注文住宅のキッチンを決める際は、まずはどのような間取りタイプがあるのかを確認しましょう。キッチンの間取りにはオープンキッチン、クローズドキッチン、セミオープンキッチンの3つのタイプがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを、以下に紹介していきます。

オープンキッチン

オープンキッチンとは壁に接する部分がなく、LDKの中に設置されているキッチンです。キッチンからリビング・ダイニングまで仕切りなしでつながっているため、広々と開放的なLDKに仕上げられます。

オープンキッチンだと家族とのコミュニケーションが取りやすく、効率的な家事動線が確保できるのがメリットです。一方、料理中のにおいや音が空間に広がりやすい点がデメリットといえます。キッチン全体が見えやすいため、来客時には視線が気になることもあるかもしれません。

クローズドキッチン

クローズドキッチンは壁や仕切りで囲われているキッチンで、個室のようなキッチンに仕上がります。クローズドキッチンだと、料理中のにおいや音がリビングまで届きにくく、油がキッチンの外側へと飛び散らないのがメリットです。

しかしキッチンが個室になっているため、家族とのコミュニケーションが取りにくい傾向にあります。またオープンキッチンに比べて他の部屋への移動がしにくく、効率的な家事動線の確保が難しいでしょう。

セミオープンキッチン

セミオープンキッチンとは、オープンキッチンとクローズドキッチンを組み合わせたようなキッチンです。一部分のみ壁や仕切りで分けられているため、開放的でありながらも半個室のような空間に仕上がります。

セミオープンキッチンは、家事を行いながら家族とのコミュニケーションを取りやすいのがメリットです。さらにキッチンが見えないように壁や仕切りを設置すると、生活感が出にくく急な来客時にも安心です。ただし、完全に分けられた空間ではないため、料理中のにおいや音が広がりやすい点には注意しましょう。

キッチンの設置タイプには、主に壁面に取り付ける壁付けキッチンと、リビング・ダイニングと向かい合って取り付ける対面キッチンの2つのタイプがあります。

キッチンを設置する場所によって、LDKの雰囲気や家事の効率さが変わります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認し、自身のライフスタイルにあったキッチンの設置タイプを選びましょう。

壁付け

壁付けタイプのキッチンとは、壁面に取り付けられたキッチンのことです。キッチンで家事を行う際は、壁側に向き合う状態となります。

壁付けタイプだと、リビング・ダイニングのスペースを広く確保できるのがメリットです。また壁に向かって料理をするため、キッチンの外側へと油や水が飛び散ってしまうのを防げるでしょう。

しかし壁付けタイプの場合、リビング・ダイニングの様子が分かりにくい点がデメリットといえます。

対面

対面タイプのキッチンとは、リビング・ダイニングと向かい合って設置するキッチンのことです。レイアウトの種類が豊富で、開放的な空間へと仕上げられます。

対面タイプだと、リビング・ダイニングの様子を見ながら家事ができ、家族やゲストと会話をしながら家事を進められます。ただし、料理のにおいや音が家全体に行き渡りやすいため、対策を講じる必要があるでしょう。

注文住宅のキッチンの形状

注文住宅のキッチンには、以下のような形状があります。

  • I字型キッチン
  • L字型キッチン
  • コの字型キッチン
  • セパレート型キッチン
  • アイランドキッチン
  • ペニンシュラキッチン

以下ではそれぞれのメリット・デメリットや、どのような場合に向いているのかを紹介します。家族のライフスタイルに合った間取りや設置タイプをイメージしながら、キッチンの形状を選びましょう。

I字型キッチン

I字型キッチンとは、シンク・作業スペース・コンロが横並びになっているキッチンです。一般的に壁付けタイプに選ばれるキッチンであり、日本のキッチンにも多く採用されています。

壁付けタイプにI字型キッチンを選ぶと、キッチンが壁沿いに収まるのがメリットです。またシンプルな家事動線も確保できます。ただし横幅が短過ぎると作業スペースが狭くなり、反対に長過ぎると動線が悪くなる可能性があるため注意が必要です。

敷地面積が十分な広さではないものの、広々としたリビング・ダイニングを確保したい場合にはI字型キッチンを選ぶと良いでしょう。

L字型キッチン

L字型キッチンはシンクとコンロが分けられた、L字型の形状になっているキッチンです。壁付けと対面の、どちらの設置タイプにも対応しています。

L字型キッチンは、シンクとコンロ間の移動距離が短くなるため、家事の作業効率が上がるのがメリットです。しかし、L字型キッチンの設置には広いスペースが必要とされます。また、コーナー部分の活用にも工夫が必要です。

家事効率が良く、広いスペースが確保されたL字型キッチンは、家族で作業を行いたい場合などにおすすめのキッチンといえるでしょう。

コの字型キッチン

コの字型キッチンは、シンク・コンロ・作業スペースがコの字型に配列されたキッチンです。L字型キッチンと同様に、壁付けと対面のどちらの設置タイプにも対応しています。

コの字型キッチンは、キッチン内の移動距離が短く、作業効率が上がるのがメリットです。また壁に面した部分が多いため、収納を十分に確保できます。一方で、コの字型キッチンの設置には広いスペースが必要な上に、デッドスペースとなりやすいコーナーが2カ所できるのがデメリットです。

コの字型キッチンは、料理にこだわりたい場合や家族で効率良く作業を行いたい場合などに選ぶと良いでしょう。

セパレート型キッチン

セパレート型キッチンとは、コンロとシンクのカウンターを分けて2列にしたキッチンのことです。一般的にコンロがあるカウンターを壁付けに、シンクのカウンターを対面に設置します。

セパレート型キッチンは、対面に設置されたカウンター周りをぐるりと一周できるため、家事動線がスムーズになるのがメリットです。一方で、コンロとシンクが離れているため、双方を移動するたびに水や油が床に落ちてしまう可能性があります。

広々とした調理エリアを確保したい場合や、効率的なキッチン動線、自由度の高いデザイン性を求める場合におすすめの形状です。

アイランドキッチン

アイランドキッチンとは、対面で壁に面した部分がなく、孤立した「島(アイランド)」のように設置されたキッチンのことです。アイランドキッチンにすることで、開放的な雰囲気のLDKを演出できます。

家事を行いながら家族とのコミュニケーションが取りやすい点が、アイランドキッチンの大きなメリットです。またおしゃれで開放的な空間になる他、複数人で作業するのにも便利な形状です。一方、設置に十分な広さが必要だったり、料理中のにおいがリビング・ダイニングに充満しやすかったりする点がデメリットといえます。

リビング・ダイニングが見渡せる開放的なアイランドキッチンは、家族やゲストとのコミュケーションを大切にしたい場合におすすめのキッチンです。

ペニンシュラキッチン

ペニンシュラキッチンとは、サイド部分のどちらか一方が壁に接している対面タイプのキッチンです。ペニンシュラは「半島」を意味しています。

ペニンシュラキッチンは壁側にコンロ部分を設置することが多く、アイランドキッチンに比べて省スペースで設置できる他、料理中の煙の広がりを防止しやすい傾向にあります。また、開放感があり家族とのコミュニケーションが取りやすいのも魅力です。一方で、収納スペースが少ないレイアウトが多く、料理中の油はねやにおい・煙の広がりが懸念点です。

ペニンシュラキッチンは、省スペースでも開放的なキッチンを設置したい場合に向いている形状といえるでしょう。

注文住宅におけるキッチンの間取りのイメージがなかなかつかめない方も多いでしょう。ここからは、実際に注文住宅で採用されたキッチンの建築実例を2つ紹介します。注文住宅のキッチンの間取りを決める際に、ぜひ参考にしてください。

こだわりのオーダーキッチンの実例

部屋の中心にキッチンが設置された、家具のような存在感があるデザイン性の高いオーダーキッチンの実例です。キッチンの形状は、コンロ側のサイドを壁付けにした、ペニンシュラキッチンを採用しました。

キッチン奥と壁側に棚を設置し、十分な収納スペースを確保しています。光沢のあるウルトラセラミックストーンの天板は、高性能かつ高級感のあるデザインです。さらに、2口IHと2口ガスの混合コンロは、用途と目的に合わせた使い分けが可能です。

キッチンの両隣には、リビング・ダイニングと階段が設置されているため、家事をしながら常に家族の気配が感じられるでしょう。

参考:オーダーキッチンの家

職人の技と想いが込められた木製キッチンの実例

木製オーダーキッチン【Genuine Kitchen ジェヌインキッチン】

次に紹介するのは、多くの職人たちの手によって施された、木製のオーダーキッチン「Genuine Kitchen ジェヌインキッチン」を採用した実例です。

厳選した天然木で加工されたオーダーメイドのキッチンは、飽きのこない素朴なデザインを実現しました。住宅をリフォームした際にも、キッチンは再加工・再塗装して大切にお使いいただいています。

その家で暮らす人の趣味や暮らし方、フォルムに合わせてつくられるオリジナルのキッチンを、ぜひ採用してみてはいかがでしょうか。

木製オーダーキッチン【Genuine Kitchen ジェヌインキッチン】
注文住宅のキッチンで後悔しやすいポイント

注文住宅では、デザイン性や使い勝手の良さなどのさまざまなこだわりを詰め込んだオーダーキッチンに仕上げることが可能です。しかし、オーダーキッチンだからこそ完成してから後悔してしまうこともあります。

あらかじめ気を付けたいポイントを押さえた上で、キッチン選びをするのがおすすめです。注文住宅のキッチンで後悔しやすいポイントを以下に紹介していきます。

生活感が出る

注文住宅のキッチン全体がオープンなアイランドキッチンのようなタイプだと、リビング・ダイニング側からキッチンが丸見えの状態です。

キッチンの上に物が多く置かれて整理整頓されていないと、生活感が出てしまいLDKが残念な空間になってしまいます。急な来客時にも対応できるように、常にきれいな状態を保つ必要があるでしょう。

サイズや高さが合わない

注文住宅のキッチンのサイズが合わないと、体に負担がかかったり作業スペースが足りなくなったりする可能性があります。特にキッチンの高さは、低過ぎたり高過ぎたりすると肩や腰に負担がかかってしまいます。

いずれも家事の作業効率が落ちてしまう原因になりかねないので、使用頻度が高い方の身長に合わせて選ぶのがおすすめです。

収納が足りない

注文住宅のキッチンは、収納スペースの確保も大切なポイントです。そもそもキッチンの収納スペースが足りないと、作業スペースにまで物が溢れてしまい、家事の作業効率の低下につながります。

また収納スペースの高さや奥行きが収納する物のサイズに合っていないと、出し入れがしづらくなる上に、デッドスペースが生まれてしまい、きれいに収納できなくなるでしょう。

狭過ぎる・広過ぎる

注文住宅のキッチンが狭過ぎたり広過ぎたりするのも、家事の作業効率を落としてしまい、後悔してしまう原因の一つです。

キッチンが狭過ぎる場合、キッチン内に複数人が入ると、うまく通行できずに作業が止まってしまいます。一方でキッチンが広過ぎると、冷蔵庫から食材を取り出してシンクへ運んだり、切った食材を火にかけたりするなどの一つひとつの作業に時間がかかることが考えられます。キッチンの使用人数や動線を考え、広さを選びましょう。

コンセントの数が足りない・配置が悪い

家電が多いキッチンではコンセントの数と配置のバランスも、後悔しない注文住宅のキッチンに仕上げるための重要なポイントです。

コンセントが適切な位置になかったり数が足りなかったりする場合、家電の配置のバランスが難しくなります。延長コードを使用することで配線が見えてしまい、キッチンのデザイン性を損ねてしまう恐れがある点には注意が必要です。

キッチンデザインが内装全体とミスマッチ

注文住宅のキッチンは、キッチン単体だけでデザインを決めてしまうと、LDK内で浮いてしまう可能性があります。キッチンは設備が大きく数も多いため、デザインが豊富です。統一感のあるLDKにするためにも、内装全体とのバランスを考えながら選ぶようにしましょう。

注文住宅のキッチンレイアウトを決める際には、さまざまなポイントを押さえておくことが大切です。おしゃれで快適な注文住宅のキッチンレイアウトを決める際のポイントを、以下に紹介していきます。

作業動線を確認する

注文住宅のキッチンレイアウトは、作業しやすい動線を確認しながら決めるのがおすすめです。家事の作業動線は、シンク・コンロ・冷蔵庫の動線が正三角形に近いほど、作業効率が上がるといわれています。その他にも、ダイニングとの行き来のしやすさを考慮すると、配膳と片付けがスムーズになります。

収納する物を把握する

次に、あらかじめキッチンに収納する物を把握しておくと良いでしょう。収納する物の数や種類、サイズなどを確認し、リストアップするのがおすすめです。広さはもちろんですが、使いやすい位置や高さ、奥行きなども決めておくと、使い勝手の良い収納スペースに仕上がり、結果的に作業効率が上がります。

料理する頻度が高い家族が使いやすいサイズ・高さに合わせる

注文住宅におけるキッチンのサイズは、作業効率に影響を与える重要なポイントです。キッチンに立つ全ての家族に合わせたサイズに合わせることはできないため、料理頻度の高い方のサイズに合わせるようにしましょう。使いやすいキッチンのサイズの目安は「身長(cm)÷2+5cm」です。実際にショールームを訪れてサイズを確認してみましょう。

ライフスタイルに合わせてレイアウトを決める

注文住宅のキッチンは、家族のライフスタイルに合わせてレイアウトを決めるのがおすすめです。家族構成や利用頻度から、キッチンの間取りタイプや設置場所、形状を決めやすくなります。さらに現状のライフスタイルだけでなく、将来を見据えてキッチンのレイアウトを決めると良いでしょう。

手入れしやすい素材を選ぶ

日々の掃除の負担を少なくするためにも、注文住宅のキッチンには手入れしやすい素材を選ぶことをおすすめします。おしゃれなキッチンの見た目を保つためにも、掃除のしやすさが重要なポイントです。きれいな見た目の素材でも汚れやすかったり変色しやすかったりする場合があるため、汚れやキズが目立ちにくい素材を選ぶと良いでしょう。

トータルコーディネートする

注文住宅に選んだキッチンが、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンなどのオープンタイプの場合、LDK全体をトータルコーディネートするようにレイアウトをするのがおすすめです。

またLDK内のキッチンの設置場所によっても空間の印象を変えられます。さまざまなレイアウトをイメージしながら、おしゃれなキッチンを手に入れましょう。

ショールームで実物を確認する

注文住宅に採用するキッチンは実際にショールームを訪れ、実物に触れて確認することが大切です。カタログのみでは色の見え方や質感、サイズなどの判断が難しく、イメージと異なった仕上がりになってしまう可能性があります。実際にモデルハウスやキッチンのショールームに足を運んで実物を確認し、理想のキッチンのイメージをすり合わせましょう。

日々の暮らしに欠かせないキッチンは、家の中心ともいえる空間です。注文住宅におけるキッチンは、デザイン性だけでなく、実際に使う家族の暮らしをイメージしてレイアウトすることが大切です。理想のキッチンを手に入れるためにも、注文住宅の実績が豊富な建築会社に相談しましょう。

タイセーハウジングでは平成21年の創業以来、1,000棟以上の住宅の建築実績があります。オーダーキッチンのバリエーションも豊富なため、お客さまの要望に合ったご提案が可能です。神奈川県・東京都内で注文住宅を検討中の方は、この機会にぜひ資料請求をご検討ください。