住まいの知恵袋

35坪の注文住宅のつくり方
広さや間取り、価格相場を徹底解説

2025/5/31 公開

35坪の注文住宅のつくり方|広さや間取り、価格相場を徹底解説

35坪の注文住宅を検討する際「35坪だとどのくらいの間取りが可能?」「建築費用や土地の広さはどの程度必要?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。35坪は、家族4人で暮らすのにちょうどよい広さとして人気があり、バランスの取れた住まいづくりが可能です。
今回は、35坪の注文住宅をつくりたいと考えている方に向けて、必要な土地の広さや価格相場に加え、おすすめの間取りやポイントについて紹介していきます。ぜひ本記事を参考にして、家族が快適に過ごせるマイホームを実現させてください。

35坪の注文住宅の広さ

まずは、35坪の家がどのくらいの広さなのかをイメージしましょう。35坪を平米数で表すと約115.7㎡、畳数で表すと約70畳です。
快適に暮らせる広さの水準を誘導居住面積といい、誘導居住面積は都心近郊での暮らしを想定した都市居住型と、郊外での暮らしを想定した一般型に分けられます。都市居住型の場合、2人以上の世帯における広さの算定式は以下の通りです。

20㎡×世帯人数+15㎡

世帯人数が4人の場合だと、95㎡(約28坪)と算出されます。
なお、住宅金融支援機構の2023年度フラット35利用者調査における、注文住宅の住宅面積の全国平均は119.5㎡(約36坪)でした。
つまり、35坪は4人家族が都心近郊で快適に暮らせる広さの水準を十分に満たしている上に、注文住宅の全国平均値になることが分かります。

※参考:厚生労働省.「住生活基本計画における居住面積水準」(参照 2025-05-15)
※参考:住宅金融支援機構.「2023年度 フラット35利用者調査」(2024-07-24)

① 間取りの目安

一般的に35坪の注文住宅は、3〜4LDKの間取りのケースになることが多いです。世帯人数が4人以上の場合に適した広さです。
一例を挙げると、1階には18畳のLDKと5畳の和室が設けられます。2階には主寝室と子ども部屋2部屋、書斎もしくは広々としたウォークインクローゼットが設けられます。その他、玄関や浴室、洗面室なども十分な広さを確保することが可能です。

② 必要な敷地面積の広さ

35坪の注文住宅をつくるには、必要な広さを有した土地を確保しなければなりません。しかし、土地を選ぶときは地域によって定められている建ぺい率と容積率に注意してください。
建ぺい率とは敷地面積に対して定められた建物面積の割合で、容積率とは敷地面積に対して定められた延床面積の割合のことです。建ぺい率に従うと、必要な土地面積が算出できます。例えば1階が20坪、2階が15坪の注文住宅をつくるときに必要な面積は、それぞれ以下の表の通りです。

建ぺい率 必要な坪数
30% 約66坪
40% 約50坪
50% 約40坪
60% 約33坪
80% 約25坪

不動産・住宅サイトSUUMOによると、厚木市の土地価格相場の坪単価は44万5,000円です。厚木市内の建ぺい率が60%の地域にて、35坪の注文住宅をつくるのに必要な土地面積は約33坪であり、土地価格は約1,468万5,000円となります。

※参考:SUUMO.「厚木市(神奈川県)の土地価格相場情報」(参照 2025-05-15)

35坪の注文住宅の建築費相場

35坪の注文住宅の建築費相場

2023年度における住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、すでに所有している土地に注文住宅を建てる場合の全国平均の建築費は3,861万1,000円、首都圏平均は4,190万2,000円でした。土地から購入して注文住宅を建てる場合の建築費は、全国平均が3,405万8,000円、首都圏平均が3,402万3,000円です。
一般的な木造住宅をつくるには、坪単価60万〜80万円程度の建築費が必要になります。坪単価は建築会社によっても異なります。
また坪単価は本体工事費のみとなっている点にも注意してください。建築費は、本体工事費・付帯設備費・諸経費の3つの合計額です。建築費の内訳については、以下で紹介します。

① 本体工事費

本体工事費とは、建物の本体部分にかかる工事費のことです。本体工事には基礎工事や木工事、内装・外装工事、設備工事などが含まれ、建築費総額の約75%を占めます。総額3,500万円の注文住宅だと、約2,625万円が本体工事費となります。

② 付帯設備費

付帯設備費とは、本体工事費以外にかかる工事費のことです。付帯設備費には、地盤調査やガス・電気引込工事、外構工事などが含まれ、総額の約15%を占めます。総額3,500万円の注文住宅だと、約525万円が付帯設備費となります。

③ 諸費用

諸費用とは、本体工事と付帯設備費以外に必要な費用のことです。諸費用には、登記申請費用や火災保険料、税金などの費用が含まれ、総額の約10%を占めます。総額3,500万円の注文住宅だと、約350万円が諸費用となります。

35坪の注文住宅を建てるときにおすすめの間取りアイデア

35坪の注文住宅は、平均的に多く採用されている広さです。こだわりのある間取りを採用して、家族が快適に過ごせる住まいを実現しましょう。ここでは、35坪の注文住宅におすすめの間取りアイデアを8つ紹介します。

① 吹き抜け

LDKや玄関、廊下に吹き抜けを採用すると、家全体が開放的で明るい雰囲気のある空間に仕上がります。家の中により多くの自然光を確保して、おしゃれな空間を演出したい方におすすめの間取りです。一方で、2階部分の床面積が狭くなる点や、冷暖房設備の効率が悪くなる点には注意してください。

② ファミリークローゼット

家族の収納を一つにまとめたファミリークローゼットを採用すると、家全体が整理整頓されて、スッキリとした空間が保てるでしょう。スペースの確保や、家族間のプライバシーの確保が難しくなるケースもありますが、家事動線の効率化につながる間取りです。共働きで忙しい家庭におすすめです。

③ ランドリールーム

洗濯をしてから収納するまでの流れを、一つの部屋で行えるランドリールームもおすすめの間取りです。洗濯を回し、ベランダで干してから各部屋に収納するまでの移動の手間が省けます。その他にも、天気に関係なく洗濯物を干せたり、来客時のプライバシーが確保できたりします。広いスペースが必要ですが、キッチンの隣に設置すると、より家事動線が上がります。

④ パントリー

食材やキッチン用品などを収納できるパントリーは、キッチンに併設するのが一般的で、保存食や日持ちのする食材のストックにも便利です。家族が多い方や、キッチンをスッキリとさせたい方におすすめの間取りです。スペースの確保が必要になる点や、食材をため込み過ぎて腐らせてしまう可能性がある点などには注意しましょう。

⑤ 小上がり畳コーナー

床から一段高い場所に設置する小上がり畳コーナーは、リビングの一角に設置されるケースが多く、室内に立体感が生まれておしゃれな空間に仕上がります。デザイン性を重視したい方におすすめの間取りデザインです。しかし、小上がり畳コーナーによって室内に段差ができてしまうため、小さな子どもや高齢者がいる家庭は、転倒リスクの危険性がある点に注意してください。

⑥ ロフト

縦の空間を有効活用して、ロフトを設置するのもおすすめです。開放的な空間を演出しつつ、収納や就寝スペースなどのスペースとしての利用ができます。要件を満たしていれば延床面積に含まれないため、より広い空間が確保できたり節税につながったりなどのメリットがあります。一方で、ロフト部分は熱がこもりやすいため、空調管理の対策を行いましょう。

⑦ 水回りをまとめる

キッチン・洗面所・浴室・トイレの水回りをコンパクトにまとめた間取りは、子どもの世話がしやすくなったり家事動線の効率化につながったりします。子育て中の方や、共働きの忙しい家庭におすすめの間取りです。一方で、玄関やリビングから水回りまでの動線をつなげると、来客時のプライバシーの確保が難しくなるので注意しましょう。

⑧ 回遊動線をつくる

回遊動線とは、扉や壁などの行き止まりがなく、スムーズに回れる動線のことです。生活動線が確保されるため、朝の忙しい時間帯でも家族がストレスを感じずに身支度を済ませられます。しかし、回遊動線を確保するためのスペースが必要となり、居室部分のスペースが狭くなってしまうケースもあります。

35坪の注文住宅を建てるときに気を付けたいポイント

35坪の注文住宅を建てるときに気を付けたいポイント

注文住宅の間取りを考えるとき、多くのパターンから選ぶのに迷ってしまう方も多いでしょう。おすすめの間取りだけではなく、気を付けたいポイントも押さえながら取捨選択するのがおすすめです。ここでは、35坪の注文住宅を建てるときに気を付けたいポイント4つを紹介します。

① 土地と建物それぞれで予算を立ててシミュレーションする

注文住宅を建てるとき、建物代は設備や建材・素材などのグレードによって価格が高くなる場合があり、土地代はエリアや立地条件にこだわると高くなる傾向にあります。
総額の予算を考えるのではなく、土地代と建築費それぞれで予算を立てるのがおすすめです。さらに、入居後に必要な固定費や修繕費についても考慮すると良いでしょう。

② ライフスタイルに合わせて広さを決める

35坪の注文住宅は一般的な住宅の広さであり、ある程度の間取りは叶えられます。家族の成長やライフスタイルに合わせて広さを決めると、より長く快適に暮らせるでしょう。
例えば、家族の様子が感じられてバリアフリーにも適した平屋にしたい場合だと、広い土地が必要です。一方、将来的な予算を考慮してコンパクトな土地に家を建てたい場合には、3階建てにするのがおすすめです。

③ 明るい開放感のある空間をつくる

一般的な広さである35坪の注文住宅ですが、より開放的で明るい空間に仕上げたいのであれば、天井の高さを出したり多くの自然光を取り入れたりすると良いでしょう。
標準の天井の高さから少し高くするだけで、視覚的に広い空間を感じられます。さらに、高い場所に窓を設置すると採光の確保にもつながり、明るい室内を演出できます。

④ 総二階の住宅にする

35坪の注文住宅には、1階と2階の床面積が同じ広さである総二階にするのがおすすめです。総二階だと、シンプルですっきりとした印象の住宅に仕上がります。
またシンプルな構造である分、工期が短くなり、設計費や建材費のコストが削減できます。さらに、耐震性・断熱性・気密性にも優れているため、一年中家族が快適に暮らせるでしょう。

家族に最適な広さ・間取りの注文住宅を実現しよう

35坪の注文住宅は全国的にも多く採用されており、家族4人でも十分に暮らせる間取りが実現できる広さです。家族がより快適に暮らせる住宅にするためには、ライフスタイルと予算に合った土地と間取りを選びましょう。
タイセーハウジングは、神奈川県厚木市に拠点を置き、地域密着型の工務店として神奈川県内の多くのお客さまの家づくりサポートを行ってきました。35坪の家づくりを希望されている方は、まずはお気軽に資料請求して建築実例を確認してみてください。遠方の方や忙しくて来店が難しい方向けにオンライン面談も実施していますので、ぜひご活用ください。