2025/1/11 公開
本記事では、窓を付けない場合のメリットとデメリット、さらにトイレやお風呂におすすめの窓についても詳しく解説しますので、これから注文住宅を建てようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
トイレやお風呂に窓を設置するべきかどうか、迷う方も多いのではないでしょうか。「窓は必要」と考える方もいらっしゃいますが、実際には必須ではなく、あえて窓を設けないケースもあります。ここでは、窓を付けるかどうかの判断材料として、窓なしのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
一見、デメリットが多そうに思える窓なしのトイレやお風呂ですが、実はさまざまなメリットがあります。まずは、防犯面やコスト面など、窓なし設計のメリットをわかりやすく解説します。
トイレやお風呂に窓がないと、防犯上のリスクを大きく減らせます。
トイレやお風呂は人通りの少ない場所に設置されることが多く、窓を設置することで空き巣や不審者に狙われやすいという課題があります。しかし、窓がなければ家の裏側など目立ちにくい場所から侵入される心配がなくなるのが、大きなメリットです。
さらに、窓が少ない分だけ戸締りの手間が減り、外出時の締め忘れを防ぎやすくなります。特に留守が多い家庭や防犯面を重視したい方にとっては、安心できるポイントとなるでしょう。
トイレやお風呂に窓がないことは、家族のプライバシーを守る上で大きなメリットがあります。
特に夜間、お風呂に入ると人影が窓越しに外から見えることがあり、リラックスするのが難しいと感じる方もいるでしょう。窓がなければ、周囲の視線を気にせず、より快適に過ごせます。
また周囲の住宅が近い環境では、家族のプライベートな時間を守るためにトイレやお風呂に窓を設けないという選択肢も、十分に検討する価値があるでしょう。
トイレやお風呂に窓がない場合、外気による室内の温度変化が抑えられます。窓は熱の出入りが多い部分の一つで、夏は熱がこもりやすく、冬は冷気が室内に入り込む原因となるためです。特に冬場は、暖かい部屋から冷えた脱衣所に移動する際に「ヒートショック」が起こるリスクが高まります。
ヒートショックとは、急激な温度差により血圧が上下し、心臓や血管に大きな負担を与える現象です。これが原因で脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な疾患を引き起こす場合があります。
窓をなくせば室内の温度を一定に保ちやすくなり、こうした健康リスクの軽減に役立つでしょう。
トイレやお風呂に窓がない場合、掃除の手間が省けるという点も大きなメリットです。窓があると、ガラスや窓枠、サッシのレールを掃除する必要があります。特に湿度が高いお風呂場の窓は、水滴の拭き取りやカビ取りの手間もかかるため、日常的な掃除を負担に感じることも少なくありません。
窓がなければ、結露が原因となる水垢やカビの心配がなくなるため、掃除にかける時間が短縮され、日常の負担が軽くなるでしょう。掃除を楽にして清潔な空間を保ちたい方には、窓なしの設計がおすすめです。
トイレやお風呂に窓を設置する場合は、建築費用が高くなる点にも考慮が必要です。窓の設置にはガラスやサッシの費用がかかりますが、特にトイレやお風呂では断熱性や防犯性を重視した高性能な素材を採用する必要があるため、標準的な窓よりもコストがかさみ、建築費用を押し上げる主な要因となります。
窓を設置しない場合は、サッシやガラスの材料費や工事費を削減できます。浮いた費用をキッチンやリビングの設備、デザインの向上に使うことで、より満足度の高い住まいを目指せるでしょう。
窓がないトイレやお風呂は、防犯やコストなどの面でメリットがありますが、一方で開放感や採光、通気性、インテリア活用といった点で課題が生じることがあります。ここでは、窓を設置しないことによるデメリットを詳しく解説し、快適な空間作りに役立つヒントをご紹介します。
トイレやお風呂に窓がない場合、壁に囲まれることで圧迫感を覚えやすくなる点はデメリットです。特にトイレはもともと狭い空間のため、窓がないと閉塞感を覚えることが多いでしょう。閉所が苦手な方やリラックスしたいと考える方にとっては、不安感を伴う場合もあります。
お風呂でも、窓があることで自然光が差し込み、外の景色が見えるといった開放感を得られます。リラックスできる空間を求める場合は、窓を設けて光や景色を取り入れることをおすすめします。
トイレやお風呂に窓がない場合、自然光を取り入れられないため、空間が暗くなりやすいというデメリットがあります。昼間でも照明が必要になることが多く、電気代が負担になる点や、自然光ならではの柔らかな明るさを楽しめない点が課題です。
ただし、窓を設置した場合でも、窓の位置や向きによっては十分に採光できない場合もあります。そのため、トイレや浴室に設置する照明は、明るさや雰囲気を調整できるものを選ぶといいでしょう。
タイセーハウジングで手掛けたこちらの事例では、窓のある浴室に、開放感をプラスしてくれる照明を設置しました。
自然光の温かみも大切にしたい場合は、こちらの事例のように、明り取りのためのすりガラスを取り入れるのもおすすめです。
トイレやお風呂に窓がないと、自然な風を取り入れて空気を入れ替えることが難しくなる点もデメリットです。
特にお風呂では入浴後に湿気がこもりやすく、トイレでも夏場には空間が蒸し暑くなります。窓を設ければ、外の新鮮な空気を取り入れられるため、湿気やこもった熱を効率よく排出できます。窓を開けて風を通すことで、空気がリフレッシュされ、爽やかな空間を保てるでしょう。
一方で、換気については換気扇を使用することで対応可能です。機械換気は湿気を効率良く排出してくれるため、窓を設置しにくい間取りの場合に有効です。
トイレやお風呂に窓がないと、収納やインテリアを置ける場所が限られてしまいます。窓枠は、芳香剤や観葉植物、インテリア雑貨を飾るのにぴったりの場所であり、トイレや浴室のように限られた面積を有効活用するのに便利です。
一方で、窓枠がない場合は、収納棚やラックを追加するなど、別の工夫が必要になるでしょう。そのため、観葉植物や小物を飾りたい方には、窓の設置を検討することをおすすめします。
最近では、トイレやお風呂に窓を付けない家が増えてきていることが分かっています。一昔前までは、トイレやお風呂に窓を付けるのが一般的でしたが、現在ではトイレとお風呂のどちらにも窓を付けない、またはどちらか一方だけに窓を設けるというケースが増加傾向にあります。
タイセーハウジングが調査した結果、1年間に上棟した63棟のうち、20棟がトイレとお風呂の両方に窓を付けていませんでした。また63棟中27棟はお風呂に窓を設けた一方でトイレには窓を付けない選択をしており、全体の42%がトイレに窓を設けなかったことがわかりました。この背景には、高気密・高断熱の住宅が普及したことが影響していると考えられます。
さらに、同社の従業員にアンケートを実施したところ、トイレやお風呂の窓を実際に開けているかどうかは意見が分かれる結果となりました。このように、住宅の断熱性や気密性が向上したことで、通気性のために窓が必須ではないと考える人が増えているのが現状です。
トイレやお風呂に窓を設置する際、防犯や寒さ対策をするために、どのような基準で窓を選んだら良いか迷う方も多いのではないでしょうか。ここからは、それぞれの目的に適した窓の選び方を解説します。
トイレやお風呂に窓を設置する際は、防犯性に優れた窓を選ぶことが大切です。トイレには、外部からの侵入を防ぐ面格子付きの窓が適しています。一般的には外側に取り付けるタイプが多いですが、内側に設置できるタイプも併せて検討するとより安心です。
お風呂には、防犯ガラスや内窓(二重サッシ)を取り入れることで、セキュリティを強化できます。さらに二重ロック付きの窓を選ぶと、より安全性を高められるでしょう。
目隠しには可動式ルーバー面格子や目隠しシートを使えば、使い勝手はそのままにプライバシーも守れるためおすすめです。
トイレやお風呂に窓を付ける場合は、寒さ対策も忘れずに考慮することが大切です。特に冬場は冷気が窓から侵入しやすいため、断熱性に優れた窓を選ぶことで快適な空間を保てます。内窓(二重サッシ)や複層ガラスは冷気を遮断し、室内の暖かさを保つ効果があるためおすすめです。
お風呂の断熱効果を高めつつ採光を確保するには、窓のサイズを小さくするというのも有効です。また樹脂サッシは金属製サッシよりも熱伝導率が低いため、冷気の侵入を抑えられます。
外気の影響を最小限に抑えるためには、窓周辺の気密性を高めることも重要です。温かさを保ちながら省エネ効果も期待できるため、窓を設置する際には意識してみましょう。
トイレやお風呂に窓を取り付ける場合は、外から中の様子が見えないよう、目隠し対策を行うことが大切です。曇りガラスや目隠しフィルムを使えば、プライバシーを守りながら採光できます。
また掃除のしやすさにも注意が必要です。窓があると結露が発生しやすく、窓枠やガラスの掃除が手間に感じることもあります。掃除が負担にならないデザインや素材を選ぶと良いでしょう。
窓を設けない場合でも、工夫次第で快適な空間を作ることは可能です。例えば、浴室のドアをガラス張りにしたり、天井を高くしたりすることで、圧迫感を軽減し開放感を演出できます。また壁や床に明るい色を使うと、空間を広く感じられる効果も期待できます。
トイレやお風呂に窓を付けるべきか迷ったときは、メリットとデメリットをしっかり比べるのがポイントです。窓があれば採光や通気性が良くなりますが、掃除や目隠しの対策が必要になる場合もあります。一方で、窓を付けない場合でも、間取りや設備を工夫すれば快適な空間を作ることは十分可能です。
タイセーハウジングでは、お客さまの「こんな家に住みたい!」という思いをかなえるため、限られた条件の中でも最適な間取りをご提案しています。土地探しからお手伝いできるので、初めて家作りを考える方も安心してご相談いただけます。
土地選びから始まり、引き渡しが終わった後もお客さまを迷わせない、困らせない、徹底したサポート体制を敷いています。「現場主義」を貫いていますので、常に現地へ赴き、お客さまのご希望に合った土地の情報をお伝えしていますので、ぜひお気軽にご相談お待ちしております。