注文住宅にトイレ2つは必要?
メリットやデメリット、判断基準を解説

2025/2/18 公開

注文住宅にトイレ2つは必要?メリットやデメリット、判断基準を解説

注文住宅の建設に当たっては、デザイン性だけでなく利便性に優れた住宅を建てたいと考える方が多いでしょう。特に2階建ての住宅では、トイレを2つ設置するかどうかで悩むケースが多いです。トイレを2つ設置すると利便性が向上する一方で、コストがかかるなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。

そこで、この記事では注文住宅を建てる際に、トイレを2つ設置するメリット・デメリットから建築実例まで紹介していきます。注文住宅の間取りに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

注文住宅にトイレを2つ設置する際に多くの方が気になるのは「費用がどれくらいかかるか」や「どの場所に設置したらいいか」ではないでしょうか。まずはトイレを2つ設置する際の費用目安や、一般的な設置場所について紹介します。

注文住宅のトイレ【トイレの種類と製品】

設置費用

一般的に2つ目のトイレを設置する際にかかる費用は、50~100万円程度が目安となります。金額に幅があるのはトイレ本体のメーカーおよびグレードや配管の距離などによって、かかる金額が変わるからです。特に気を付けたいのが配管の距離で、1メートルにつき1万円ほどが費用目安です。コストを抑えたい方は1階のトイレの真上に2階のトイレを設置して配管の共有部分を増やすなど、できるだけ短い距離になるように工夫すると良いでしょう。

なお、リフォーム時にトイレを増設することも可能ですが、新たに配管を設置するのに手間がかかるため、新築時に設置するよりコストは高くなりやすいです。トイレを2つ設置する必要性を感じる場合は、できるだけ新築時に検討しましょう。

設置場所

トイレを2つ設置する際の設置場所として一般的なのは、1階と2階に1つずつ設置するパターンです。先述のように、1階のトイレの真上に2階のトイレを設置すると必要な配管が短く済むので、コストを抑えやすくなります。なお、2階にトイレを設ける場合、寝室の近くにあるとなにかと便利ですが、トイレを使用中の音やニオイが寝室まで届いてしまう恐れがあります。そのため、寝室に近い場所にトイレを設ける際は、防音・防臭対策が必要になる点に留意してください。

注文住宅にトイレを2つ設置するメリット

2つ目のトイレを設置するにはそれなりの費用がかかりますが、設置することで得られるメリットがあるのも確かです。そこで、ここからは注文住宅にトイレを2つ設置するメリットを紹介していくので、確認していきましょう。

家族でトイレの渋滞を減らせる

トイレの数が多いと、いわゆるトイレ渋滞を減らせるのがメリットです。朝の通勤・通学は家族で同じ時間帯になりやすく、支度時間が重なってしまうこともあるでしょう。家族が同じタイミングでトイレを使おうとすると、どちらか一方はトイレを我慢する必要があり、家を出る時間が遅くなって遅刻の原因になるかもしれません。トイレが2つあればトイレ渋滞が起こる可能性が低くなるので、朝の準備時間を有効に使いやすくなるでしょう。

家族用と来客用で使い分けられる

トイレを2つ設置すれば、それぞれのトイレを用途別に使い分けることも可能です。例えば友人が遊びに来た場合、家族が使うトイレと来客用トイレを分けておけば、それぞれのプライバシーを保つことができます。来客用トイレをあらかじめ設けておくことで、他人のトイレを使うことに抵抗を感じる方でも、気兼ねなく過ごせるでしょう。また来客があまりない世帯でも、体調不良の家族がいる場合の感染対策用トイレとして使用する方法もあります。

階段を上り下りする負担を減らせる

2階建て住宅の場合、一般的にトイレを1階に設置することが多いですが、2階にいるときにトイレを使いたくなったときは1階まで下りなければならず、当然ながら階段の上り下りが発生します。階段の上り下りは、20~30代などの若者世帯であればそれほど苦にはなりませんが、高齢者や子どもにとってはトイレまでの距離が近い方が便利です。さらに、転倒やおもらしのリスクを防ぎやすくなります。トイレを1階と2階の両方に設置すれば階段の上り下りが不要になり、体の負担やリスクを軽減できます。注文住宅の設計では、自分が年を取った場合や子どもが生まれたときのことまで考えて間取りを考えましょう。

トイレトラブルに対応しやすい

トイレは日常的に使用する設備ですが、故障をまったくしないわけではありません。例えばトイレが詰まったり水が流れなくなったりした場合、トラブルが解消されるまで使用できなくなってしまいます。トイレが1つしかない住宅では用を足すことができず、利便性や快適性が大きく損なわれてしまうでしょう。

トイレが元々2つある住宅であれば、片方が使用できなくなった場合も安心です。年末年始やお盆など、設備業者が長期休みになっているときでも、問題なく過ごせるでしょう。

トイレは1つよりも2つ設置することで、住宅の利便性が大きく向上します。一方で、デメリットもいくつか存在するため、以下ではトイレを2つ設置するデメリットについて解説します。トイレを2つ設置することに前向きな方は、しっかりデメリットも押さえておきましょう。

コストがかかる

トイレを2つ設置するデメリットとして挙げられるのは、コストが高くなってしまう点です。先述のように、トイレの設置費用は50万~100万円ほどが目安で、設置場所によってはさらに高くなる可能性があります。またトイレが2つあると日常の水道代や電気代といったランニングコストや、故障時の設備交換費用が増える恐れがあることも覚えておきましょう。

居住スペースが狭くなる

トイレを2つ設置するときに考えておきたいのが、居住スペースの減少です。トイレを2つ設置するときは1つの場合に比べて、他の部屋のスペースが削られてしまいます。一般的にトイレ1つ分のスペースは最低でも1畳分(約1.62㎡)は必要です。十分な延べ床面積を確保できている場合は問題ないものの、狭小住宅など間取りの工夫が必要な住宅ではトイレを2つ設置するのが難しいケースもあるでしょう。

掃除の手間が増える

トイレが2つあるとさまざまな面で便利ですが、汚れやすい場所である関係上、どうしても掃除の手間が増えてしまいます。小まめに掃除をするのが苦にならない方は問題ありませんが、仕事や育児などが忙しく、なかなか掃除をする時間が取れない方にはあまり向いていません。それでもトイレを2つ設置したい場合は、汚れが付きにくい性能のトイレ本体や壁紙、床の素材を選ぶことが大切です。

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注文住宅でトイレを2つ設置するおすすめのケース

トイレを2つ設置すると、特に家族の人数が多い世帯ほど住宅の利便性が高まりますが、掃除の手間がかかるなどの注意点は気を付けましょう。ここからは、注文住宅でトイレを2つ設置するのに向いているケースを紹介します。

家族の人数が多い場合

トイレを2つ設置することでトイレ渋滞が起きにくくなるメリットは、特に家族の人数が多い世帯ほど感じやすいでしょう。家族の人数が多いほど、出かける前の準備時間が重なりやすく、同じタイミングでトイレに入ろうとする確率が高いからです。トイレが2つあることでトイレ渋滞を緩和しやすくなり、朝の忙しい時間帯でもストレスを感じることなくスムーズに出勤・通学ができます。

介護が必要な家族がいる場合

介護が必要な家族と一緒に住む場合も、トイレが2つあると便利です。例えば高齢の親と同居するなど、介護が必要な家族と一緒に住む場合は、どちらか1つを車いすでも入れるようなバリアフリーに特化したトイレにすると良いでしょう。また、仮に現時点で介護が必要な家族がいない場合でも、将来的に自身が必要になる可能性も考慮して、あえて新築時にバリアフリー設計のトイレを設置するのも一つの方法です。将来的にリフォームをする必要がなくなり、コストを抑えることができます。

来客が多い場合

親族や友人などが頻繁に来訪する家庭も、トイレを2つ設置すると便利です。トイレが1つしかない住宅では、大人数を集めてホームパーティーを開催するときに、家族ではなく来客のトイレ渋滞が発生する恐れがあります。

またトイレ渋滞が起きなくても、人によっては先に使用した方のニオイを気にすることもあります。気を遣わずに使ってもらうためにも、トイレが2つある方が良いでしょう。定期的に自宅に親族や友人などを招く機会のある家庭ほど、トイレを2つ設置するのが無難です。

No.160 こよない家
No.160 こよない家

実際にトイレを2つ設置した注文住宅の実例を見てみましょう。今回紹介するのは、段差を利用して部屋をいくつかの空間に分けることで、限られたスペースを有効活用できるスキップフロアの住宅です。隣り合わせにトイレを2つ設置して、トイレ渋滞が起きにくいように配慮しています。またどちらでも気兼ねなく使えるように、ほとんど同じデザインを採用しているのも特徴で、トイレを同時に使用したい家族がいる場合も安心です。あえて1カ所にトイレをまとめることで掃除の手間がかかりにくい上、設置時のコストを抑えることに成功しています。

建築実例:No.160 こよない家

実際にトイレを2つ設置した住宅やメリットを把握したことで、自宅のデザインに取り入れたいと考える方も多いでしょう。ここからは、注文住宅にトイレを2つ設置する際に気を付けておきたいポイントについて紹介します。

音やニオイに配慮する

トイレを2つ設置する場合は、どこに設置するかをよく考えましょう。リビングや寝室などの居室に近いトイレは便利な半面、使用時の音やニオイが気になるケースも少なくありません。あまりにも気になる場合は、ドアや便器の種類などで防音・防臭対策をすることも可能ですが、コストが高くなる恐れがあるので慎重に判断しましょう。

メンテナンスしやすい壁・床の素材を選ぶ

上述の通り、トイレが2つあると掃除の際に手間がかかります。掃除ができるだけ簡単に済むように、壁や床に汚れが落ちやすい素材を使用することもポイントです。例えば、水に強い素材であるタイルを使用する方法が挙げられます。デザインとの兼ね合いで壁の下半分だけにタイルを貼ることも可能なので、設計段階で施工会社と相談してみてください。

トイレが2つある間取りを採用することで、トイレ渋滞が緩和されたり、来客時に気兼ねなくトイレを使ってもらえたりするメリットがあります。特に家族が多い場合は、朝の貴重な時間を無駄にしにくくなるので、より快適なおうち時間を実現するためにも検討してみてはいかがでしょうか。今回紹介した建築実例のように、タイセーハウジングでもトイレを2つ設置する住宅の設計が可能です。興味のある方は、ぜひ当社の特徴や実例が記載された各種カタログを資料請求してみてください。