住まいの知恵袋

ハウスメーカーと工務店はどちらが良い?
家づくりに重要な比較ポイント

2025/5/31 公開

ハウスメーカーと工務店はどちらが良い?家づくりに重要な比較ポイント

希望の住まいを実現するために重要なのが、施工会社選びです。家づくりの依頼先としては、大きく分けてハウスメーカーと工務店の2種類があります。しかし、両者の違いがよく分からず、どちらを選べば良いのかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ハウスメーカーと工務店それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説するとともに、8つの視点から両者を徹底比較します。どちらか選ぶ際のポイントも紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

ハウスメーカーと工務店の特徴

家づくりの依頼先として、ハウスメーカーと工務店は比較されることが多いです。まずは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

① ハウスメーカーとは

ハウスメーカーとは、自社ブランドを掲げて全国規模で事業展開する住宅会社のことです。多くのハウスメーカーは、規格化した建材を自社工場で生産し、現場に搬入する方式を採用しています。建材を大量生産できるため、品質が安定しやすく、工期も比較的短いのが特徴です。

② 工務店とは

一方の工務店は、特定の地域に密着して家づくりを行う建築会社です。多くは小規模経営ですが、中にはフランチャイズで全国展開している会社や、複数の営業所を展開する中規模経営の会社も見られます。新築だけではなく、増改築やリフォームなどの幅広い工事に対応する工務店も少なくありません。

③ メリット・デメリット

ハウスメーカーと工務店には、異なるメリット・デメリットがあります。以下で、それぞれ順番に見ていきましょう。

ハウスメーカーのメリット・デメリット

ハウスメーカーの多くは、全国展開する大手企業です。そのため、テレビCMや新聞広告などで見かける機会も多く、高いブランド力を誇ります。自社工場で建材を大量生産できるため、品質や供給が安定しやすいのもメリットです。加えて、設計や施工がマニュアル化されているため、工務店と比較して工期を短縮できるケースが多いでしょう。
一方で、全国展開のための広告宣伝費や保証にかかる費用などが上乗せされるため、コストが高くなりやすい点がハウスメーカーのデメリットといえます。マニュアルがしっかりとしている反面、細かな要望には対応できない可能性がある点にも注意が必要です。

工務店のメリット・デメリット

地域密着の工務店は、ハウスメーカーのような広告宣伝をほとんど行わないため、建築費用を低く抑えやすい点が魅力です。建材や施工の規格化もそれほど行われていないので、好みに合わせた自由度の高い家づくりを進めやすいのもメリットといえます。地域密着で担当者の異動が少ないのも工務店の特徴であり、相性の良い担当者と出会えば、長期にわたる信頼関係を築けるでしょう。
一方で、工務店の多くは建材を現場で都度加工するため、どうしても工期が長くなりやすい点は弱みです。また依頼する工務店や担当する職人によって、技術力や品質に差が出やすくなるでしょう。

ハウスメーカーと工務店の違い

ハウスメーカーと工務店の違い

ここではハウスメーカーと工務店の違いについて、会社の規模・対応エリア・品質・価格帯・工期・アフターサービス・設計プランの自由度・倒産リスクの8つの観点から詳しく解説します。

① 会社の規模

ハウスメーカーと工務店では、会社の規模に大きな違いがあります。それぞれの傾向を比較してみましょう。

ハウスメーカー

ハウスメーカーの多くは、全国規模で展開する大企業です。全国の住宅展示場にモデルハウスを持っており、テレビCMを打っている会社も少なくありません。豊富な資金力を武器に、独自の技術や自社工場での安定した生産体制を確立しており、年間数千戸もの戸建て住宅を販売しているメーカーもあります。

工務店

工務店は、地域密着型の小規模な会社がメインです。地域の顧客を対象としている上、経営規模が小さく資金力がそれほどないため、ハウスメーカーのように広告宣伝を大々的に行うことはほとんどありません。住宅展示場へのモデルハウス出展を行っている会社も少なく、情報収集がしにくい場合もあります。

② 対応エリア

ハウスメーカーと工務店では会社の規模が大きく異なるため、対応エリアの広さにも違いが見られます。

ハウスメーカー

前述の通り、ハウスメーカーは全国展開している大企業です。多くの会社は全国各地に営業拠点を持っており、対応エリアは広範囲にわたります。どこに住んでいても高品質な家を建てられる反面、担当者が転勤してしまうケースがある点はネックです。場合によっては、地元のことをよく知らない社員が担当になることもあるでしょう。

工務店

工務店は、地元密着で対応エリアが狭い範囲に限られています。会社によっては広域に対応しているケースもありますが、それでも隣接する県や市までのケースがほとんどです。在籍するスタッフは長年地元で家づくりに携わっているので、地元の風土や事情に詳しく、家の完成後も関係性を維持できます。

③ 品質

次に、ハウスメーカーと工務店の施工品質の違いについて比較してみましょう。

ハウスメーカー

ハウスメーカーの多くは、あらかじめ自社工場で建築部材を加工しています。現場では、搬入された部材を組み立てるだけなので、施工品質が高レベルで安定しやすいのが特徴です。工程や作業内容がマニュアル化されており、仕上げが職人の技術力に左右されにくいことも、品質の安定化につながっています。

工務店

工務店は、職人が現場で一から施工するのが一般的です。そのため、品質の良し悪しは施工する職人の技術力に依存します。またどれだけ高い技術を持つ職人がそろっていたとしても、人の手で作業する以上、品質のムラは発生しやすくなります。

④ 価格帯

施工会社選びでは、コストが予算内に収まるかどうかも重要な判断基準です。続いては、ハウスメーカーと工務店の価格帯を比較してみましょう。

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、工務店に比べて価格が高くなる傾向にあります。大企業ゆえに宣伝広告費や人件費が高く、その分のコストが本体工事価格に上乗せされるからです。独自の最新技術や最新設備を採用している会社では、さらに価格が高くなるでしょう。
ただし、近年ではローコスト住宅を提供する会社も増えており、ハウスメーカー=価格が高いとは言い切れなくなってきています。

工務店

対する工務店は、広告宣伝費や人件費がハウスメーカーに比べて安価なため、住宅の価格も低く抑えられる傾向にあります。なお、工務店は建材や設備を少量で発注するのが基本なので、大量発注できるハウスメーカーのようなコストメリットが働きにくいのが特徴です。ハウスメーカー以上に、建材や設備の価格高騰が住宅価格に影響しやすいため注意しましょう。

⑤ 工期

入居のリミットが決まっている場合、工期がどれくらいかかるのかが気になるところでしょう。ハウスメーカーと工務店では工期にも違いがあります。

ハウスメーカー

両者を比較したとき、工期が短いのはハウスメーカーです。ハウスメーカーは設計や部材が規格化されていることに加え、施工の流れもシステム化されています。決まった型に沿って施工していくため、各工程にかかる時間を短縮することが可能です。延床面積30〜35坪程度の標準的な住宅であれば、工期は3〜3.5カ月程度を見込んでおきましょう。

工務店

一方の工務店は、職人が現場で一から施工していくため、ハウスメーカーに比べると工期は長めです。工期は4〜4.5カ月程度が目安ですが、職人の確保状況や技術力によっては、さらに長い期間を要する可能性があります。

⑥ アフターサービス

念願のマイホームで長く快適に暮らしたいのであれば、アフターサービスの充実した施工会社に依頼したいところです。ハウスメーカーと工務店を比較すると、アフターサービスにも異なる特徴があります。

ハウスメーカー

ハウスメーカーのアフターサービスは標準化されており、全般的に充実している傾向にあります。住んでいる間に担当者が変更になったとしても、マニュアルにのっとり、手厚いサポートを受けられるでしょう。24時間365日対応のサポートセンターを設けている会社もあり、万が一のときでも迅速な対応が期待できます。

工務店

工務店のアフターサービスは、会社ごとに独自性があります。ハウスメーカー並みの手厚いサービスを提供している会社がある一方で、サポートがあまり充実していない会社もあるのが実情です。しかし、地域密着型で担当者や職人が常に近隣にいるため、困ったことがあればすぐに駆け付けてくれるかもしれません。標準化されていない分、柔軟な対応を期待できるのが工務店のアフターサポートの良さです。

⑦ 設計プランの自由度

設計・施工が規格化されているハウスメーカーと、物件ごとに一からつくり上げる工務店では、設計プランの自由度にも違いが見られます。それぞれの特徴を比較してみましょう。

ハウスメーカー

先述の通り、ハウスメーカーは工法や建材がある程度規格化されており、設計も標準プランをベースに検討するのが基本です。この場合、ハウスメーカーが用意したプランの中から、自分たちの希望に近いものを選んでいくことになります。
より自由度の高い家づくりを希望するのであれば、完全自由設計が可能なハウスメーカーを選ぶと良いでしょう。

工務店

工務店の場合、特に標準仕様が定められていないケースが多く、使用する建材や外観デザイン、間取り、住宅設備などを一から考えられます。標準仕様をベースにプランを決めていくハウスメーカーと比較した場合、工務店の方がプランの自由度は高いといえるでしょう。また工務店であれば、独自性の強いプランでも対応してもらえる可能性があります。

⑧ 倒産リスク

施工会社を選ぶ上で、その会社が倒産してしまわないかが不安になる方も多いのではないでしょうか。ハウスメーカーと工務店では、倒産リスクにも明確な差があります。

ハウスメーカー

両者を比較した場合、ハウスメーカーの方が総じて倒産リスクは低いといえます。経営規模の大きいハウスメーカーは、資金力や経営基盤もしっかりとしているからです。そのため、工事中やアフターサービス期間中に会社が倒産して、サービスを受けられなくなるリスクも小さいでしょう。

工務店

一方、工務店は小規模経営の会社が多く、ハウスメーカーよりも倒産リスクは高めです。工務店に依頼する際は、経営に問題がないかを事前に見極めるとともに、住宅完成保証制度に加入しているかどうかをチェックしておくと良いでしょう。
住宅完成保証制度とは、施工会社の倒産により新築工事を進められなくなったとき、生じた損失の一部を住宅保証機構が保証してくれる制度のことです。希望すれば、残工事を引き継ぐ会社をあっせんしてもらうこともできます。

ハウスメーカーか工務店を選ぶ際のポイント

ハウスメーカーか工務店を選ぶ際のポイント

ここまで、ハウスメーカーと工務店の違いについて見てきましたが、実際に施工会社を決める際は何を基準に選べば良いのでしょうか。最後に、選び方のポイントを5つ紹介します。

① 希望の住宅をイメージしておく

ハウスメーカーと工務店の2つの軸で比較してきたものの、施工会社を選ぶ際は、あくまでも自分たちの希望をかなえられる会社かどうかが重要です。
ハウスメーカーも工務店も、会社によって得意とする間取りやデザインなどが異なります。どのような家に住みたいのか、何にこだわりたいのかを明確化した上で、イメージを形にしてくれる会社を選ぶと良いでしょう。

② 優先順位を決める

家づくりにかけられる予算が限られている以上、こだわりたい部分や希望する条件を全てかなえることは難しいものです。予算内で満足度の高い住まいを実現するには、必要な設備や、あったら良いと思う設備など、希望条件ごとの優先順位を決めておきましょう。
優先順位の高い項目で条件の合う会社を選べば、たとえ妥協せざるを得ない項目があったとしても、後悔しにくくなります。

③ 信頼できる会社を選ぶ

家づくりは長期にわたる上、住み始めてからも数十年にわたってアフターサポートを受けることになります。それだけに、信頼できる会社かどうかの見極めも大切です。公式Webサイトに掲載されている理念やポリシー、口コミ情報などを参考にするとともに、相談時に担当者との相性もチェックしておきましょう。

④ 建築実例を確認する

自分たちの好みのデザインや設計を形にできる会社かどうかを判断するには、その会社の建築実例を確認するのがおすすめです。建築実例は、各社のカタログや公式Webサイトなどでチェックできる他、モデルハウスや現地見学会といったイベントでも確認することができます。
希望するイメージと建築実例を照らし合わせることで、会社選びの条件を絞りやすくなるでしょう。

⑤ 複数社に見積もりを依頼する

予算内でできるだけ希望に沿った住宅をかなえるためには、複数の建築会社に見積もりを依頼し、横並びで比較することが重要です。同じ施工内容でも、建築会社によって費用感は異なります。複数社の見積もりを見比べることで、費用の妥当性を見極めやすくなります。
単に見積もり額が安い会社を選ぶのではなく、価格とプラン内容のバランスが良い会社を選ぶと、満足度の高い家づくりを実現できるでしょう。

希望のマイホームを実現するならパートナー選びを慎重に

ハウスメーカーと工務店には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。どちらが良い・悪いではなく、自分たちの希望条件や予算に合った会社を選ぶことが大切です。信頼できるパートナー選びが、希望の住まいをかなえるための大きな一歩になるでしょう。
タイセーハウジングは、厚木・世田谷エリアを中心に、地域密着型で数多くの注文住宅を手がけてきた工務店です。品質・価格・デザイン全てのバランスが整った住まいをご提供するとともに、最長60年の建物保証をはじめとした7つの安心住宅保証で、お引渡し後の快適な暮らしもお約束します。
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