2025/3/15 公開
注文住宅は自由度が高い分、間取りやデザイン、設備選びに迷うことも少なくありません。しかし、しっかりとしたコンセプトがあれば、家作りの方向性が明確になり、統一感のある住まいを実現できます。
本記事では、コンセプトを決める意義や決め方、注意点を具体的に解説します。こだわりのコンセプトがあったからこそ実現した素敵な実例も紹介しますので、家作りを成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
注文住宅を建てる際、明確なコンセプトを決めておくのは希望の家作りに欠かせません。指針があると迷いが減り、統一感のあるデザインや設備選びにつながります。本章では、コンセプトを決めておく意義やメリットを解説します。
しっかりとしたコンセプトは、家作りに迷ったときの指標になります。家を建てるときは、営業担当者や設計士、インテリアコーディネーターなど多くの人が関わります。各専門家からのアドバイスを踏まえ、家族の意見も取り入れてまとめなければなりません。
いろいろな意見を聞くと迷いが生じますが、コンセプトを決めておけば判断しやすくなります。予算がオーバーしそうなときでも、コンセプトに沿って建具や設備のコストを調整することが可能です。営業担当者や設計士からの提案も、コンセプトが明確な方が的確なものが期待できるでしょう。
統一感のある家ができることも、コンセプトを決めておくメリットです。注文住宅では、間取りはもちろん、屋根材や外壁、床材、壁紙、設備に至るまで、全てを一から選んでいきます。
コンセプトが曖昧なまま進めると、素材や色味がバラバラになりかねません。「温もりある北欧風」「落ち着いたモダンテイスト」など、あらかじめコンセプトを明確にしておけば、デザインの軸がぶれずに希望の住まいを実現できるでしょう。
コンセプトを決めておくと、設備や内装、家具の選択がスムーズになります。例えば、「ナチュラルな雰囲気」を目指すなら、無垢材の床や木製の家具が適しているでしょう。コンセプトが定まっていることで、一貫したデザインの住まいを作れます。
ハウスメーカーや工務店は、会社ごとに得意とするデザインや対応できる仕様が異なるのが一般的です。「シンプルモダンな家にしたい」「和の趣を取り入れたい」といった明確なコンセプトがあれば、自身が選ぶべき施工会社を絞り込みやすくなります。
コンセプトを固めておけば、失敗するリスクを軽減できます。注文住宅では、完成後に「もっとこんな風にしたかった」と後悔するケースが少なくありません。間取りやデザイン、設備選びで迷い、途中で方向性がぶれてしまうと、希望とは異なる仕上がりになってしまうためです。
一方、あらかじめコンセプトを決めておけば、必要な要素が明確になります。一貫した基準で建具や設備を選べるため、後悔の少ない住まいを実現できます。
希望の注文住宅を建てるには、コンセプトを明確にする必要があります。ここでは、コンセプトを決める際に基準とするべきポイントを4つ紹介します。
注文住宅のコンセプトを決める第一歩は、「どのような暮らしをしたいのか」を考えることです。まず、希望の生活スタイルを自由に書き出します。
例えば、次のようなイメージです。
この時点では、「リビングは12帖にする」といった具体的な間取りや仕様、予算や実現可能性などを考える必要はありません。イメージを思い付くままに書き出すのがポイントです。次に、書き出した内容を元に、複数のハウスメーカーや工務店に相談します。この段階で、実現可能性や予算面での判断基準が明確になってきます。
希望の家を作るには、今の住まいの「不満点」と「満足点」を整理することが重要です。まず、不便に感じている点をリストアップしてみましょう。
例えば、次のような例が考えられます。
このように日常生活でストレスになっているポイントを明確にすると、新居での改善点が見えてきます。
一方、現在の住まいで満足している点も整理しましょう。「キッチンからリビングが見渡せる」「南向きの部屋が明るくて気持ちいい」といったお気に入りの要素を新居に生かすことで、より快適な住まいを実現できます。
どのような暮らしをしたいのかを考え、今の家の不満点や満足点を挙げることで、希望の住まいのコンセプトが見えてきます。ただ、全ての希望を叶えることは予算や敷地の制約から難しいため、優先順位を決めることが大切です。
優先順位は以下の3段階で整理すると良いでしょう。
例えば、「広いリビングは必須」「収納はできるだけ増やしたい」「書斎はなくても問題ない」というように分類すると、予算や条件に応じた判断ができ、後悔のない家作りが実現できます。
家のテイストを決めることも、希望の住まいを実現する上で重要です。テイストが明確でないと、統一感のない仕上がりになってしまいます。ハウスメーカーや工務店によって得意なデザインが異なるため、事前に方向性を固めておくと、施工会社選びもスムーズになるでしょう。
家のテイストでは、次のものが挙げられます。
家族でイメージを共有し、好みの雰囲気を話し合ってみてはいかがでしょうか。「ナチュラルモダン」や「ヴィンテージカフェ風」など、複数のテイストを組み合わせることも可能です。テイストを明確にすると設備や内装の選択がスムーズになり、希望の住まいが実現しやすくなります。
注文住宅のコンセプトを決めるのは、希望の家作りに欠かせません。ただし、決め方を誤ると失敗することもあるため、家族の希望を整理しつつ、現実的な視点も持つことが大切です。コンセプトを決める際のポイントや注意点を解説します。
希望の家を実現するには、ハウスメーカーや工務店との信頼関係が欠かせません。家作りは家族だけでなく、専門家と連携しながら進めていくものです。要望にしっかり応えつつ、適切に提案してくれる施工会社を選ぶことが重要です。
信頼できる会社かどうかを見極めるポイントは、提案力だけではありません。できないことははっきりと伝え、代替案を提示できるかどうかも大切です。対応が難しい場合はデメリットを含めて説明し、判断しやすくしてくれる会社なら安心できます。質問しやすい雰囲気があるかどうかも重要です。
また建築後の定期点検やアフターサポートも確認しておきましょう。住み始めてからの対応がしっかりしているかを見極め、安心できるパートナーを選んでください。
家を希望通りに建てることは大切ですが、予算内で実現することも重要です。どれだけ素晴らしい設計でも、予算をオーバーしては意味がありません。
設備や仕様は、本当に必要なものか、グレードを下げても満足できるか、代替案はあるかを冷静に検討しましょう。限られた予算の中で、何を優先すべきかを見極めることが、後悔のない家作りにつながります。
家作りでは、設備や内装、外装のデザインだけでなく、機能性とのバランスを考えることが重要です。見た目が魅力的でも、使いにくかったり、メンテナンスの負担が増えたりすると、不便を感じたり、余計な費用がかかる原因となります。
例えば、デザイン性は高くても掃除がしにくい設備もあれば、初期費用は高いものの耐久性に優れ、長期的なコスト削減につながる製品もあります。見た目だけでなく、実際の使い勝手やメンテナンスのしやすさも考慮し、長く快適に暮らせる家作りを目指しましょう。
コンセプトを明確にすることで、希望の住まいが実現しやすくなります。ここでは、コンセプトを元にした家作りに成功した実例を紹介します。それぞれのこだわりや工夫をぜひ参考にしてください。
最初にご紹介するのは、「裸足でも気持ちいい自然素材にこだわった家」です。人にも環境にも優しい素材を取り入れた心地よい住まいとなっています。
外観は落ち着いたモスグリーンの壁に植栽を組み合わせ、自然と調和するおしゃれなデザインです。室内に入ると、素足で歩きたくなる無垢のフローリングが広がり、温もりを感じます。空気をきれいにする機能性エマルジョン塗料「パーシモン」を採用し、快適な室内環境を実現しました。
キッチンに立つと、視線の先には開放的な中庭が広がり、家全体で自然を感じられる設計です。リビングには大きな窓を2か所に配置し、中庭とのつながりを意識することで、より広がりのある空間となっています。この窓により階段ホールの圧迫感も軽減されています。吹き抜けを活用した自然な風が流れる心地よい空間も、住まいの魅力を高めているポイントです。
ご紹介した家は厚木市内でモデルハウスとして公開しています。ご予約いただければ平日の夜でも見学可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
こちらから豊富な写真や間取りをご確認いただけます。
次にご紹介するのは、採光にこだわって建てられた住まいです。お客さまはマンション暮らしで手狭さを感じ、住み替えを決意。土地探しから家作りまで、タイセーハウジングがサポートしました。
都心部では広い土地の確保が難しく、十分な採光の確保が課題になります。そこで、2階リビングに勾配天井を採用し、高窓を設置することで、光がたっぷり降り注ぐ明るい空間を実現しました。リビングは開放感があり、より広がりを感じられる設計となっています。
高気密・高断熱にもこだわり、冬でも室内は暖かく、ご家族は半袖短パンで快適に過ごせるほどとのことです。ただ暖かいだけでなく、夏の暑さ対策としてベランダに大きめの軒を設け、直射日光を遮る工夫も施しました。リビングが居心地の良い空間のため、お子さまは自室よりもリビングで過ごす時間が多いそうです。
写真やお客さまの声を紹介した記事はこちらからご覧ください。
「老後の快適な暮らし」をコンセプトに設計された平屋のガレージハウスをご紹介します。外観は美術館のような洗練されたたたずまいとなっており、ガレージはビルトインタイプで室内へ直接アクセスできる便利な設計です。内装はフェラーリと同じ赤と黒を基調とし、シャッターを開けると外観とは一変した印象を与えます。
室内はガレージの雰囲気とは対照的に、温かみのあるインテリアです。大きな窓からは日差しが奥まで差し込み、開放的な空間を演出します。熱がこもらないようシーリングファンを設置し、快適性も高めました。寒い冬でも素足で歩ける無垢材の浮造りフローリングを採用し、心地良さにもこだわっています。
水回りは将来手すりを設置しても圧迫感が出ないよう、広めに設計しました。キッチンから勝手口へ直結し、ゴミ出しや洗濯時の動線をスムーズにする工夫も施されています。
間取りや動画、写真でも確認できますのでぜひ参考にしてください。
コンセプトは「太陽とあそぶ 屋上庭園のある家」です。家にアウトドアリビングを作り、楽しさと癒しの時間をプラスしました。
玄関を入ると、すぐに手洗い場があり、お子さまが自然と手を洗う習慣を身に付けられます。LDKはまるでカフェのような空間としました。小上がりの畳スペースがアクセントとなり、お昼寝や遊び場、くつろぎスペースとしても活用できます。
水回りを2階に集約することで、LDKを広々と確保したのもポイントです。洗濯物をすぐにベランダに干せるため、家事の負担が軽減されます。
2階から階段を上って広がるのは、屋上庭園です。芝生のスペースでは子どもたちが遊んだり、ミニキャンプを楽しんだりと、アウトドア気分を満喫できます。掃除しやすいタイルを敷くなど、使い勝手にもこだわりました。プライベートな空間ながら、太陽の下で開放感を存分に楽しめる、家族みんなが笑顔になれる住まいです。
厚木市温水西にあるモデルハウスで、ご予約いただければ平日の夜でも見学可能です。ぜひ気軽にお問い合わせください。
写真や動画などをこちらからご確認いただけます。
サンタフェ、メキシコ、そして寝室はモロッコ風―。そんな異国情緒あふれるコンセプトを元に、こだわり抜いた住まいをご紹介します。譲れなかった条件は、1階に事務所と車2台を収めるスペースを確保すること。お客さまは「ここなら希望の家を建てられる」と感じ、当社に依頼してくださったそうです。
リビングには床暖房を設置し、日当たりを確保することで、一年中快適な空間を実現しています。ご夫婦お気に入りのルーフバルコニーでは、友人を招いてバーベキューを楽しむことも多く、特別な場所になっています。
外観・内装にもメキシコのエッセンスを散りばめました。メキシコから買い付けた太陽の装飾を外壁に取り付け、インテリアにはサボテンを配置するなど、細部までこだわっています。希望通りのデザインが実現し、予算は少しオーバーしましたが、「理想の家ができた」と満足していただいています。
写真やお客さまインタビューをこちらからご確認いただけます。
次に、「自然と人が集まり、家族が一つになれる家」をコンセプトにした住まいをご紹介します。家族が集まる2階リビングを広く確保するため、1階の各部屋はコンパクトにまとめ、効率的な間取りにしました。
2階には勾配天井を採用し、開放感のあるロフトを設けています。収納スペースとして活用できるだけでなく、子どもたちの遊び場としても機能し、家族の生活に楽しさを加えました。
ご家族にお気に入りの場所を尋ねたところ、ご主人はリビングにある腰掛けられるタイル、奥さまはキッチンからの眺めやパントリー、お子さまはロフトと、それぞれが心地よいと感じる空間があります。結果的に、くつろぎの場が自然とリビング周辺に集まる設計となっています。
また、収納や棚を適所に配置したことで、家族全員が片付けを意識しやすくなり、常にすっきりとした空間を維持できるようになりました。日当たりの良さを生かしながら、温水ヒーターを導入することで、冬でも一日中暖かく快適に過ごせる住まいになっています。
お客さまの声や画像はこちらからご確認ください。
リビングを中心に、家族が一つに。自然素材に囲まれた“心地よい家”
最後にご紹介するのは、モダンな雰囲気に和の要素を「一滴」取り入れた、こだわりの住まいです。お客さまの希望は、洗練されたインテリアの中に、日本の伝統的な落ち着きを感じられる空間を作ることでした。
そこで、小上がりの畳スペースを設け、空間に立体感とアクセントを加えています。階段は緩やかで広めに設計し、お子さまが安全に上り下りできるよう配慮しました。階段横には畳と一体化したスペースを設置し、上り下りの際の落下防止だけでなく、収納としても活用できる工夫を取り入れています。
特にこだわったのは、2階リビングと吹き抜けの採用です。吹き抜けを設けることで、高窓からの採光を確保し、明るく開放的な空間を実現しました。吹き抜け天井の色を変えることで空間のメリハリを強調し、より洗練された印象に仕上げています。
さらに、収納力を確保するためにオープンなファミリークローゼットを設置しました。高気密・高断熱の仕様により、一日中暖かさを保てる快適な環境が整い、お客さまにも大変満足いただいています。
こちらでお客さまの声や画像をご紹介しています。
希望の住まいを実現するには、コンセプトを明確にすることが大切です。どのような暮らしをしたいのかを整理し、優先順位を決めると、後悔のない家作りが可能になります。ハウスメーカーや工務店によって得意なデザインや対応できる仕様は異なります。希望する条件の下で最大限の間取りを提案できる施工会社を選ぶことが重要です。
タイセーハウジングは、神奈川県厚木市や東京都世田谷区に拠点を構える工務店です。地域に根ざした家作りを行い、これまでに1,000棟以上の住まいを手掛けてきました。土地探しから間取りの提案、施工まで、一貫してお客さまの希望に沿った最適なプランをご提案します。コンセプトに迷われている方は、専門スタッフが寄り添いながら方向性を一緒に考えるタイセーハウジングに、ぜひご相談ください。