2025/4/4 公開
世田谷区は東京23区の中で最も人口が多く(※)、緑豊かな自然の中に閑静な住宅街が広がっている街です。世田谷区に家を建てて暮らしたいと考えているのであれば、どのような家にするのかを考えると同時に、住みやすいエリアはどの辺りなのかが気になる方もいるでしょう。家を建てる場所を考える際は、事前に家族のライフスタイルに合っている街なのかを調べておくのがおすすめです。
本記事では世田谷区の魅力や費用相場、区内で特に住みやすいエリアなどを紹介していきます。世田谷区に家を建てたい方は、本記事を参考にして希望の暮らしをかなえてください。
世田谷区の住みやすさを知るためには、まずは街の基本的な情報を知ることが大切です。ここでは、世田谷区の人口や交通、治安などの基本情報を紹介します。どのような施設があるのかも紹介していきますので、家族にとって世田谷区が住みやすい街であるのかを確認してみてください。
世田谷区は東京23区の中の一つであり、23区の南西部に位置します。面積は区内第2位の広さです(※)。太平洋側気候に属しますが、夏と冬の気温差が大きい内陸性の気候に近く、平均的な気温は都心とさほど変わりません。
世田谷区は世田谷地域・北沢地域・玉川地域・砧地域・烏山地域の5つの地域に分けられています。緑豊かな街であり、区内の多くを住宅街が占めているのが特徴です。
世田谷区の人口は、令和7年3月1日時点で92万2,947人で、先述の通り、東京23区の中で最も人口が多い区です。令和7年3月1日時点の15歳未満の人口は10万304人であり、総人口の約11%を占めています。
世田谷区の5つの地域別の人口を見ると、地域別では、世田谷地域の人口25万4,205人が最も多く、烏山地域の人口12万286人が最も少なくなっています。
世田谷区は、交通網が充実している街です。区内には私鉄3鉄道8路線(東急東横線は線路のみ)が乗り入れ、41駅の鉄道駅があります。バスは東急バス・小田急バス・京王バス・都営バス・関東バス・小田急シティバスなどの路線が走っており、移動がしやすい環境です。
また世田谷区の道路網も発達しており、首都高をはじめ甲州街道、玉川通、環八通り・第三京浜中央自動車道などがあります。マイカーを所有していると、区内はもちろん区外への移動にも便利です。一方でマイカーを所有していない場合でも、鉄道とバスの交通網が充実しているため、快適で暮らしやすい街といえるでしょう。
世田谷区は、安政の大獄に関わった井伊直弼と吉田松陰のゆかりの地です。江戸時代、世田谷区は彦根藩である井伊家の領地となりました。大正時代に入ると鉄道が発達し、関東大震災が起きた影響によって、都心から世田谷区へと移住してくる人が多くなり、住宅地が増えていったのです。
吉田松陰が祀られている松陰神社と、井伊直弼の菩提寺である豪徳寺は、世田谷区の歴史を感じられるスポットとして有名です。また1964年に東京オリンピックの会場となった駒沢オリンピック公園も人気のスポットであり、さまざまなスポーツが楽しめます。
世田谷区では、地域の方々に親しまれている多くのイベントが開催されています。特に、安土桃山時代からの歴史を持つボロ市は東京都指定無形民俗文化財にも指定されており、全国的にも認知度の高いイベントです。さらに、羽根木公園梅祭りや二子玉川の花火大会などの季節が感じられるイベントも開催されています。世田谷区は、歴史と季節が感じられる街といえます。
暮らしたい街に、近くに気軽に立ち寄れる商業施設や医療施設などがそろっているのかも気になるポイントです。あらかじめ、街にはどのような施設があるのかを知っておきましょう。ここでは、世田谷区で生活していく上で役に立つ施設を紹介していきます。
生活する上で欠かせないのが買い物施設です。世田谷区には、複合型商業施設の二子玉川ライズや、大型ショッピングモールのキュープラザ二子玉川などの大型商業施設があります。
また食料品から医療雑貨、生活用品までが手に入るオーケー新用賀店やライフ桜新町店などの大型スーパーもあります。
その他、スーパーやコンビニなどの施設は区内各地に点在しているので、どのエリアに住んだとしても日々の生活には困らないでしょう。
世田谷区には、家族が急な病気やけがに遭ってしまったときに対応できる医療施設が整っています。東京都立松沢病院や関東中央病院は、充実した診療科を備えた総合病院です。国立高度専門医療研究センターである国立成育医療研究センターもあり、地域の方々の健康を支えています。
その他区内には、つだ小児科クリニックやさくら小児科などの小児科クリニックから、内科小久保医院やひらくクリニックなどの内科クリニックも点在しています。
大きな病院は比較的本厚木エリアに集結していますが、小児科や内科は区内各地に点在しているので、子育て世帯にもおすすめの街です。
世田谷区は、駅前に子育て施設が充実しているのが特徴です。経堂駅から徒歩7分のところにある「子ども・子育て総合センター」では、就学前の親子が触れ合える場を提供したり、重症心身障害児とその家族の支援を行ったりしています。また区内にある5つの子育てステーションでは、子育ての相談や一時預かりの利用が可能です。さらに区内には児童館が点在しているので、子育て世帯にとって心強い街といえるでしょう。
また区内には東京農業大学 「食と農」の博物館や、世田谷文学館などの学びながら遊べる施設も充実しているのが魅力です。子ども向けの企画展やイベントも各地で開催されているので、親子でのお出かけにおすすめです。
安心して暮らすためにも、街の治安は気になるポイントです。警視庁が公表している東京都の犯罪発生状況によると、令和7年1月における世田谷区の犯罪発生件数は362件でした(※1)。東京23区の中で比較すると犯罪発生件数が多い傾向に見えますが、区内で最も多い人口数であることを考慮すると、犯罪発生率は低い方であるといえます。
また世田谷区における町丁別の刑法犯認知件数を見ると、特に成城学園前、祖師ヶ谷大蔵、田園調布エリアは犯罪件数が少ない傾向です(※2)。
世田谷区では、24時間安全パトロールや災害・犯罪情報メール配信サービスなどを実施し、区をあげて区民の安全を守っています。さらに繁華街がなく、閑静な住宅街が広がっていることを考慮しても、世田谷区は治安が良いといえます。
※1参考:警視庁.「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」(参照 2025-3-18)
※2参考:世田谷区.「区内の犯罪発生状況と防犯対策」(参照 2025-3-18)
仮に世田谷区の賃貸物件に住むとしたならば、どのくらいの家賃が必要なのでしょうか。駅から徒歩5〜10分以内の場所にある築年数5年以内の物件を条件とした、建物種別におけるそれぞれの間取りの家賃は以下の表の通りです。
マンション | アパート | 一戸建て・その他 | |
---|---|---|---|
1K | 10.1万円 | 8.4万円 | 9.5万円 |
1LDK | 15.3万円 | 13.1万円 | 19.2万円 |
2LDK | 20.9万円 | 17.3万円 | 25.8万円 |
3LDK | 27.9万円 | 25.3万円 | 29.9万円 |
4LDK | 36.7万円 | ─ | 34.9万円 |
暮らす人のライフスタイルによって、住みやすい間取りと賃料は異なります。例えば、1人暮らしの学生が住みやすい物件である1Kのアパートだと、駅から徒歩15〜20分以内にある築15〜20年の物件の賃料相場は6.7万円です。また単身者が住みやすい1LDKのマンションだと、駅から徒歩5〜10分以内にある築10〜15年の物件の賃料相場は14.2万円になります。さらに、子育て世帯が住みやすい2LDKのアパートだと、駅から徒歩5〜10分以内にある築5〜10年の物件の賃料相場は16.1万円です。
上では世田谷区の交通アクセスや施設、治安などの基本的な情報から住みやすさを紹介してきました。基本情報を把握した上で、具体的にはどのような点が住みやすいのかを確認しましょう。ここでは、世田谷区の住みやすさが分かる街の魅力を紹介します。
世田谷区は、首都圏内における住みたい街ランキングで常に上位を維持し続けています。人気の街である理由は、生活利便性が高いにもかかわらず、緑に囲まれた自然豊かな環境であるからです。
前述の通り、世田谷区は、都心主要駅までの交通アクセスが良好です。さらに大型商業施設が集結した二子玉川エリアや三軒茶屋、下北沢エリアがあり、区内には普段のお買い物に便利なスーパーが点在しています。
一方で、世田谷区内は緑地面積を占める割合が高く、自然環境にも恵まれているのが魅力です。生活の利便性と自然の豊かさのバランスがちょうど良い街であるといえます。
世田谷区は、東京都の西側部分に広がる武蔵野台地の中にあります。武蔵野台地とは、火山灰からなる高台の平坦地のことです。安定した地盤を持っているので、地盤沈下や地震、液状化、水害などの災害リスクにも強いとされています。世田谷区は、東京都内の湾岸エリアや低地と比べても、地盤が強いエリアといえます。
地震大国である日本で注文住宅を建てる際には、地盤の強さも重要なポイントの一つです。地盤の強い世田谷区だと、安心して家を建てられるでしょう。
年少人口数が多い世田谷区には、区立幼稚園や認定こども園、認可保育園などの保育施設が充実しており、令和2〜4年までは3年連続待機児童ゼロを達成しました(※)。また、自然豊かな区内には、子どもたちが遊べる公園が点在しています。
さらに、妊娠・出産のサポート体制にも力を入れているのも街の魅力です。例えば、フィンランドを参考にした、妊娠期から就学前まで切れ目なくサポートを行う活動「世田谷版ネウボラ」を実施しています。世田谷区は妊娠期から就学前まで、安心して子育てをしながら暮らせる街だといえるでしょう。
世田谷区で家を建てると、どのくらいの費用が必要なのでしょうか。まずは、土地付注文住宅における、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査の2023年度における全国平均を見てみましょう。全国平均だと土地付注文住宅の住宅面積は111.2㎡、敷地面積は208.1㎡で、建設費は3,405.8万円、土地取得費は1,497.6万円です(※1)。
不動産・住宅サイトSUUMOによると、世田谷区の土地価格相場の坪単価は307.7万円となっています(※2)。全国平均である住宅面積の111.2㎡の土地を世田谷区で購入すると仮定した場合、土地取得費は約1億350万円と算出されます。
次に、東京都の建築費相場を見ていきましょう。政府統計ポータルサイトe-Start「建築着工統計調査 建築物着工統計」によると、東京都で居住専用住宅を木造で建てた場合の1棟当たりの平均床面積は約110㎡(約33.27坪)、建築費の平均坪単価は約72.3万円と算出されます。東京都における建築費相場は約2,405万円です(※3)。
世田谷区で土地付注文住宅を購入する場合、土地取得費の約1億350万円と建築費相場の約2,405万円を合わせた約1億2,755万円が必要となります。
※1参考:住宅金融支援機構.「2023年度 フラット35利用者調査」(参照 2024-7-24)
※2参考:SUUMO.「世田谷区(東京都)の土地価格相場情報」(参照 2025-3-18)
※3参考:e-Start.「建築着工統計調査 建築物着工統計」(参照 2025-1-31)
世田谷区の面積の広さは、東京23区の中でも2番目の広さです。広い世田谷区のどのエリアに住もうか迷っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、特に世田谷区における住みやすいエリアを5つ紹介します。
世田谷区の東部に位置する三軒茶屋は、東急世田谷線・東急田園都市線が乗り入れ、都心へのアクセスに優れています。買い物に便利な渋谷や二子玉川エリア、ビジネス街の大手町エリアへのアクセスも良好です。通勤・通学はもちろん、お出かけにも便利な街といえます。
三軒茶屋は、20〜30代の単身者が多く暮らす活気のある街です。繁華街が広がり、カフェから居酒屋までさまざまなジャンルの飲食店が軒を連ねており、グルメが楽しめるのも魅力です。
三軒茶屋駅前に建つキャロットタワーは街のランドマーク的な存在であり、地上26階から東京の夜景が楽しめます。スーパーやコンビニなどの商業施設も充実しているので、普段のお買い物にも困らないでしょう。お出かけやグルメを楽しみたい方にぴったりの街です。
下北沢は世田谷区の北東部に位置し、ファッションや音楽、演劇などが集まるサブカルチャーの聖地として人気の街です。駅前に広がる商店街には古着屋や歴史ある劇場、ライブハウスなどの個性的なお店が軒を連ねています。
下北沢には京王井の頭線・小田急小田原線の2路線が乗り入れています。下北沢と同様にサブカルチャーの街として人気の吉祥寺や、ターミナル駅である渋谷へのアクセスに優れているのが特徴で、小田急小田原線を利用すると神奈川県方面へのアクセスに便利です。
一方で、商店街を抜けると閑静な住宅街が広がり、公園が点在しているのでサブカルチャーに触れながら静かに暮らしたい方におすすめの街といえます。
二子玉川は世田谷区の東南部に位置します。大型商業施設と広々とした公園が充実していることから、特に子育て世帯に人気の街です。
二子玉川には、東急大井町線・田園都市線の2路線が乗り入れており、渋谷・品川方面へのアクセスが良好です。田園都市線を利用すると、神奈川県方面へもアクセスしやすくなります。
再開発が進んでいる二子玉川駅前には、大型複合施設の二子玉川ライズがあり、買い物を楽しむ多くの人で賑わっています。一方で、近隣には自然の景観が楽しめる等々力渓谷や、さまざまなスポーツが楽しめる駒沢オリンピック公園があるのも魅力です。手軽に買い物や公園に出かけたい子育て世帯におすすめの街といえます。
千歳烏山は世田谷区の北西部に位置し、閑静な住宅街が広がっている街です。千歳烏山には京王線が乗り入れています。利用できる鉄道は1路線だけですが、特急が停車する上に新宿駅までのアクセスが良好です。
大きな商業施設はありませんが、駅前に気軽に立ち寄れるコンビニや大型スーパーが点在しているため、普段のお買い物には困りません。また駅前に広がる商店街には、チェーン店やカフェなどのさまざまな飲食店が軒を連ねているので、グルメが楽しめるのも魅力です。
閑静な住宅街には広々とした蘆花恒春園があり、四季折々の植物を観察することができます。都会の喧騒から離れ、静かで落ち着いた暮らしが手に入る街といえるでしょう。
世田谷区の西部に位置している成城学園前は、歴史ある高級住宅街として有名なエリアです。住宅街は建物の高さや道路幅などが定められ、自然と調和した街の景観が保たれています。成城学園前には小田急電鉄小田原線が乗り入れており、新宿までのアクセスに優れています。
閑静な住宅街が広がる成城学園前には、繁華街はなく商業施設は少なめです。しかし駅前にはショッピングモールの成城コルティがあり、スーパーや飲食店なども充実しています。普段のお買い物であれば、駅前で完結できるでしょう。美しい街並みの中で落ち着いた暮らしがしたい方にぴったりの街が、成城学園前エリアです。
ここでは、実際に世田谷区で建てられた家の実例を2つ紹介します。こだわりのある家の間取りをぜひ参考にしてください。
まずは、和の雰囲気が感じられる開放的な住まいです。
2階に吹き抜けのリビングを設置し、1階の間取りは将来的に3部屋に仕切れるように仕上げられています。特に小上がりの和室はアクセントにもなっており、室内に落ち着いた雰囲気を演出しています。ところどころに、和の要素が取り入れられている点にこだわりが感じられる家です。
次に、自然と家族が集まる広々としたリビングと、木のぬくもりが感じられる住まいの事例です。
2階にリビングと勾配天井、そしてロフトを設置することにこだわって間取りを仕上げています。太陽の光がリビングに差し込み、明るく開放的な空間に仕上がっています。自然素材をふんだんに使用し、都心とは思わせないような居心地の良い家です。
世田谷区は都心へのアクセスに優れ、商業施設が充実している街です。一方で緑地面積が多く、自然にも恵まれています。生活の利便性と自然の豊かさのバランスがちょうど良く、子育て世帯にも暮らしやすい街です。
タイセーハウジングは東京都の世田谷区に拠点を置き、地域密着型の工務店として多くのお客さまの家作りのサポートを行ってきました。世田谷区で家を建てたい方は、まずはお気軽に資料請求して建築実例を確認してみてください。遠方の方や忙しくて来店が難しい方にはオンライン面談も実施していますので、ぜひご利用ください。