注文住宅にシアタールームを作るには?
必要設備や導入時の注意点を紹介

2025/1/11 公開

注文住宅にシアタールームを作るには?必要設備や導入時の注意点を紹介

自宅にいながら映画館のような環境で映画を楽しんだり、その場にいるかのように好きなアーティストのライブ映像を鑑賞したりできる、本格的なシアタールームに憧れる方も多いのではないでしょうか。しかし、シアタールームを設置するとなると、費用がどれくらいかかるのか気になるところです。

この記事では、注文住宅にシアタールームを導入する上で必要な設備や費用相場を解説します。導入時の注意点や、実際にシアタールームを導入した建築実例も紹介するので、シアタールーム付きのマイホームを検討している方はぜひ参考にしてください。

注文住宅の憧れの設備として人気のシアタールームですが、自宅に導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、シアタールームがもたらしてくれる3つのメリットを詳しく紹介します。

臨場感のある空間を楽しめる

シアタールームのメリットといえば、映画館さながらの臨場感を味わえることです。大画面のスクリーンで映像を映し出し、高機能のサラウンドスピーカーによる迫力ある音を聞けば、自宅であることを忘れてしまうような没入感に浸れるでしょう。

映画のみならず、好きなアーティストのライブ映像やスポーツ観戦なども、まるでその場にいるかのような感覚で楽しめます。

機器の性能や設置場所によって臨場感の出し方を調整できるので、見たい映像の特性に合わせて自分好みにカスタマイズするのも効果的です。

時間帯を気にせず楽しめる

映画やライブ映像を時間帯に関係なく楽しめるのも、シアタールームの大きな魅力です。

迫力ある大音量で映像作品を鑑賞しようとすると、家族や近隣住民に迷惑がかからないか心配になりますが、自宅に防音設備の整ったシアタールームがあれば、外部に漏れる音を最小限にできるので、夜中でも関係なく大音量で好きな映像を楽しめるでしょう。

また映画館へわざわざ足を運ぶことなく、上映時間も気にせず映画を楽しめる点も大きなメリットです。

映画以外でも楽しめる

シアタールームは音響や防音設備が整っているので、映画鑑賞以外にも多くの活用方法があります。

先述のライブ映像鑑賞やスポーツ鑑賞の他、大迫力でゲームを楽しんだり、思う存分カラオケでストレス発散したり、趣味の楽器演奏を楽しんだりするのも良いでしょう。

シアタールームは室内の音が外に漏れにくいことに加え、外からの音が内部に届きにくいのも特徴です。そのため、静かな環境の中で読書や勉強、仕事に集中するスペースとしても活用できます。

注文住宅にシアタールームを導入する際に必要な設備

いざ注文住宅にシアタールームを導入するとなったとき、必要になる設備は次の通りです。

  • プロジェクター・大型テレビ
  • スクリーン・壁紙
  • スピーカー
  • インターネット設備
  • 防音設備
  • カーテン・ブラインド
  • ソファ・ベッド

各設備の用途やタイプ、選ぶときのポイントなどを見ていきましょう。

プロジェクター・大型テレビ

シアタールームの迫力ある映像を映し出すのが、プロジェクターや大型テレビです。プロジェクターを設置する場合、映像を投影するスクリーンや白い壁が必要になります。プロジェクターには、次のようなタイプがあります。

ポータブル型 持ち運びに適した軽量のプロジェクター
据え置き型 大型で高性能なプロジェクター
天井吊り型 天井から吊り下げるので、省スペースなプロジェクター

シアタールームに常時設置するのであれば、据え置き型または天井吊り型がおすすめです。天井吊り型でスピーカー内蔵のもの、照明と一体化したものなどを選べば、スペースや費用を節約できる場合があります。

大型テレビは画質の良さが魅力ですが、プロジェクターに比べて費用が高い点は注意が必要です。シアタールームに設置する場合、画面サイズは少なくとも50インチ以上、広い部屋なら100インチ程度を目安にすると良いでしょう。

スクリーン・壁紙

上述の通り、プロジェクターを設置する場合にはスクリーンまたは白い壁が必要になります。

スクリーンは、大きく分けて自立式・壁掛け式・吊り下げ式の3タイプがあります。シアタールームでは投影位置を固定するケースが多いため、天井に収納できる吊り下げ式を設置するのが一般的です。

白くて表面が滑らかな壁紙であればスクリーンの代わりになるものの、スクリーンに比べると画質が落ちる点は認識しておきましょう。

スピーカー

臨場感や没入感を楽しみたい場合は、スピーカーはこだわりたい要素の一つです。

省スペースで手軽に設置するには、画面の下にサウンドバーを設置するとよいでしょう。より高音質を追求したい場合は、前後左右に複数台設置して立体的な音響を楽しめるマルチスピーカーをおすすめします。

シアタールームを設置するときには、5.1ch(スピーカー5台・低音専用スピーカー1台)以上の音響設備が人気です。

インターネット設備

Netflixなどの動画配信サービスでドラマや映画を鑑賞したい場合、インターネット環境をしっかり整えておく必要があります。またコードレスのプロジェクターを使う場合も、Wi-Fi環境の整備が必須です。

インターネット回線のある家であれば問題ありませんが、回線を引いていない場合は環境整備が必要です。コンセントに差し込むホームルーターを使う方法もありますが、通信速度は劣るため注意が必要です。

防音設備

時間帯に関係なく大音量で映像鑑賞を楽しむのであれば、防音設備もしっかり整えておきましょう。

しかし、映画館やスタジオのような本格的な防音設備を整備するのは、コストがかかりすぎて非現実的です。自宅のシアタールームで検討したい防音設備としては、次のようなものが挙げられます。

  • 壁や天井への遮音材、吸音材の設置
  • 防音性の高いドアの採用
  • 防音性の高い窓の採用(窓がある場合)

カーテン・ブラインド

外部からの光が差し込むとプロジェクターの映像が見えにくくなってしまうため、窓のあるシアタールームでは、外からの光をできるだけシャットアウトする必要があります。

遮光1級のカーテンなど、遮光性の高いカーテンやブラインドを設置するのがおすすめです。

ソファ・ベッド

シアタールームでは長時間の視聴が想定されるため、長時間座っていても疲れにくいソファや座椅子を準備しましょう。リクライニングソファであれば、ゆったりと寝転がって視聴することも可能です。

寝転がっての視聴がメインであれば、ベッドを設置するのも良いでしょう。飲み物やお菓子を持ち込みたい場合、サイドテーブルがあると便利です。

注文住宅に6畳程度のシアタールームを設置する場合、標準的な設備を採用しても200万円程度は見込む必要があります。ただし、部屋の大きさや設備のグレードによっても費用は大きく変わります。

防音も音響も本格的なシアタールームを作ろうとすれば、数百万~1,000万円程度かかる場合もあるでしょう。一方、簡易的なものであれば10万円程度から設置が可能です。標準的な費用の内訳は次の通りです。

プロジェクター 3万〜20万円程度
スクリーン 1万〜10万円程度
スピーカー 2万〜20万円程度
二重サッシ・複層ガラス 5万〜10万円程度(1カ所当たり)
遮音材・吸音材の設置 20万〜25万円程度

シアタールームは、こだわればこだわるほど費用が上がっていきます。初めは簡易的なもので費用を抑えつつ、必要に応じて徐々にグレードアップしておくのもおすすめです。

大きな費用をかけるのであれば、多用途で利用できるように設備や間取りを工夫するとよいでしょう。

続いては、実際にシアタールームを作った注文住宅の実例を2つ紹介します。どのような工夫をしているのかに注目してご覧ください。

建築実例1:屋根裏のシアタールーム

注文住宅にシアタールームを導入する際に必要な設備

ご主人のシアタールームを作ることが、家作りの必須条件だったご夫婦の実例です。法令による制約もある中、予算内で十分な広さを確保するために注文住宅の屋根裏にシアタールームを設置しました。

屋根裏だと室内環境が気になりがちですが、2階リビングからの熱で冬でも暖かいのがポイントです。機器の配線はご主人が細かく指定しつつ、部屋の仕上げに関しては設計担当が中心になって検討しました。

建築実例:御社の提案で屋根裏のシアタールームが完成しました。

建築実例2:大空間リビングをホームシアターとして利用

家族のやりたいことを詰め込んだこだわりの注文住宅の実例です。シアタールームを設置するのではなく、大空間リビングをホームシアターとして利用できるようにしています。上部が吹き抜けになっているので音漏れが気になるところですが、窓やドアを締め切っていればそれほど気になりません。

窓には電動スクリーンを設置して遮光できる他、ご主人がこだわって配置したサラウンドスピーカーで良質な音響も楽しめます。消灯やスクリーン操作はスイッチボットで統一しており、いつでも気軽に映画館気分に浸れる夢のホームシアターです。

建築実例:ホームシアター大空間の家

注文住宅にシアタールームを導入する際の注意点

注文住宅にシアタールームを導入するには、以下の4つの注意点に気を付けましょう。

  • 防音・遮光対策をする
  • 部屋の広さと天井高を考慮する
  • 配線を工夫する
  • 空調・換気設備を設置する

それぞれ詳しく解説していきます。

防音・遮光対策をする

映像や音響がどれだけ優れていても、音漏れがあると他の部屋にいる家族や近隣住民に迷惑がかかるかもしれません。音漏れが気になるようでは、心から視聴を楽しめないでしょう。

家族や近隣住民に迷惑をかけず思う存分楽しむには、防音対策が必須です。窓は二重サッシや複層ガラスにする、防音扉を設置する、部屋全体に遮音材や吸音材を施工するといった対策が考えられます。

また室内に光が入ると映像が見にくくなるため、遮光カーテンを採用したり、窓を小さめにしたりするなどの工夫も必要です。

部屋の広さと天井高を考慮する

シアタールームを設置する際は、プロジェクターとスクリーンの距離やスクリーンのサイズ・設置位置などを考え、映像が適切に投影できるスペースを確保する必要があります。照明一体型のプロジェクターは一定の天井高が求められるので、採用を検討しているのであれば、天井の高さも十分に確保しておきましょう。

加えて座って視聴するのか、寝て視聴するのかによっても適切な広さや高さは変わります。視聴環境や採用する機器などをシミュレーションし、適切な広さと天井高で設計しましょう。

配線を工夫する

シアタールームには数多くの機器を設置するため、そのままだと乱雑な配線が見えてしまい、快適な室内環境を実現できなくなってしまいます。配線はできるだけ天井や壁の内部など、目に触れないところに通すようにしましょう。内部を通すのが難しい場合はワイヤレス機器を選んだり、モールを使って隠したりするのも有効です。

配線を隠すには新築時に工事が必要になるケースもあるため、配線を隠したい旨をあらかじめ建築会社に相談することをおすすめします。

空調・換気設備を設置する

防音性やスペース確保の観点から、地下室や窓のない部屋にシアタールームを設ける例もありますが、こうした場所は空気がよどみがちです。窓がないと、湿気がたまりやすくカビやダニが発生しやすいため、空調・換気設備をしっかり整える必要があります。

換気システムを導入したり、地下室であればドライエリアを設置したりするのが効果的です。換気機能と除湿機能を備えた空調機器を設置するのもよいでしょう。

注文住宅にシアタールームを作れば、映画やライブ作品、スポーツの試合などを臨場感のある環境で楽しめます。趣味に没頭する空間としても活用できるので、普段の暮らしがより豊かなものになるでしょう。

シアタールームを作るには、配置や機器選定など専門的な知識が求められます。家の設計にも関わるため、シアタールームの施工実績が豊富な住宅会社に相談するのがおすすめです。

タイセーハウジングでは平成21年の創業以来、1,000棟以上の住宅の施工に携わってまいりました。お住まいになった後もストレスなく家族が幸せに過ごせる家づくりを目指しています。タイセーハウジングは土地探しから資金計画、設計・施工、アフターメンテナンスまで一貫したワンストップサービスを提供しています。

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