2階リビングのメリットって?
デメリットとその対策方法や建築実例もご紹介!

2024/7/9 公開

2階リビングのメリットって?デメリットとその対策方法や建築実例もご紹介!

リビングといえば1階にあるイメージが定着していますが、2階リビングもさまざまな利点があって人気の間取りです。この記事では、マイホームにリビングをどう配置するか検討している方に向け、2階にリビングを設けるメリットやデメリット、その対策まで解説します。

また2階リビングの家に暮らすのが向いている人、向いていない人の説明に加え、2階にリビングのある暮らしをイメージしやすくする実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

2階リビングのメリット7つ

2階にリビングを配置するメリットを7つ紹介します。立地や土地の形状によっては、2階にリビングを備えることで、1階リビングでは実現できない快適な暮らしを得られる可能性があります。

日当たりや風通しが良い

2階にリビングを設けるメリットは、日当たりや風通しが良くなることです。住宅が密集しているエリアでは、隣家との距離を十分に確保できないことがあります。この際、1階のリビングが隣家の影となり、昼間でも室内が暗くなる上、通風性も悪くなる可能性があることを考慮する必要があります。

これに対して2階リビングなら高さがあるため日光が入り込む余地が広がり、風通しも良くなります。住宅密集地で家を建てる場合、2階リビングは有効な選択肢となります。

開放感のある空間づくりができる

開放感のある空間づくりができる点も、2階リビングのメリットです。屋根に傾斜がある住居の場合、天井にも傾斜をつける勾配天井とすることで屋根裏スペースを小さくし、リビングに開放感を出せます。

勾配天井を活用してロフトをつくることも可能です。収納場所として使えるだけでなく、趣味に関わる物を置いてコレクションスペースにしたり、本棚置き場として活用したりもできるでしょう。2階リビングは開放感や収納力を備えた魅力的な空間を生み出せる可能性があります。

プライバシー性が高くなる

2階にリビングを配置する魅力として、1階よりプライバシー性が高くなることがあります。住宅密集地では、リビングが1階にあると距離の近い隣家の住人と目が合ってしまうこともあるでしょう。二つの道路と面する角地に立地している場合は、通行人の視線がさらに気になるかもしれません。視線を避けるためカーテンを閉めると、部屋が薄暗くなったり、開放感に欠けたりします。

一方、2階のリビングは高い位置にあるため、外からの視線を気にせずリラックスできます。2階ならテレビや楽器などの音が外に漏れる可能性も少なくなり、明るく開放感のある室内でゆったりした時間が得られるでしょう。構造的に問題がなければ、大きな開口を設けることも可能になります。

眺望が良い

眺望が良いことも2階リビングの特長です。住宅密集地では周りの建物が視界に入りやすく、窮屈に感じることがあります。隣の建物の壁が眼前にある1階リビングでは空を眺めることもできず、ストレスがたまるかもしれません。視界が抜ける2階にリビングを設けることで圧迫感を軽減できます。

周囲に海や公園があり、それらを一望できる立地なら、さらに眺めが良くなるでしょう。草木など自然の景色を楽しみながらおいしいお茶を飲んだり食事を楽しんだりすることで、リビングでのリラックスタイムが一層充実したものになります。

テラスやバルコニーを設置しやすい

2階のリビングは、テラスやバルコニーと相性が良いこともメリットです。リビングとテラスやバルコニーをつなげれば、屋内と屋外の空間をスムーズに移動できます。住宅密集地では敷地面積が限られているためリビングの狭さを感じるかもしれませんが、室外のテラスやバルコニーを組み合わせることで空間に一体感が生まれ、全体を広く感じさせる効果が期待できます。2階にテラスやバルコニーを設ければ、室内から眺める以上に見晴らしが良くなり、住宅街でも周囲の目線を気にすることなくくつろげるでしょう。

ビルトインガレージとの相性が良い

リビングを2階に配置するのは、駐車スペースを建物に組み込むビルトインガレージと組み合わせやすくなる点でも人気です。都市部では、土地の広さが限られていたり予算の関係で広い土地を確保しにくかったりするため、建物の敷地面積が狭くなる傾向があります。そのため駐車スペースの確保が難しいケースもあります。

2階にリビングを置き1階にビルトインガレージを設ければ、駐車スペースを確保できない問題は解決できます。雨や雪を気にせず乗り降りできる点もメリットになるでしょう。2階リビングなら敷地が狭くても、駐車場を確保すると同時に広々とした居室を実現できます。

耐震性が高くなる

耐震性が高くなることも、2階リビングを採用するメリットです。耐震性を高めるには建物を支える耐力壁を多く設けるのがポイントです。1階に他の部屋より広めにつくるリビングを配置すると、部屋数が減って壁の面積も小さくなります。

2階リビングの間取りを採用し、1階に寝室や子ども部屋などの個室を並べると、建物全体を支える耐力壁を多めに確保できます。地震が多い日本では、耐震性は住宅選びの重要な基準の一つです。2階リビングは快適性だけでなく、安全性も備えた魅力的な間取りになるといえるでしょう。

2階リビングの5つのデメリットと対策方法

2階リビングには多くのメリットがあると同時に、いくつかデメリットも存在します。ここでは、2階リビングの主な問題点とその対策について詳しく説明します。

家族の気配を感じにくい

家族の気配を感じにくい点が、2階にリビングを配置する一つ目のデメリットです。2階リビングの間取りでは、1階に家族の個室を配置するケースが多くなります。出かけるときや帰宅した際、リビングを通らず部屋に直接出入りできるため、コミュニケーション不足につながってしまうこともあります。

家族の帰宅時間がバラバラなケースなどでは、リビングで会話する機会が少なくなる可能性が出てきます。外出したことや帰宅したことを把握しにくいケースが増えるでしょう。上記のように2階リビングは家族のプライバシーを確保できる一方で、自然とコミュニケーションが減ってしまう可能性があります。

対策:コミュニケーションを取れる動線を考える

2階リビングでも家族の気配を感じやすくするには、コミュニケーションを取りやすい動線を考えることが大切です。例えば、子ども部屋を2階に配置するのも一つの方法です。子ども部屋をリビングの近くに設けることで、出入りするたびにコミュニケーションを図りやすくなります。

家族が自然と2階に集うようにするには、2階に浴室や洗面台を備えるなど、生活の中で階段を利用する必要性を増やすのも有効です。

また、玄関を吹き抜けにすることで、1階と2階を空間的につなげることも効果があります。外出時や帰宅時の物音に気が付きやすくなるため、家族の気配を感じられます。

夏は熱がこもり暑くなる

暖かい空気は上に向かって移動する性質があるため、熱がこもり暑くなることも2階リビングのデメリットとなります。加えて2階は、屋根からの熱が伝わりやすく、2階リビングだと暑さが増す可能性もあります。夏場は1階から上がってくる暖かい空気と、日光によって暖められた屋根からの暖かい空気で、一層暑さを感じるかもしれません。

室温が高くなり過ぎるとエアコンが効きづらくなります。快適な温度に保とうとしてエアコンを強めに運転し続けると、当然、電気代は高額になってしまいます。暑さに弱いペットを飼育している場合などは十分な注意が必要です。

対策:断熱性能を高める

2階のリビングに熱がこもる問題を解決するには、家全体の断熱性能を高めることが重要です。質の高い断熱材や高性能のサッシを活用することで、外部の熱を伝わりにくくします。

日光の熱を伝わりにくくするには、屋根断熱も有効です。屋根に断熱材を施工することで、屋根で暖められた空気による室温上昇を防ぎます。断熱性能を高めればエアコンの消費電力も減り、光熱費の節約につながるでしょう。

階段の上り下りが負担になる

階段の上り下りが負担になることも、2階にリビングを配置するデメリットです。日常的な上下の移動だけでなく、高齢者や子どもが重い荷物を持って階段を上り下りするのは大きな負担です。スーパーでのまとめ買いなどもしづらくなります。

来客時や宅配便が届いた際にも都度、階段を上り下りしなければなりません。年を重ねるほど体への負担が大きくなるため、2階リビングの間取りを検討する際は十分に考慮しておくことが大切です。

対策:上下移動の負担を軽減できるよう工夫する

2階リビングまで階段で移動することによる負担を軽減するには、いくつか工夫が考えられます。まず、階段に踊り場を設けることが有効です。踊り場があれば、途中で一息つくことができるので、特に年を重ねた際の体力的な負担を和らげます。

階段の傾斜を緩やかにするのも効果的です。急な階段は足の上下運動も大きくなり上り下りが大変ですが、緩やかな傾斜にすることで負担が減ります。さらに手すりを設置すれば安全性も高められます。

予算が許せばホームエレベーターを導入するのも選択肢の一つです。エレベーターがあれば荷物を運ぶのはもちろん、高齢者や体の不自由な方でも、2階まで楽に移動できます。

玄関の様子が分かりづらい

玄関の様子が分かりづらいことも、2階にリビングを設けるデメリットになります。生活の中心が2階となるため、玄関周りの様子が分かりにくく、防犯面で不安に感じることがあるかもしれません。

仮に玄関ドアの鍵を閉め忘れて住居内に不審者が侵入してきた場合、2階のリビングにいると気配や物音を察知できない可能性が高まります。1階に人がいないと思われやすいことも、防犯面のリスクになるでしょう。

対策:防犯性を高める

防犯性を高める対策をすることで、玄関の様子が分かりづらい問題を軽減できます。例えば1階の窓にシャッターや防犯ガラスを付け、不審者の侵入を防ぐことです。

宅配ボックスを設置するのも一つの方法です。宅配ボックスがあれば玄関先に荷物が放置されないため、外出していることが他人に認識されずに済みます。

防犯性の高いドアを選ぶことも効果があります。例えばピッキングに強いシリンダー錠や、ドア自体の強度が高い材質を選ぶこともおすすめです。

人感センサーライトの設置も有効です。人の動きを感知して自動的に点灯するライトがあれば、不審者を警戒させられます。玄関アプローチに防犯用の砂利を敷くと、歩けば音が出るため、不審者の接近を察知しやすくなります。

家具家電の搬入が大変になる

2階リビングの間取りでは、家具や家電の搬入が大変なケースがあります。特に大型製品を運ぶ際には注意が必要です。階段の幅が十分になければ、冷蔵庫や洗濯機、ソファーなどが搬入できないこともあります。

階段を使えなければ玄関からの搬入は不可能です。クレーンなどで2階まで吊り上げてベランダから搬入する方法もありますが、追加費用がかかります。そもそも住宅密集地では、クレーンを使うスペースを確保しにくいこともあるので注意してください。

対策:事前に搬入経路や運びたい家具家電を確認する

家具や家電を2階のリビングに搬入できない事態を避けるため、事前確認を徹底しましょう。階段の幅や高さを測り、購入予定の家具や家電を通せるかチェックします。階段だけでなく、廊下やドアの幅なども考慮に入れることが大切です。

クレーンで吊り上げて搬入する場合に備えて、ベランダのサイズを確認することも重要になります。搬入経路全体を確認し、問題がないかどうか見極めた上で、家具家電を選ぶようにします。

家具や家電の販売店によっては、搬入の下見サービスを行っている場合もあります。事前に販売店のスタッフに現地で搬入経路を確認してもらえれば安心です。

2階リビングが向いているケースと向かないケースを解説します。ご自身が優先するポイントをしっかり考えた上で間取りを検討することをおすすめします。

2階リビングが向いているケース

2階リビングが向いているのは、日当たりや開放感などを重視するケースです。1階リビングでは周囲の建物や塀に遮られて採光が確保しにくいことがありますが、2階リビングなら良好な日当たりや通風性を得やすくなります。

1階に比べると眺望も良くなり、開放感も得やすいです。都市部の住宅密集地に家を建てる場合には、採光や通風が不十分なケースもあるため、2階リビングがおすすめです。他人の視線を気にせず暮らしたい方や耐震性を重視する方にも適しています。

2階リビングが向かないケース

一方、十分な敷地面積があるケースや高齢者と一緒に暮らす場合には、2階リビングは向いていません。敷地が広ければ1階でも十分に採光や通風性を確保できますし、隣接する建物がなければ他人の視線も気になりません。

また、高齢者にとって階段の上り下りは足腰への負担になるため、2階リビングは避けた方が良いでしょう。特に、膝や腰に痛みがある方の場合、階段の移動は困難を伴います。将来的に介護が必要になった際も対応が難しくなります。

2階リビングの間取りは、さまざまな工夫によって快適で魅力的な空間を実現できます。ここでは、タイセーハウジングが手がけた2階リビングの実例を紹介しながら、その特徴やメリットを解説します。

限られた空間を活用した2階リビングの家

和の要素を一滴 小上がり畳の立体的な住まい(世田谷区)

一つ目の例は、高い天井とロフトが特徴的な住まいです。限られた空間でも収納力を損なわずに、快適に過ごせる工夫が施された2階リビングの家となっています。

リビングは勾配天井を採用し、開放感のある空間です。天井のペンダントライトとシーリングファンが一層おしゃれな雰囲気を演出しています。シーリングファンは、夏場に2階にこもりやすくなる空気を循環させる役割も果たします。

目を引くのは、リビングの一角に設けた3帖ほどの小上がりスペースです。畳敷きにしてご主人が望んだ和の要素を取り入れつつ、モダンなリビングとの調和も図られています。小上がりスペースはくつろぎの場として使える上、収納スペースも兼ねており、空間を有効活用した例になっています。

お客さまインタビューでさらに詳しく間取りの魅力をご覧になれます。

家に囲まれても明るいリビングを実現できた家

開放感と調湿効果で心地よいリビング(横浜市)

一つ目の例は、高い天井とロフトが特徴的な住まいです。限られた空間でも収納力を損なわずに、快適に過ごせる工夫が施された2階リビングの家となっています。

次に、家に囲まれていても明るいリビングを実現した例をご紹介します。土地が狭く3階建ての建物が多いエリアで、十分な採光を確保するため2階リビングを採用しました。

屋根に傾斜をつけた勾配天井にして高さを出し、開放感のある空間を実現した他、高い位置にFIX窓を設置することでリビングの明るさを確保しています。周囲が家に囲まれていても高窓から自然光が降り注ぐことで、日中は照明いらずの明るさを確保できるのが特徴です。

お客さまインタビューでさらに詳しく間取りの魅力をご覧になれます。

夏も冬も快適に過ごせる、細かい工夫のある家

高気密高断熱に優れた光たっぷりの家(豊島区)

最後にご紹介するのは、夏も冬も快適に過ごせる細かな工夫のある家です。都心部で敷地を十分に確保できないため、採光を重視して2階リビングの間取りを採用しました。ベランダに大きめの軒を設置しており夏場の強い日差しを遮って室内の温度上昇を抑えられます。気密性と断熱性を高め、冬場も暖かい空気を逃さず快適に過ごせる住宅です。

また、勾配天井にして開放感のある空間を実現し、高窓も設置して日当たりをさらに良くしています。天井を高くすれば、夏場に熱が2階にこもりやすくなる状態を和らげることも可能です。

お客さまインタビューでさらに詳しく間取りの魅力をご覧になれます。

2階リビングには多くのメリットがあり、快適な暮らしを手に入れられる間取りです。日当たりや開放感を確保しつつ、プライバシーも守れる2階リビングの魅力をさらに引き出すには、設計段階から入念に検討することが大切です。きめ細やかな工夫を施せる住宅建設会社を選ぶことが、満足度の高い2階リビングを実現する鍵となります。

神奈川県厚木市や東京都世田谷区に拠点があるタイセーハウジングは、その家に住まうご家族の暮らしを重視してお打ち合わせを行います。内装や間取りなどの見た目だけでなく、換気や気密性など性能にもきめ細かな工夫を施せるのが、タイセーハウジングの強みです。土地や住宅の購入を検討されている方は、この機会にぜひ資料請求をご検討ください。