2025/2/17 公開
家の第一印象は玄関で決まるといわれています。注文住宅を建てる際には、玄関の間取りにもこだわりたい方が多いでしょう。近年、玄関のデザイン性だけでなく、動線や収納などの機能性も求められており、玄関の間取りのバリエーションが豊富です。
そこで本記事では、注文住宅における玄関の間取りの決め方やアイデア、後悔しないポイントを紹介していきます。玄関間取りの実例も紹介していますので、何から決めれば良いのか分からず悩んでいる方は、ぜひ家作りの参考にしてみてください。
玄関は、家を訪れた方から初めて見られる家の中の顔となる重要な役割を持つ場所です。また玄関は靴だけではなく、居室に持ち込みたくないアウトドア用品や雨具が集まる空間であり、収納スペースとしての役割も兼ね備えています。
近年は、家族のライフスタイルに合わせた土間やシューズクローク、動線などのバリエーションが増えつつあります。玄関は、外と往来する汚れやすい場所であるため、利便性と機能性を備えた間取りを考えましょう。
注文住宅の玄関の間取りを決める際は、方角や広さ、動線などのいくつかのポイントを押さえることが大切です。家族全員のライフスタイルに合った、使いやすい快適な玄関を実現しましょう。ここでは、注文住宅の玄関間取りを決める4つのポイントを紹介していきます。
玄関の間取りを決める際に、方角は後回しにされがちなポイントですが、日当たりも左右されるため、玄関の方角を決めるのは重要なポイントといえます。
一般的に、玄関は日当たりの良い南・東向きの方角が人気です。開放的で明るい印象の玄関に仕上げられるからです。
一方で、日当たりの良い場所にはリビングやバルコニー、庭などの居住スペースが優先的に配置されます。結果的に玄関が北・西向きの方角に設置されるため、日当たりの確保が難しく、暗い印象の玄関になってしまうでしょう。
前述の通り、玄関の間取りの方角によってメリット・デメリットがあります。それぞれ把握した上で、家族が暮らしやすい方角に決めるのがおすすめです。
玄関を快適に利用したりスムーズに出入りしたりするためにも、玄関の間取りの広さを決める際には注意が必要です。
玄関には、3〜5畳ほどの広さを確保するのが一般的ですが、家庭によって必要な広さは異なります。家族の人数や来客数によって、玄関スペースに必要な間取りの広さを決めると良いでしょう。また介護の必要な家族や小さな子どもがいる場合、出入りがしやすいように間口の広さも考慮することが大切です。
さらに、収納量を考慮して玄関間取りの広さを決めるのもおすすめです。家族のライフスタイルから、靴だけでなくアウトドア用品や雨具などの収納ができる玄関の広さを考えましょう。
玄関の間取りを決める際、すっきりとした空間に仕上げるためにも収納スペースを確保することが重要なポイントです。
玄関の収納スペースが足りないと、靴や雨具などの物が土間部分に乱雑し、見た目に悪い玄関となってしまいます。一方、玄関の収納を必要以上に広くしてしまうと、生活の中心となる居住スペースが狭くなってしまうため、適切な収納スペースを決めることが大切です。
近年、靴だけでなくアウトドア用品やガーデニング用品、ベビーカーなどが収納できる玄関を求める人が増えています。そのため、シューズクロークやシューズインクローゼット、ウォークスルークローゼットなど収納のバリエーションが豊富です。確保できる玄関スペースの広さや家族のライフスタイル、収納したい物の量から玄関の収納スペースを決めましょう。
快適に暮らしやすい住まいを実現するためには、玄関から他の部屋に向かう動線を考慮することも大切です。
例えば、玄関からキッチン・パントリーへの動線が確保されていると、買い物から帰ってきたとき、重い荷物を運ぶ負担が軽減されます。また玄関から洗面所・お風呂場への動線が確保されていると、子どもが外で遊んで帰宅したときでも、家の中が汚れずに、すぐに手や体を洗うことが可能です。来客が多い家庭だと、玄関の近くに客間を配置するとゲストをスムーズに客間まで案内できます。
外から帰ってきた家族の行動パターンや来客数を考慮し、玄関から他の部屋への動線を決めると良いでしょう。
注文住宅には、さまざまなニーズに合わせた玄関の間取りアイデアが豊富にあります。あらかじめどのような玄関の間取りがあるのかを知っておくと、注文住宅を建てるときの参考になるでしょう。ここでは、多く採用されている玄関の間取りアイデアを紹介していきます。希望の玄関にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
玄関にシューズインクローゼットを設置し、靴以外の物も収納できるスペースが確保できると、玄関を常にすっきりとした空間に仕上げられます。
土間続きに仕上げることで、土足のまま収納スペースへと入ることが可能です。外で付着した砂や土などで床が汚れることを気にせずに済みます。他にも、物の出し入れがしやすくなったり、趣味の道具の手入れをその場でできたりするため便利です。
玄関からつながるように土間リビングを設置すると、リビングに差し込む光を玄関にも取り入れやすくなるため、開放感のある明るい玄関へと仕上がります。
土足で利用できる土間リビングには、室内での置き場所に困るようなアウトドアやガーデニング用品の収納が可能です。また小さな子どもやペットの遊び場スペースとしても利用できます。その他、玄関から土間リビングがつながっていることで、土足のまま買い物の荷物を運ぶことが可能です。
玄関からの土間リビングは、多機能かつ大きく利便性の向上につながるでしょう。
玄関に手洗い場を設置すると、外から帰ってきたとき、他の部屋を通らずにすぐに手洗い・うがいができます。家の中に菌や汚れを持ち込まないため、家族の健康に配慮しやすいでしょう。ペットを飼っている家庭だと、散歩の帰りに足を洗う足洗い場としての利用も可能です。
家の中を清潔に保ちたい方や、衛生面を考慮したい方には、玄関手洗い場の設置がおすすめです。
玄関間取りの広さに余裕がある場合、玄関からそのまま室内へとつながる来客用の動線と、シューズクロークを通って室内へとつながる家族用の動線の2way動線を作るのも良いでしょう。
広々としたシューズクロークには、靴以外のベビーカーやアウトドア用品も収納可能です。そのため、玄関に生活感を出さずすっきりとした空間を保てます。来客が多い方にもおすすめの間取りアイデアといえるでしょう。
玄関から、広々としたシューズクロークとインナーガレージにつながる動線を作ることで、荷物の搬入・搬出が便利になります。インナーガレージと玄関を直接移動できるため、外に出る必要がなく、雨の日などの悪天候時でも気にせずに荷物を運べるからです。
またインナーガレージは収納にも利用できる上に、DIYや車のメンテナンスを行うスペースとしても利用できます。
玄関間取りの広さを確保しにくい場合、玄関を吹き抜けにして窓を設置するのがおすすめです。吹き抜けによって視界が縦に広がる上に、自然光が室内に取り入れられるため、限られた玄関の面積でも明るく開放的な玄関に仕上げられます。
一方で、玄関間取りが狭くなると収納スペースの確保が難しくなります。玄関収納の工夫が必要となる点には注意しましょう。
スムーズに身支度を整えて外出・帰宅したい場合には、玄関と室内の両方から出入りしやすい、ウォークスルークローゼットを玄関に設置するのがおすすめです。
土間部分にはアウトドア用品やスポーツ用品を収納し、フローリング部分にはコートや鞄を収納できるようにして収納する物を分けることで、室内の清潔感を保ちやすくなるでしょう。
注文住宅を建てる際は玄関もこだわりたい間取りの一つですが、希望の玄関のイメージがはっきりと思い浮かばない方も多いのではないでしょうか。ここでは、実際の玄関間取りの実例集を紹介していきます。こだわりが詰まった玄関の間取りを、ぜひ参考にしてみてください。
まずは京都の町屋のように、玄関ホールとリビングを土間で結んだ通り庭を採用した玄関の実例です。限られた延床面積の中でも、収納スペースを確保しつつ最大限の広い空間に仕上げました。
また抜けの効果とリビングから差し込む光によって、明るく開放的な印象の玄関となっています。土間からは2階へと続く階段にもつながっているため、リビングから常に家族の気配を感じられる魅力的な家です。
建築実例:通り庭のある家
次の実例は、ご主人がこだわって考えた土間シューズインクローゼットがある玄関です。シューズボックスがある奥側の動線を家族用、玄関からまっすぐ室内へと入れる動線を来客用とした便利な2way動線となっています。
広々とした土間シューズインクローゼットの床部分には、モルタル材を採用しました。靴以外の自転車やキャンプグッズなどのアウトドア用品の収納も可能です。さらに、くつろいだり作業スペースとして利用できたりするデスクとチェアを設置し、ご主人の趣味部屋にもなっています。
最後の実例は、タイセーハウジングが手がける自然派素材にこだわったcocoloシリーズの家の玄関です。玄関に入った瞬間から木の温もりが感じられ、大きな窓からは日の光が差し込み、明るく開放的な印象に仕上がりました。また窓から外の植栽が見える設計となっており、景観も楽しめます。
玄関には、土間続きのオープンタイプのシューズクローゼットと見せる収納棚が設置され、住む方の好みに合わせた空間の演出が可能です。土間を上がってすぐの場所にある手洗い場では、帰宅後すぐに手洗い・うがいができるため、室内を清潔に保てられる家となっています。
ここまでは、注文住宅で玄関の間取りを考えるための決め方やアイデア、実例を紹介してきました。しかし、実際に注文住宅が仕上がった後に「想像していたものと違う玄関になってしまった」とならないためにも、あらかじめ後悔・失敗につながりやすいポイントを知っておくのがおすすめです。玄関の間取りで後悔しやすいポイントを、以下に紹介していきます。
玄関に窓が設置されていない場合や方角によっては、暗い印象の空間へと仕上がってしまう可能性があります。暗い玄関になった場合、照明を付けることによって対策できますが、日中は照明がなくても明るい玄関となる間取りを考えるのがおすすめです。窓から日の光が差し込む明るい玄関だと、家の第一印象が良くなる上に、電気代の節約にもつながります。
注文住宅の間取りを考える際には、居住スペースを広く確保するケースが多いため、玄関が狭くなりがちです。特に土間部分が狭い場合、複数人での出入りがしづらくなります。また、収納が足りなくて土間部分にまで靴や雨具が散乱してしまうと、より玄関が狭く感じてしまいます。
玄関は適切な広さを確保し、複数人がスムーズに出入りできるようなすっきりとした空間へと仕上げましょう。
家族の人数が多くて収納が足りなかったり、玄関が狭くて十分な収納スペースが確保されていなかったりする場合もあります。
収納が足りないと土間部分にも物が散乱し、生活感のある玄関となってしまいます。また汚れが気になるアウトドア用品やカーグッズなどを、室内に収納しなければなりません。家族全員の持ち物を把握し、玄関の収納スペースを確保するのがおすすめです。
玄関が狭く、靴や物が多いとニオイが気になることがあるでしょう。さらに、適切な換気が行われないと、ニオイがこもってしまう可能性もあります。玄関スペースが不快に感じてしまい、来客時にもニオイが気になってしまいます。
玄関には換気ができる窓や換気システムを設置し、常に快適な空間を保てられるようにするのがおすすめです。
帰宅時にすぐに手洗い・うがいを行いたい場合や、買い物帰りの荷物をキッチンへ運びたい場合、玄関から洗面所やキッチンまでに距離があると、動作に負担を感じてしまうことがあります。そのため玄関から洗面所やキッチンが近くなる動線を考えるのがおすすめです。
一方で、玄関から洗面所やキッチンが丸見えにならないように、プライバシーを考慮して家全体の間取りを決める必要があります。
実際に注文住宅における玄関の間取りを作る際には、どのようなポイントを押さえると良いのでしょうか。玄関の間取りは、収納や採光・通風、デザインに重点を置いて考えるのがおすすめです。以下では、玄関の間取りを作る3つのポイントを紹介していきます。
玄関は、十分な収納スペースが確保できるように計画を立てましょう。靴だけでなく、掃除道具や雨具、アウトドア用品などを収納することを考慮する必要があります。収納スペースが足りず、土間部分にまで物が散乱していると、家の顔となる玄関の印象が悪くなってしまいます。
収納計画が立てられるように、家族の持ち物や玄関に収納したい物をリストアップするのがおすすめです。さらに、収納したい物の種類や数、サイズなどを把握すると良いでしょう。
玄関を明るく快適な空間へと仕上げるためにも、採光・通風を確保することも大切なポイントです。玄関に窓を設置したり吹き抜けにしたりして、自然光を取り入れやすくするのがおすすめです。玄関が明るいと開放的な印象となり、訪れた方にも好印象を与えられます。また、風通しがよくなるように、開閉可能な窓や換気システムを設置すると良いでしょう。ニオイがこもりやすい玄関が、換気によって清潔で気持ちの良い空間を保てます。
注文住宅の場合、玄関の床・壁紙・扉などの素材・デザイン・色を一から決めることが可能です。デザイン性を重視した開放的な空間を演出する一方で、メンテナンスがしやすい素材を選ぶことも大切です。素材選びを意識することで、掃除がしやすく、常に快適な空間を保てるようになるでしょう。さらに、玄関に姿見を設置すると、外出前の身だしなみチェックができて便利です。慎重にデザインを考え、こだわりの玄関に仕上げましょう。
注文住宅における玄関の間取りを決める際は、デザイン性はもちろん、家族が使いやすい間取りを考えることが大切です。希望の玄関を作るためにも、注文住宅の施工実績が豊富な建築会社に相談することをおすすめします。
タイセーハウジングは、神奈川県・東京都内を拠点にした地域密着型の工務店です。平成21年の創業以来、1,000棟以上の住宅の建築実績があります。お客さまのご要望に寄り添った提案が得意です。暮らしに彩りをプラスする玄関がある注文住宅をご検討中の方は、ぜひタイセーハウジングへお気軽にご相談ください。